いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

ばんば憑き

■第12回モニター「ばんば憑き」宮部みゆき

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

きのこ さん (10代女性 学生)
 一晩で一気に読んでしまいました。登場人物のセリフや心情が生き生きと、時にはおどろおどろしく描かれていて物語の中に引き込まれてしまいます。
 読んでいて、幽霊や妖のような異様な存在よりも人間の憎しみや妬み、物欲、色欲といった負の部分に対して鳥肌が立つような「恐ろしさ」を感じました。すごくぞっとして読みたくない、想像したくないと思うような場面がありました。普通に暮らしていていても、何かが引き金となって誰でも自分が「恐ろしさ」の源になってしまうかもしれない。本当に恐ろしいのは人間ではないのか…?と考えさせられます。でも、それだけでなく子供たちの明るくてやんちゃな、純粋な姿や真っ直ぐな大人の姿に元気をもらいました。
 初めてこの本を読んで知った方でも楽しめるストーリーとなっていて、読んで知っていた方は詳しく明かされていなかった過去を垣間見ることができます。
 宮部みゆきさんの描く底の見えないような心の闇の暗さ、それに負けない明るくて温かい人と人のつながりの強さをぜひ読んで感じ取ってください!
マー さん (30代男性 自営業)
 いわゆる怪談、を読むのはほとんど初めてでした。それが、こんなにも心揺さぶられるとは!と自分でも驚きました。江戸時代を背景に六つの哀しい怪奇譚が描かれます。それぞれに物の怪が現れ、やがて消えていきます。最初から最後まで息を詰めるように読み終えた時、私の胸中には去って行く彼ら、彼女らの気配が濃厚に残っていました。そして今でも、温かい涙にも似た気だるい読後感と幸福感をしばらくの間手放したくないと強く望んでいます。
 好きな登場人物は源五郎右衛門。自分が子どもの父であるので共感するところもありつつ、彼のように優しく気高く生きていきたいと思うからです。
 眼はなんとか堪えましたが、心の中に熱いものが染み出すのはどうすることもできませんでした。物語を読む幸福を堪能しました。「しっかり生きていけ」と背中を押された気分です。ありがとうございました。
リオ さん (50代女性 会社員)
「よっ、待ってました」寄席でなら、間違いなくこう声がかかるところだろう。宮部師匠の新刊は「江戸怪奇譚」と銘打たれているが、そう一言でくくれるほど単純な話ではない。それぞれの話を読み終わると、ぞっとしたり、ほっとしたり、涙がこぼれたり、やりきれなくなったり、おかしくなったり、ほのぼのしたりで、単なる「怖い話」と予測していたら大間違い。師匠の筆に導かれるまま、我が心ながらこんなによく動くものかと驚かされる。時代劇によくある「勧善懲悪もの」とは完全に一線を画す。
 私の一番のお気に入りは「博打眼」。戌年生まれの犬好きで、「南総里見八犬伝」の愛読者であったこともその一因かもしれない。落語なら「人情噺」になりそうなユーモアたっぷりの物語で、「阿吽さんは石でできているから頭が固くて江戸言葉が覚えられない」という竹兄の科白はかなり笑える。おそらく、世の中のかなりの部分が二進法で動く現代において、無意識のうちに二元論で判断しがちな我々にとって、「二元論で判断できない(してはいけない)ことが世の中にはある」ということに気づかせてくれるのが、この物語の最大の魅力だと思う。
 さらに、既存の宮部・江戸ワールドを知るものにとっては馴染みの登場人物に再会できるのもうれしい。
ぷー さん (30代女性 主婦)
