いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

本日は大安なり

■第11回モニター「本日は大安なり」辻村深月

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

チャエ さん (40代女性 専門職)
 題名を見た時は思わず、『赤川次郎さんお久しぶりです』と声が出そうだった。「大安」「結婚」「美人姉妹」と並べば、同世代の方なら納得してくれるだろう。しかし、ここは辻村ワールド。4組の夫婦が順に紹介されていくうちにその片鱗が見えてくる。かゆい所に手が届く(?)ように、心の行方のあちこちにぬかりなく踏み込んでくるのが心地よい。またこのばらばらな4組の夫婦も、ウエディングプランナーの登場で心地よく1つの作品にまとまっているのもすばらしい。
はなこ さん (40代女性 主婦)
 人生最大のイベントである結婚式。これは高級結婚式場でのある大安の1日の出来事の物語である。
 4つの物語が交錯しつつ、進んでゆく。登場人物がその日の朝から分刻みで次々とあらわれることで、まるで自分が結婚式場の慌ただしさの只中に身を置いているような臨場感と、テンポの良さを感じて一気読みした。
 一世一代の主役をはる為に尋常ではないエネルギーを注ぐ花嫁たち。そこがまた滑稽でもある。
 幸せに満ちた主役たちはそれぞれ様々な事情を抱えており、それにまつわる本人や周りの細かな心理描写がとてもうまい。特に、作者の女に対する冷静で少し意地悪な目にはゾクッとさせられる。「あぁ、いるなぁ、こういう女…」と必ず思うに違いない。
 思う存分ハラハラ、ドキドキさせられた上で、入り組んだ関係を上手に収束させていくのが見事だった。
とても楽しい時間を過ごせた。
HappyFlowerPop さん (40代女性 主婦)
 ものすごく面白かったです。
 ホテル・アールマティーに集う結婚を控えた4組の人物の話が入り乱れて進みます。視点が章ごとにクルクル変わるのに、わかりやすく読みやすいのはさすがです。
 それぞれの話が面白くて、視点が変わるたびにさっきの話の続きが知りたいとじれてしまいますが、次の展開も目が離せません。
 前半の淡々とした流れから中盤で突然シリアスなサスペンス調になります。「何これ、どうなっちゃうの〜?!」と一気読みです。
 でも読後感はとってもほんわか。
ごひいきの作家さんがこんなに面白い話を書いてくれたことに感動で涙がでました。
あい さん (20代女性 学生)
 私はもともと辻村先生の大ファンなのですが、これは特にオススメです!
 中でも、双子の姉妹の密接した関係性の描写が生々しくて、辻村先生らしいと思うと同時に、同じ女としてひやりとしました。
 本作は、双子の姉妹、ウエディングプランナー、小学生、新郎の4つの視点から描かれています。読み進めるうちに、「えっそうだったの?!」 「えっ、えっ??」 「…まさか!」と思わず口に出てしまうくらい話が2転3転し、驚くこと間違いなしです。「謎が解けていって、最後にどんでん返し」が好きな人は是非。
 個人的には、他の辻村作品の登場人物に会えたのがうれしかったです。
シュエパイ さん (20代男性 会社員)
読み進める内に、4組が4組とも、ドロドロとした物語を抱えているのが見えてきて、段々と「この人達、全員破局した方が良いんじゃ…?」と不安に駆られてドキドキしました。ところが、あのパニックが起きた瞬間、パッとカードの絵柄が裏返るように、4組全ての物語への印象が変わっていきました!
 辛い過去を乗り越えて輝きを魅せた彼女や、誰よりもずっと純真な想いで幸せを祈り続けた少年も、こんなに愛しい人々の物語に触れることが出来た幸運よ!
あぁ本当に、大安吉日この佳き日♪
みんなが幸せに成れますようにと、強く強く祈らずにはいられません。
5020 さん (40代女性 会社員)
 今まで読んできた辻村作品は「冷たい校舎の時は止まる」「子どもたちは夜に遊ぶ」「ぼくのメジャースプーン」「凍りのくじら」「スロウハイツの神様」「名前探しの放課後」。この作者さんに対する私の評価は基本、「登場人物達を慈しむ作家さん」。まるでその目線は、神のような高さにあって母のようだ。しかもこのかーさんはたいへんな子だくさんで、どの作品も登場人物がてんこもり。しかも横軸でわずかに、それらの幾人かがつながってゆく。だから私たちはこの人の作品から目を離せない。どう成長するんだろう、何があったんだろう。一冊読み進むごとに顔をのぞかせる「顔なじみ」がいて、ちゃんと事後報告してくれるから、辻村作品にはある意味、終わりはないんだろうと思う。だから、この「大安吉日」1日ですべてのけりを付けざるを得ない今回の構成に、期待と同時に不安を覚えたのも事実だ。だって1日じゃ、誰も十分に成長できないじゃん?