 収録されている作品すべて、大変面白かったです。一気に読み上げてしまいました。怪奇談なので怖いものばかりかな、と思いながら読み始めたのですが、描かれていたのはすべて人の心。良くも悪くも、人の思いの深さが心根に響いてきて、思わず涙してしまう場面も…。本当に引き込まれてしまうような作品でした。
 お文の影のラストシーンが好きです。最後の5行で、思わず泣いてしまいました。それまでは大丈夫だったのに、ラスト5行で一気に頭の中に情景が流れ込んできました。
 大変面白い作品でした!江戸の町で絡み合う人の心が面白くもあり、悲しくもあり、おどろおどろしくもあり・・・。読みやすいボリュームだと思うので、本好きには然り、普段あまり本を読まない人にも気軽に勧めたい作品です。
ナッツ さん (40代女性 主婦)
 とにかく、どれも面白かったです。あっという間に宮部ワールドに引き込まれ、それはまるで真打の落語を聞くように小気味好かったです。膝を乗り出して話を聞いていたはずが、気付けば自分も長屋の店子あるいは商家の女中にでもなって、事の成り行きを固唾を呑んで見守っているような気がしてきます。
 一方、表題作の『ばんば憑き』だけは趣が異なっていました。作中降り続く雨のように静かに進んだ物語が迎える結末は、とても印象的でした。
 いずれの主人公も心根が優しく懸命に生きていて、魅力的な人物ばかりですが、中でも『野槌の墓』の柳井源五郎右衛門が好きです。鷹揚で大事にも慌てないかと思いきや、意外と小心者でそれを隠しもしない。娘の加奈とのやりとりも、愛情深く微笑ましくて大好きです。
 また、いずれの作品も主人公を取り巻く脇役が超個性派揃いでとにかく面白いので、彼らからも目が離せませんでした。
 ファンの多い宮部みゆきさんの作品をこうして発売前に読む機会に恵まれて、とても嬉しく思っています。それも私の好きな江戸怪奇譚!!わくわくしながら読ませていただきました。背中をぞわりと這い上がる怪しの怖ろしさもさることながら、人間の本性を表すその鋭い視点にうなり、一方で描かれている人情にほろりと泣かされ、軽妙洒脱な会話に「ふふふ。」と口の端で笑ってしまい・・・宮部さんの掌で思うままに転がされた気がします。
りょう さん (30代女性 専門職)
 切なく優しい怪異ばかりだと思いました。
「坊主の壷」は人の為に身に怪異を宿し続けた庄屋やおつぎに胸を打たれました。
「博打眼」はお美代や狛犬が可愛かった。退治シーンは迫力があって映像で見てみたいと思いました。
「野づちの墓」 野づちの正体が切なかったですが、化け猫が頼みに着たり妖怪がよりそって暮らしているというのが、楽しかったです。
 印象に残っているのは「人の手で、子供の血を吸わされたんです。だから、あれは化けてしまったんだけど、ただの道具から化け物になる事でいったんは救われたんです。この世のものでなくなる事で救われたんですよ」というセリフ。この世のものじゃなくなる事で救われる・・・というのは、他の話にも通じると思いました。
 いつも新作を楽しみにしてます。ばんば憑きは、胸が熱くなる話ばかりでした。このシリーズをずっと書いていて欲しいです。
covaner999 さん (50代男性 会社員)
 素晴らしいとしか言いようがない。読み出したら止める事が出来ない。一気に息も出来ないぐらいの勢いで読み切ってしまいます。
 宮部さんの作品はどれもそうですが、その場面が目の前に広がってきます。もうね全く3DTVなんて必要ないですね。まるで江戸時代にタイムスリップしたような感覚になってしまいます。
 懐かしい登場人物に思わずにやっとしてしまいました。
 好きな登場人物はおつぎ。背筋が伸びた凛とした雰囲気がよく感じられる。自分に降りかかった無理難題。どうすることもできないのに、「まかされたよ」と軽く受け継いでいく。なーに、人生なんてそんなもんよ、平穏無事なんて楽しくないよって感じがする。やっぱり世の中女性にはかなわない。
 やっぱりいい小説は想像力を刺激します。改めて活字の持っている力を感じてしまいました。
かちかち山 さん (30代女性 主婦)
 表題作を含む6編からなる物語ですが、どのお話も背筋がぞっとするような怖い話ではなく、怖さの中にも人との交わりの温かさを感じられるものでした。一編一編読んだ後、気持ちが温かくなるような気がするのです。
 宮部みゆきさんの江戸物で共通して思うことですが、読み進めると、話の中の登場人物や情景が頭の中に自然に浮かんできて、物語にどんどん吸い込まれてしまいます。
 好きなのは「博打眼」のお美代。恐怖心より好奇心が勝って、そのことが全てを解決する出発点になっていると思います。しゃべる狛犬なんて、気持ち悪がって近づかないかもしれないけど、狛犬と仲良くなれるなんて素敵です。
宮部みゆきさんの時代物大好きです。私は子ども時代を深川で過ごしたので、とても身近に感じます。江戸の人情話、現代にも通じるところがあり、いつも読んだ後に、いろいろ考えさせられます。これからも、素敵な本を送り出してください。楽しみにしています。

りりあ さん (20代女性 会社員)
 やっぱり宮部さんの書く【江戸】シリーズは良いですね。読後にじんわり優しさと、ほんのり暖かい気持ちが広がります。宮部ワールド健在! 宮部作品が大好きな人は必読ですね!
 読んで良かった。納得の一冊。
 宮部作品が大好きな人はもちろん、まだ宮部作品を読んでいない人、時代ものは苦手な人にもお勧め。6編ともとても素敵な作品です。ぜひ大勢の方に読んでいただきたい。

mutantmogura さん (50代男性 専門職)
 本書は江戸時代の怪異を描いた作品集であり、最初の2編の「坊主の壺」と「お文の影」を読んだ時点では、ホラーというよりは、妖怪をモチーフとして人情の機微を描いた幻想小説といった趣の作品だと感じた。
 しかし3編目の「博打眼」では、うれしいことに妖怪が大活躍してくれるのである。登場する妖怪は水木しげる作「悪魔くん」の百目に近いヴィジュアルイメージを持っているが、これが程良い不気味さを醸し出してくれるのである。この妖怪をいかに退治するか、というのが本編のメインストリームであるが、そこで活躍するのがなんとも可愛いものたちであり、宮部作品には珍しい軽アクション物となっている。
 これが後半の3編にいたると、途中でなんともいえない幸福感がじわじわと漂ってくる。ああ、読んで良かったと思う至福のときが訪れるのである。
 良い作品を読ませていただき、ありがとうございました。「討債鬼」と「野槌の墓」はぜひシリーズで読みたいと思います。「討債鬼」の行然坊も、いろいろな活躍が期待できそうなキャラクターですし、わんぱく少年達や「野槌〜」の加奈のその後の成長も知りたいですね。宮部作品はいつも読んでいてイメージが頭の中にヴィジュアルに浮かぶので、読後もしばらく印象が強く残ります。「討債鬼」は良い役者によるドラマ仕立てを見たい気がします。
しらはな豆 さん (30代女性 主婦)
 宮部さんの時代物は、いつも私をくしゅんとさせます。遠い昔の同じ日本で、同じ『人』が確かに生き、そして今、ここに私たちがあることを感じます。現代には薄れつつある、そこには忍耐があり、忠誠、信頼があり、なにより情がありました。そういう時代の中では、宮部さんの描く、恐ろしくも不思議な出来事は確かにあったことのように感じています。
 海外の作品は時折、会話や対応に違和感を覚えるときがありますが、時代物でありながら、スッと入っていける時代背景を作る宮部さんはさすがです。化け物が登場する話でありながら、登場人物の人柄や会話にユーモアがちりばめられ、重くならないところもまたすばらしいです。
 この作品は、宮部さんの研究と深い知識によってできあがった作品です。
 好きなのは犬張り子(犬士さん)。登場は少ないですが、どんなにか頑張って化け物と戦ったのだろうと想像すると、けなげで、そして頼もしくてなりません。