 ところが読み終わって、かーさん、やるね?(すいません辻村先生、あたしよりかなりお若いですね)
 辻村作品の子供達はなんと、このわずかな間に爆発的に成長してた。憧れのお姉ちゃんを守る小さなナイトが、優柔不断なダメ夫が、シスコンの姉(妹?)が。そうしてなんだろう、この潔いばかりの前向きなケッコン讃歌。キモチいい!!とかく商業主義的だとかお約束だとか言われるけれど、やっぱり結婚式って大事じゃない?目の前のこの人が絶対に自分にとっての唯一無二であり、しかも自分も相手にとっての絶対じゃなきゃ、やってらんない。さらにそんな能天気な自己中なカップル達の思いを縦軸に、脇でしっかり「徹頭徹尾の完璧な脇役」に徹するプロ意識。そんな脇役にだって主役席をちゃんと用意するあたり、ここはかーさんの面目躍如といったところか。
 いろいろなところに楽しみをちりばめつつもちょこちょこっと棘のある、でも全体にハッピーエンドでカラフルな今回の辻村作品はなんだか、懐かしいこんぺいとうみたいだなって、いやいやもしかしたらカレイドスコープかな?なんてあたしは少し、考える。そうして、この本を手に取ったあなたに今好きな人がいて、ついでにもしもその人との大安吉日のケッコンを考えていたとしたら、そんなあなたを私はとても、羨ましく思う。
 いつかはあなたの王子様は、お姫様は、今のきらきらを少し、失うかもしれない。そんなときに胸に手を当ててこう呪文を唱えるだけでいい。「大安吉日にケッコンしたじゃん、ダイジョブダイジョブ」
 辻村作品、万歳。なんだこの、爽快感?くーっ、ケッコン式、ジューンブライド、いいなぁ!
nonpoo さん (40代女性 その他)
 今、人に薦めるとしたらイチオシの作家辻村深月さんの新作。一言で言うと期待以上の面白さでした!!
 あらすじを見た時は、題名とは反対にどろどろした人間関係のサスペンス的な内容と勝手に思って読み始めましたが違いました。
 結婚式当日の時間を追って描くそれぞれの物語……登場人物が色々な事情を抱えて進んでいくテンポの良さや、回想シーンはさすがに上手くて引き込まれます。そして最後はこうあって欲しいと思いながら読んだ後の清々しさは、この題名にぴったりだと思いました。
 辻村深月さんには珍しく(?)日常を一歩踏み外したくらいの、あるかも…と思ってしまう話をこんなに面白く読ませるこの本は、まさに新境地といったところでしょうか。今まで辻村深月さんの不思議系ミステリーの作品が好きでしたが、これからの作品が一層楽しみです。
みっきー さん (40代女性 主婦)
 さすが辻村深月!という感想しか出てこないです。
 読みすすめていくうちにこれは、ホラーなの?ってドキドキしながら読みましたけど最後はきちんとハッピーエンドで終わるなんてすごいとしか言いようがありません。
 プランナーの山井多香子さんが言う言葉に一つ一つうなずきつつ自分の結婚式を思い出しました。私もこの方にコーディネートしてもらいたかったです。
 絶対に期待を裏切らない辻村深月先生の作品、これからも読み続けていきます。
わさび唐辛子 さん (20代男性 学生)
 さっぱりしていたと思います。しかし、そのさっぱりというのは褒め言葉なのか、否なのか私にも分からないかもしれません。このさっぱりとした感が好きな方がいるかもしれませんが、私には少し物足りないとも思いました。最近の作品『光待つ場所へ』だったり、『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』だったりの作風に似ていたと思います。私が求めている辻村先生というのは、『ぼくのメジャースプーン』だったり、『子どもたちは夜と遊ぶ』だったり、『名前探しの放課後』たちなのです。『子どもたちは夜と遊ぶ』に登場した孤塚、恭司、月子を出したのだと思いました。だから、それに関しては私はとても喜びました。凄い感激でしたよ!私の中で『子どもたちは夜と遊ぶ』はかなり好きな作品であり、また登場してほしいキャラたちが一杯いるので、とても良かったと思います。実際そこだけで満足してしまった私がいました。まとめを言うと、全体の感想としては普通なのかな〜と少し辛口に言ってしまいます。ただ、昔のキャラが登場する事で、『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』のような作風が好きな人と、私のように昔の作風を好み、昔の作品にとても馴染みがある人、両方のタイプにも楽しめる内容だと思いました。