ゆきはな さん (30代女性 会社員)
 もしかしたら江戸時代にはこんな奇妙な話が実際に身近にあったのではないかと感じさせます。
 初めての時代小説でしたが、違和感なくスムーズに話へ入り込むことができました。怪寄譚ではありますが、その中にほのかににじみ出る人情や切なさがどこか懐かしく、一話づつゆっくりと楽しめる質の良い短編集だと思いました。
 個人的には”人の中に潜む狂気”が描かれているものが好きなので、表題でもある「ばんば憑き」が一番好きです。
 印象に残っているのは、「ばんば憑き」のラスト2ページ。佐一郎が「いっそ、いつかそんな椿事が起きたらいい」と夢想するところ。かなうはずもない夢だと思っているけどそれを思ってしまうところ。ゾクッとします。

マリ さん (50代女性 会社員)
 またしても宮部江戸ワールドにはまってしまいました。
 どれもモノノケ(?)が登場するぞっとする気持ちの悪い話なのですが、宮部さんの作品はどろどろしていなくて、必ず好感の持てるキャラクターがいて楽しませてくれます。そして、ちょっぴり人間の持つ邪悪さについても考えて、単なる娯楽小説だけでないことを感じるのです。
 宮部さんの描く世界は、人情にあふれ、隣人達も皆生き生きとしています。思わず、「ああ、こんな世界に行ってみたいなー」と憧れてしまうほど。人との関わりが面倒くさくて都会で小さな単位で暮らしているのに、宮部さんの作品を読むと長屋に住んでみたくなるので不思議です。
 宮部さんの作品にでてくる賢い女の子が好きです。「博打眼」のお美代もお嬢様ぶったところもなく、明るくてよく知恵の回る女の子に描かれており、読んでいて気持ちがよかったです。
 討債鬼の利一郎も、ちょっと頼り無さげなのだけれど、素直で律儀なところが好きです。利一郎はシリーズ化できるのでは?習子たちも生き生きしていて、習子たちが次々と事件を持ってきては利一郎が解決していく。。。というのはどうでしょうか。
「ばんば」というのは、強い恨みの念を抱いた亡者のことでございます。という老婆の台詞が印象に残りました。
 この短編集には、バケモノが人に憑くというお話が多かったのですが、人間は何かしら邪悪なものを持ちながら理性で押さえて営みをしているので、理性が壊れないよう日頃から心を奇麗にすることを心がけて暮らさないといけないな、と思いました。
 ポンポンと調子のいい宮部節が大好きです。すごく元気をもらいました。ありがとうございます。短編も楽しかったですが、長編も楽しみにしています!!
道楽猫 さん (50代女性 会社員)
 妖怪話など、本来""あるはずのないもの""。それがいったん宮部みゆきさんの手にかかれば、こんなにもリアリティをもってしまうのだからその筆力には驚く他ない。
「坊主の壷」の、""ある者""にしか見えない坊主の姿に、人知れず行われる「ばんば憑き」の儀式に、私は底冷えのする恐怖を感じた。頭の中で想像するしかない「江戸怪奇譚」が、本当に目の前で展開されているようなおどろおどろしさがあるのだ。しばらくトラウマになりそうなほどだ。
 しかしこの物語たちは、単に怖いだけでは終わらない。どの話も、非常に物悲しく奥深いのだ。今の世の中よりも、人の命が相当に軽い時代。病に罹ったり人の手にかかったりで簡単に人は死ぬ。子どもの死もまた多い。けれど、その死を悼む気持ちはいつの世も同じ重みを持っている。それは此の岸も彼の岸も同じ。それだからこそ、想いは残り続ける。
 「野槌の墓」もまた、哀しい物語であるにも関わらず読後感が良かった。猫又の粋なはからいに思わず落涙。いかに「怪奇譚」と言えども、あまりに後味が悪いのはやるせない。そういう意味でも、物語の締めくくりにこのお話を持ってきたのはとても良かったと思う。
 私は本当は時代小説って苦手な方なのですが、宮部さんの小説だけは別です。とてもリアリティがあって物語としても面白く、また、考えさせられる場面も数多くありました。
 本当に『ばんば憑き』は面白かったです!是非また続編を書いてください。ずっと応援しております。
高野亮 さん (30代女性 会社員)
 仕事であまり時間がとれずなかなか読めなかったのですが、空いた時間に読み始めると一気に読んでしまいました。
 やはり宮部さんの作品はテンポがよく物語に惹きこまれて眼が離せなくなります。読んでいるうちにどんどん物語のなかにはいりこんではらはらしたり、不安になったり、感動したり。とても満ち足りた時間を過ごさせていただきました。
 作品の感想としては、やはり一話一話が適度な長さなので本があまり好きではない人でも読みやすいのではないかと思います。
内容についても人間くささが満ちていて上辺だけの読み方ではなくなります。
 人の感情、時代背景、全て丁寧に描かれていてその情景が目に浮かぶようでした。加筆、訂正がある可能性もあるということで、製品版も手に取って読み直してみたいと思う作品でした。
 この作品をいち早く拝見する幸せをいただけて感謝いたします。
 特に好きなのは「討債鬼」。人間の愚かさ、残酷さも感じると同時に逆の人間の優しさ、絆、強さを感じることができました。自分では後悔することが多い日々、それでも自分の周りには人がいて家族がいて…それをなんとなく思い出す作品でした。本気で憎むべき登場人物のいない、愛しさすら感じるいい作品だと思います。
ちこちゃん さん (40代女性 主婦)
 どの作品も背中がソワァっと薄ら寒くなるようなお話ながら、ほっとなごませてくれる要素もあり、ぐいぐい引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。
 特に「お文の影」「野槌の墓」では、現代にも通じるような子供の虐待死がテーマとなっていて考えさせられました。現代の生活では、児童虐待のニュースを見ても「ああ可哀そうに」の一言で忘れ去られてしまう子供達・・・物語中では“怪”の姿を借りて訴えかけ、また人々はそれに真心を寄せ成仏を願います。
 死んでしまえばハイそれまでヨ、の現代の我々と、魂があるから今を懸命に生きる、魂を信じるから死んだ者も大切にするという彼らと、果たしてどちらが豊かな人生なのだろうかと深く考えさせられました。
 どの作品、どの場面も、蒸し暑さやぴりぴりした寒さ、じっとり濡れた感じなどが直に肌で感じられるような表現が素晴らしいです。
 季節の風物なども随所にちりばめられており、『お文の影』では十三夜の月光の下での影踏みでは子供たちの走り回る足音、『野槌の墓』では盂蘭盆の迎え火では燻された煙が風に流れる様など、そこに居合わせたかのように光景が目に浮かんできます。
宮部みゆきさんの作品には表情豊かな子供たちが多く登場するので、どんな暗い話にも一片の救いがあるように感じます。これからもいい作品をたくさん書いて頂きたいです。

堀田真由美 さん (40代女性 その他)
 江戸の暮らしの中に摩訶不思議なことが混在している。でも、それが不思議ではなくただ人々の中に受け居られている。それらを受け入れられる人々の心の豊かさと思いの深さにただ感動しました。
 久々にゆったりと読める本に出会ったような気がします。宮部みゆきさんの時代小説はいろいろな本を読みましたが、どれもなにがしと心に残る小説のような気がします「それは人によって違うと思いますが・・・」。
 ぜひ、本好きの友人に薦めたいです。
ぶたやまがんこ さん (20代女性 学生)
 非常に楽しく読みました。前作『あやし』も読んでいたのですが、あまり前作を気にすることなく楽しめる作品だと思いました。