はち さん (10代女性 学生)
 とても面白かったです。読み始めてから終わるまでの2時間、本当にあっという間でした。
 「結婚」というテーマがさまざまな人の立場で描かれていきますがまた相変わらずキャラクターが個性豊か。(美人双子姉妹のエピソードがとても好きです。)そこに彼らの世界が本当に存在しているのです。
 あちらこちらに丁寧にはりめぐらされた伏線が、ラストに向けてきれいに回収されていく様はうっとりしてしまうくらい素敵です。
 今までに辻村さんの本を読んだことがある方も、そうでない方も心から楽しめる本だと思います。ぜひ読んでみてください!
陽月 さん (10代女性 学生)
 流石辻村さんです。
 くるくると目まぐるしく動く結婚式に様々な思いが交差して迎えられるそれぞれの終末点。別の視点からは幸せな結婚式であるのに、その中にはたくさんの感情が渦巻き続け、臨界点に向けて加速していく様は読んでいて堪らなくなりました。
 読んでいる最中は居たたまれないくらいにどうしようもないのに、この読後感の良さは素敵です。ああ、いいなあ。結婚式はやっぱり素敵だ。そう最後には思わせてしまう。ドキドキももどかしさも、あっという間に爽快感に変えてしまう。素晴らしい本に出会えて良かったです。あとは辻村作品のファンであればすごく嬉しいリンクにニヤニヤしてしまいました。
ちさ さん (20代女性 学生)
 …ヤられた。
 4組の夫婦を時間と共に追う作風。結婚式という夢の舞台。そこに漂う陰鬱な雰囲気。ドキドキしながら読むと、出てくる一人一人の物語が、また良いとこで切り替わるもんだからついつい先を読み進めてしまう。
 だらしなさっぷりに磨きがかかった陸雄さんに「とっとと破滅しろ!」と憤慨したり、玲奈がクレームを言う度に「あー、こういう女いるいる」と脱力し、山井さんに同情したりと出てくる人物が妙にリアルで感情移入し過ぎて不快感が芽生えたりしたんですが、読了後にはそれを覆すほどの爽快さで締めくくられ、それはまさに「ヤられた」の一言に尽きました。あー、もう本当にヤられた。
こむ さん (20代女性 専門職)
 まず、辻村深月さんが「パニックエンターテイメント」を書かれたと聞き、とても驚きました。これまで読んだ辻村さんの作品はどれも、少し不思議でありながら、孤独や寂しさ、切なさを扱ったものだったので、「パニックエンターテイメント」と聞いても、あまりピンと来なかったのです。
 『本日は大安なり』は、大安の日曜日に同じホテルで結婚式を挙げる4組を追いかけて行くストーリーです。それぞれの視点が、まさに分刻みでテンポよく変わっていきます。それぞれの思惑を抱えた一世一代のハレの舞台は、無事に終わるのか――ハラハラとページをめくってしまうのは、まさにパニックエンターテイメントと名付けるにふさわしい心躍る作品でした。
 しかし、ドタバタの一日を見せるだけではありません。過去にさかのぼり、丁寧に描かれる、それぞれの登場人物の思い。そして随所に盛り込まれた私たち読者へのサプライズは、辻村さんの真骨頂。も、「やられた」と何度も膝を打ってしまいました。
シン さん (10代男性 学生)
 高級ホテルでの結婚式を舞台に、繰り広げられるドタバタ劇。主に4人の登場人物の語りによってストーリーが進まれますが、それぞれキャラクターが立っていて感情移入がしやすかったです。そして、それぞれのエピソードに心温まるオチがつけられていて、思わずにやけてしまいました。辻村深月さんらしい、心躍らせるエンターテイメント小説でした。
のあのあ さん (40代女性 会社員)
 たった数時間の出来事でしかないはずの結婚式だけど、たかが結婚式されど結婚式。幸せそうに見える結婚式にも、それぞれの深い思いや、面倒くさい事情があり人間の心の深さと、本当の感情が見えるようだった。大安吉日の幸せな結婚式の陰に隠されがちなゆえの人間的な感情に臨場感を感じた。