「あやかし」に関係する話だけれども、どの作品もそれぞれの登場人物が活き活きと描かれていて、ついつい彼らに感情移入してしまい、まるで自分が登場人物になったかのように、話の中に引き込まれてしまいました。話ごとに、つい登場人物の境遇や運命に感動したり、悲しんだりしてしまいます。どの「あやかし」にも、人間の繋がりや思いが見え隠れしていて、宮部さんらしい作品だな、と思いました。心打つ話ばかりかと思いきや、恐ろしいと思わず感じてしまう話や不思議に思う話もあり、「あやかし」の話という点でも十分楽しめたと思います。
 不思議で、ちょっと怖いときもあるけれども、なんだか心がほっこりするような作品でした。
 ずっと、宮部みゆきさんの本は読み続けているのですが、『ばんば憑き』は、これぞ、宮部みゆきさんの作品だな、と思い、改めて、宮部さんの作品の良さに気づきました。今までの作品を読み返したくなりました。
あまぐり さん (30代女性 公務員)
宮部さんの時代物を読むと、いつもまるで自分が江戸の長屋にいるかのような錯覚に陥る。それほどまでにリアルに生活感を伴った情景が目に浮かぶ。
 今回の短編達も、どれも少し背中がゾクッとする恐ろしさがありながら、読み終えた時には心がほっこりするような暖かさに満ちていた。どの話にも共通していたのは、「人の業」のようなものであり、それは江戸の時代も今も変わることなく綿々と世の中に存在するからこそ、読者である私自身が登場人物に共感したり、反発したり…と物語の中に入り込んでしまうのだろう。
 さすが!宮部さん!という作品だった。個人的に、ちょっぴり登場した「あの子」の相変わらずの可愛さにヤラレました。
 本当に宮部さんの作品は、何を読んでも、「読んで良かった!」と思います。特に江戸ワールドは大好きです!これからも、たくさん素敵な作品を生み出して下さい!応援しています!

らっぴ さん (10代女性 学生)
 自分は怪談物というのがとても恐ろしくて読めないのですが、この本はどちらかというと「怪談物」というよりは宮部さんの巧みな表現で描かれている人物たちが織りなす「人間味あふれる時代小説」でとても読みやすかったです。時代などもしっかり組み込まれていて中風やコロリなどまさに江戸時代を思い起こさせるようなものがたくさん登場していて風景が目に浮かぶようで、自分もその中に入っているかのような感じを受けます。前作を読んでいない方でもわかる小説なので是非読んでいただきたいです。
 この本を読んで改めて宮部さんの素晴らしさを知り、前作の「怪」や他の作品も読んでみようと思いました。
 一言で怪談物となっていますがそれぞれにとても人情味があふれていてとても面白い作品なので次回作も出してほしいです。これからも頑張ってください!!
さん (40代女性 会社員)
 宮部さん江戸ワールドを堪能しました。人情に厚い素朴な人たちの悲しく切なく、だけど暖かいあやしとのお話に、きれいごとばかりじゃなく、今の世の中にも通じるものを感じました。あやしは人の心の鏡、不思議なことの起こらない世の中なんてつまらない。余計なものがない、シンプルな江戸の生活の中に、怪しい程の彩りを感じてしまう。
 思いがけない登場人物にも再会出来て、なんだかうれしかったです。
 お文の影の佐次郎が好きです。一生懸命にお店に奉公して、一人暮らしになって子供の囲まれているやさしい佐次郎が、もちろん性格も何もかも違いますが、亡くなった父を思い出してしまいます。
 宮部みゆきさん、いつも新刊を楽しみにしています。江戸ものも大好きで、江戸ものの中では今までは『孤宿の人』が一番好きでしたが、『ばんば憑き』が一番になりそうです。
るるちゃん さん (40代女性 公務員)
 高貴な身分であったり、とりわけ裕福というわけではないけれど、江戸の街で、人々が懸命に生きようとする姿が伝わってきました。今の自分にできることを一生懸命にやってみる、心を尽くして行動しようとする、それは、些細なことだと言われるかもしれないけれど、ふつふつと湧き出るような力強さを感じました。