 同じ日に、結婚式を迎える4組のカップルが、それぞれたった数時間の結婚式のために、準備にかかる日々。当事者ではないそれぞれのカップルに関係するキーマンの視点が、目に見えているものと見えていないものとを混乱させ、想像と興味をかきたてられるところは少しサスペンス的。でも、結婚式当日には、その人の育った環境、性格、ずっと抱えている思い、心のうちなど、人間ドラマのようだった。結果的に、みんなが救われて良かった。
 読み終わって、やっぱり結婚式ってやったほうがいいかもしれないなんて漠然と思ったりした。結婚式は、たった2時間程度、家族と親戚、友達や上司を呼んで、「私たち結婚します」と宣言するようなお食事会だけど。結婚式をするまでの感情には、自分の一生を一度振り返るような重みがあるかもしれないと思った。
くりあゆ さん (10代女性 学生)
騙されないぞ、と意気込んで読み進めました。いやな読者として辻村さんに挑戦したのです。
 完敗です。いい意味で裏切られました。最初は意気込んでいた私も、途中から夢中になって読み進めてしまい、辻村ワールドに引き込まれていたのです。
 どうなってしまうんだろう、という不安とわくわく感。魅力的なキャラクターたち。懐かしい彼らに会えたことも嬉しい驚きでした。
 直接的には関わっていない人物たちも、リンクしていて自分がいろんな視点から会場をのぞいているようで面白かったです。同じ 会場で起こる様々な出来事が「結婚式のハレの日なのに」なんて思っていた私を裏切る結末は圧倒の一言でした。
 何事も成功しないことはないといわれる大安、なんです。
読んだ後に温かい気持ちになれる作品でした。
サク さん (30代女性 会社員)
 辻村さんの作品だなぁと最後のページを閉じて思いました。
 大安の日、有名結婚式場で行われる4組の結婚式の主役、その家族、友人達、式を取り仕切るホテルスタッフにウェディングプランナー。それぞれの思惑を抱えた彼らが、自分の欲しい物を求めて貪欲なまでに駆けていくお話でした。結婚式のその日に!
 めまぐるしく入れ替わり立ち替わりする登場人物達の物語は、その背景を知りたくて先を急ぐ気持ちになると同時に、その底にずっと流れている彼らの「必死さ」にやられてしまったような気がします。
 作中、ウェディングプランナーの山井多香子が、成功しないことはないとされる大安について「だけど、大安はただそれだけでは実現しない。それを可能にするのは、私達だ」と続ける箇所がありました。この場面では、ウェディングプランナーである彼女たちがそれを成功させるのだと使われているのですが、これはこの作中に出てくるすべての登場人物達、それから読者である私達に向けられる言葉のような気がします。
 つまり、何事もただそれだけでは実現しない。可能にするのは、自分だ、と。
 そういう意味で、作中人物は皆、愚かでも誰かに対してひどくても、滑稽でも、自分の求める物に貪欲に手を伸ばそうとしていて、その様が、ふと苦笑して仕方がないなと思わされてしまうのは、辻村さんの彼らに対する眼差しがあたたかいからなんでしょう。
 作中人物達が、大事な人のことを一生懸命思っているという下敷きがある作品は、やっぱり読んでいて心地が良いと思いました。
 個人的に一番清々しく、込み上げるものがあったのは、ウェディングプランナーの山井多香子が、感情の紆余曲折の末に自身の力で得たものはっきりと自覚する場面です。そういう瞬間があるから、人は進んでいける。そんな気持ちを強く感じさせてくれました。
凉菜 さん (20代女性 会社員)
 全ての人にとって、この世界は「生きやすい」なんてことはない。おそらくは全ての人が違う理由で生き辛さを感じながら生きている。でも、皆が生き辛いんだから、きっと大丈夫。
それに、生きにくさから脱しようと必死にもがくこと、それは決してかっこ悪いことなんかじゃない。
どの作品にも共通してそう言っているのが辻村作品だと、私は思っています。
 この「本日は大安なり」は、大安の吉日に結婚式を挙げる4組のカップルと、式場で働くウェディングプランナーのお話です。どたばたと展開する物語の中で、この人嫌いだなぁ、とか、いいなぁ、とか登場人物に素直に感情が乗るのは、ちゃんと生きてる感じがするからでしょうか。
 誰もが持っている、不安定な心。そこにスポットを当てながら、ちゃんと彼女たちは生きているのです。
双子姉妹の絶望も、プランナーのひた隠しにした憎しみも、新郎の自業自得の憤りも、少年の淡い嫉妬も、全て、必死な叫びかもしれないと感じました。
 優しかったり、楽しかったり、それだけじゃままならないのが人生で、向き合わなくてはならない現実が目の前にあって、じゃあ、どうするの。そう問いかけられた答えがその叫びなのだと。
 どんな道を選んでもそれがその人の道になる。その覚悟を持っているから、彼女たちは読者に訴えかけてくるのでしょう。
 そして、他の辻村さんの作品を読んでいる方には嬉しいリンクもあります。固有名詞も、人物も。私は彼の存在に相当ニヤリとしました。やっぱり、かっこいいんだ、と思いました。彼が愛を信じたがっているところに、きっとあの作品を読んだ人たちはぐっとくるはずです。
 誰よりもプランナーに気持ちを寄せて読みました。ラストの彼女の清々しさが晴れ渡る6月の空のようで、人生の一大イベント、自分の人生は自分が主役、そんなことを感じられる結婚式っていいなぁと思いました。
 それと同時に独身の私には、眩しすぎるというか悔しいというか。
私の生きにくさを、自分の覚悟で突破して、同じように清々しくいつか笑いたいです。負けず嫌いに、生きていきたいなぁ。
5050tokyo さん (40代男性 会社員)
 失礼を承知で書くならば、読後に最初に感じたのは、「これは、女性版赤川次郎!」だということ。
 『大安』という言葉がタイトルに入っているだけでなく、ご丁寧に巻頭でその意味も書いてあるので、最初からハッピーエンドが約束されているようなものなのにも関わらず、物語は中盤から終盤にかけて相当な緊張感を醸し出し、最後に「あんな」ことが起き、それでも見事に物語がハッピーエンドにつながっていく過程は、本当にストーリーテラーとして見事としか言えない。
 謎解き好きには物足りない箇所があったとしても、殺人が起きない物語でもこれだけスリルとサスペンスを描きながら、ハッピーエンドになるということを知って欲しい。
 設定的には、『THE有頂天ホテル』のように、「ひとつの場所に集ういろいろな思惑を持った人達が織り成す物語」ということで、ある意味、手垢の付いたものではあるけれど、結婚式という普遍的な、それでいて人生最大のイベントならではの舞台設定が最大限に生かされており、もう一度結婚式をあげたい気持ちになった。
 読んでいて次々と映像が浮かんだ。 これは早晩映画化されると思うな。 でも、その前にぜひ文章ならではの緊張感、高揚感、幸福感を味わって欲しい。
こん さん (20代女性 学生)
 今まで私が読んだことのある辻村深月さんの作品と比べてとても読みやすい作品でした。読み始めたときは登場人物が多く、視点がよく変わるので時間の流れが分かりにくくなるかなと思ったのですが、視点ごとに現在の時刻が書いてあり、ほとんど混乱せずに読み進めることができました。
 いろんな年代や性格の登場人物の心情がとても面白かったです。後半にいくにつれて3組の結婚式の裏側で起きる問題や登場人物同士のつながりがわかってきてどんどん面白くなっていき、読み始めてから一気に読み切ってしまいました。
 最近読んだ本の中では一番面白くて読みやすくとても良かったです。
やおよろずのかめさま さん (20代男性 学生)
 結婚式場という人生の晴れ舞台で同時に展開する4つの物語。それぞれ面白いのだが、なかでも妃美佳と鞠香の双子の物語は強烈。妃美佳と鞠香、二人はお互い依存しながらも相手に負けたくないという意地が見え隠れする。この物語は序盤から『太陽の坐る場所』を思わせる女の恐ろしさを感じさせながらも、最後はさすがは辻村深月、見事にこの上ないハッピーエンドで締めくくった。突然のアクシデントはこの物語のためにあったのだ。
香奈 さん (20代女性 会社員)
 ウェディングプランナーにとって大安とは、「大安にしなければならない日」なのだと思った。
 手放しで良い結婚式はできるはずがない、スタッフの方たちが全力で作りあげてくれるからこそ素敵な式ができるのだ、と全国の式を挙げる人・式に参加する人みんなに言いたくなった。
 この物語に登場する人々は、みんな誰かの為に頑張っている。自分の為・相手の為・好きな人の為…目的は違えど、最終的にはみんな幸せになればいい。そう思わせてくれる素敵な物語でした。
みえ さん (30代女性 公務員)
 ある結婚式場を舞台に繰り広げられる人間模様を、4組それぞれの結婚式の開演が迫る中で目撃するような構成は、臨場感があって面白かったです。隣の会場から声が漏れ聞こえてきたり、別の物語の登場人物に廊下ですれ違ったりといった描写には、「次は一体どこで何が起こるんだろう?」と思わせられ、ページを繰る手が止まらなくなりました。ちょうど、映画『THE有頂天ホテル』を見たときのようなワクワク感で。
 これまでの辻村深月さんの作品は、丁寧な心情描写をどちらかと言えばゆっくり読ませるような感じだったのが、今回、相変わらず人間を丁寧に描きながら、式場での事件をスピーディーに読ませるような感じだったのが新鮮でした。これまでの作品だと、読み始めてから終盤で全貌が明らかになるまでの過程で、私にとってページを繰る原動力になるのは登場人物の豊かな心情描写でした。ところが今回は、心の内面に静かに迫るような魅力に加えて、事件の不穏な動きを追いかけるような緊張感も溢れていたところが、良かったと思います。
 『野性時代』連載時の連作短編は、初回の「鞠香と妃美佳」を読んだだけなのですが、そのときの印象は、従来の辻村さんの作品と同様でした。それが今回、連作短編を再構成して長編にしたことで、こんなにも印象が変わるのかと驚きました。改めて、連載時の短編と今回の長編とを読み比べてみたくなりました。
 今回、これまでと違う手触りは嬉しい驚きでしたが、辻村さんの作品で私が一番好きなのは、これまで同様、やはり心が緻密に描かれているところ。挙式を迎える4組の物語に登場する人々には、皆それぞれ式を迎えるまでに譲れない思いがあり、挙式までに関わる相手との関係や自分の弱さ、プライドとの間で揺れ動き、思い悩む。そんな様子が、とても丁寧に、ときに悲痛に描かれているところが良かったです。そして、どのエピソードでも、すべての根底に誰かを大切に思う気持ちがある。そんな各々の秘めた思いが明らかになったとき、その優しさや愛情の深さが心に染みわたるようで、とても好きです。
さん (10代女性 学生)
 読み始めると「どうなっていくのだろう」と気になってページをめくる手を止められなくなりました。
 著者の辻村深月はメフィスト賞出身ということで、著作の『冷たい校舎の時は止まる』や『ふちなしのかがみ』のような、ミステリっぽい、少し不思議な物語のイメージのほうが強いかもしれません。けれど、この『本日は大安なり』はそのイメージを覆す、明快で話も読みやすいものでした。もちろん、辻村作品の特長である伏線にはまんまとひっかかりましたが、その伏線の種明かしも気持ちよく「ああ、そういうことだったのか」と納得し、感心させられながら読めました。
 登場人物たちが抱えた結婚にまつわる「事情」は、もしかしたら、けっこう、ありがちなものなのかもしれません。けれど、それが複雑な感情や一筋縄じゃいかない人たちによって「複雑な事情」のようになっていってしまって。「結婚って幸せになれるんじゃないの?」と心配しながら読み、最後はすこし感動しました。
 辻村作品では久しぶりの人たちもちょっぴり活躍していたりして。誰がいたかは読んでのお楽しみという感じで。
 私は結婚というものを考えたことがないので純粋にストーリーを楽しみましたが、好きな相手がいる人や、結婚を考えている人は、もっとリアルに身近な出来事として読める作品なのではないでしょうか。
こんの さん (20代女性 会社員)
 楽しかった!と純粋に言える作品でした。
 ウェディングという共通テーマの下、全く違う問題を抱えた4組の話が個別に、でも時間軸に沿って隣接しながら時に交わりながら進んでいく。リアルタイムでそれぞれをなぞる事によって、どの話も最後まで飽きずに魅力的に読めました。ストーリーとキャラクターが立っていて、それが面白い構成によってより魅力的に動いていったのかなあと感じられました。
ヒロ♪ さん (30代女性 その他)
唐突だけれど、わたしは著者である辻村深月さんの大ファンです。
既刊の作品は全て読んでいる。
 著者作品は【上下巻】のみならず【上下中巻】と、大作が多いが、いつもあっと言う間に、読み終えてしまう。ストーリーが終盤になるにつれ、気になるラストと、読み終えてしまう勿体無さに揺れながら、それでも読み終えた時の驚きや、感動といった様々な余韻を求め、先に進まずにはいられない。それこそ、一気読みしてしまう。完全に【辻村中毒】だ。
 なにしろ、構成がすばらしい。何気ない会話や描写が、終盤に近づくにつれ、実は布石だったと気づくことも多く、「してやられた感」に震える。
 キャラクターもこれがまた良い!「誰に肩入れする」わけでもないし、「共感できる人物」がいない作品もあれど、引き込まれること間違いなしなのだ。
 女性特有の「腹黒さ」や「計算」があからさまに著してあり、男性にはおよそ隠したいようなそれも、リアリティを持って迫ってくる。ここらへんの【毒気】も中毒となる要因のように思う。
 前置きが随分長くなったが、本作を発売前に読めるとあって、もうそれだけで嬉しかった。好みの作者の作品の感想となると、それだけで「贔屓目線」となるのは必至だ。
 それとともに、期待が多きすぎて自ずと『ハードル』もあがってしまう。本作がまさにソレで、私には少々物足りなかったのが本心なのだ。
 相変わらず構成はすばらしい。大安のある日の結婚式場で執り行なわれる4組の物語を登場人物を交錯させつつ展開させ、主軸となるウエディングプランナーの想いを絡ませる。4つの物語それぞれ、どれも違った立場の視点から描かれており、読みやすさもこれまで通りなのだが・・・
 ウエディングプランナーの結末があまりに安易というか、ハッピーエンドであったことには納得しつつも、少々ご都合主義というか、もうひと捻りを望んだわたしがいました。
 とは言え、これまで長編過ぎて手を出しにくかった読者を含め、辻村作品初心者には手に取りやすいうえ、生意気を言わせてもらえば、もちろん秀作なのだ。
 本書を入門として、もっとディープな辻村作品へ多くの方が導かれることを願いたい。
あっちゃん さん (20代女性 学生)
 辻村深月さんの作品には、人を引き込む力があります。その引力の原因に登場人物の魅力があると私は思っています。
 「本日は大安なり」にも、また素敵で愚かで愛しい登場人物がたくさんいます。素敵で、愚かで、愛おしい。本当にこのとおりなのです。
 美しい双子は、その美しさの中に隠された屈曲した個性をはなちます。悩みを抱えた小学生が最後に言う言葉は、すべての大人達へと向けられます。仕事に奮闘するウエディングプランナーは、プロのプライドと一人の女性としての葛藤を示します。
 そして追い詰められた男に道を示し制裁を与えるのは、私たちの大好きなあの人です。
ああ、辻村深月の作品だなあと思わせるのと同時に 結婚したいっ! と思っちゃうような本です。
ぴろり さん (20代女性 会社員)
 野性時代で連載されていた時から拝読していた作品で、今回の刊行にあたり、かなりの加筆をされたと伺っていたのでとても楽しみにしていました。
 まさか4つの式を同時に進行していく構成に変えてくるとは思ってませんでした。そのせいか、読む手を止めさせない、その場で式が行われているかのような臨場感を味わうことが出来ました。
 新婦、新郎、プランナー、親族と、それぞれの視点から個々の式の物語が展開していくので、途中どの式がどんな状態だったのか見失う時もありますが、一度読み終えた後に個々の式を抜粋して読んで楽しむのもいいなぁと思いました。
 そして辻村作品のお楽しみの1つである”作品リンク”は今回も健在です! 久々に登場するあの人たちに叫ぶもよし、ニヤニヤするもよし! 辻村深月作品の新境地、ここにあり!