 「野槌の墓」のお玉さんが好きになりました。長く生きてきただけあって、人を見る目があると感じ入りました。また、正直な生き方だと思います。
 宮部さん、いつもすばらしい作品を送り出してくださり、ありがとうございます。宮部さんの作品、ほとんどすべて読んでます。「博打眼」もどこかで読んだのを思い出しました。
 これからも楽しみにしています。
ぴょん さん (20代女性 公務員)
 6編からなる短編小説で、江戸時代の物の怪の話。宮部さんの作品は本格ミステリーが多い中で、この作品はミステリーというより昔話みたいな感じでした。
 小さい子が物の怪を退治するために奔走したり、“鬼”言われ殺されそうになる子供を嘘で助けたり。想像しながら読むと、江戸時代の風景が浮かび面白い!ぜひドラマで見てみたい作品でした。  
 好きな登場人物は、「博打眼」に出てくるお美代小さいのに頭が良くて、物の怪を退治するための勇気がすごい!狛犬とのやりとりもかわいかった。
 短編なので、宮部さんの作品が初めての人にも読みやすいし、面白いので、多くの人に読んでほしいです。ドラマ化したら絶対面白い!
ゆきちゃま さん (50代女性 会社員)
 ようやく待ってました!の江戸モノの宮部作品です。
 6篇の短編集で、『あやし』の続編ということで、どれも、もののけ・怪奇・不思議という類のお話です。『あやし』を読んでない方も、これだけで独立している物語なので、ご安心を。
 悲惨で酷い話も出てきますが、全体ほんわかとした雰囲気になっているのは、言葉の言い回しが軽快なのと、長屋に住んでいる人々が生き生きと描かれているからだと思います。
 6篇のどれも夢中で読み進んで、でも、読み進みたいのに読み終えたくないような・・・もっとお話を聞かせて!もっと、もっと・・・とせがむような気持で読み終えてしまいました。
「初ものがたり」の蕎麦屋のおやじの正体も、ものすご〜〜く気になってますし、「あんじゅう」のおちかと利一郎のその後の恋の行方もきになります。早く新しい物語が出ないかな・・・と楽しみにしております。
マンタマン さん (20代男性 学生)
 宮部さんの作品はどの作品もそうですが、読み手をいとも簡単に作品の世界へ呼びこんでしまいます。今回の『ばんば憑き』でも街や人々の描写から、本当に江戸の世界に入り込み、自分のすぐそばで話が展開されているかのような錯覚さえ感じました。
 江戸怪奇譚ということで、ファンタジー感溢れるものであったり、少しゾッとする内容のものなど、江戸の""不思議”な話の詰め合わせではありますが、個人的にはその話の本筋に関係ないところでの登場人物達の会話・動作が印象に残っています。
「博打眼」でのお美代と竹兄や「ばんば憑き」での佐一郎とお志津、「野槌の墓」の源五郎右衛門と加奈といった、江戸の人々の日常が垣間見れるような可愛らしい掛け合いが本当に魅力的でした。こういった小さなところでのアクセントの上手さが宮部節なのかもしれませんね。
たなー さん (20代女性 会社員)
 ひさしぶりの宮部みゆきの時代物短編。やっぱり、ゾクゾクっと来ました!「堪忍箱」「あやし」などの、ちょっとファンタジーでドキドキさせながら、でも人間の怖さや優しさがぐっと伝わってきて胸にジンとくる、そんな作品でした!
 好きなのは「坊主の壺」のおつぎ。一話目から引きこまれたのはファンタジーだけでなく、おつぎの不幸でありながら必死に生きる姿が魅力的だったからだと思います。宮部作品の「孤宿のひと」の”ほう”に似た共感を思いました。
 「ばんば憑き」の語りは印象づよかったです。とくに「ばんば憑きはわたしたちがこぞってみていた夢〜」というシーンの語りは人間の本性が胸にささりました。
ぴろ さん (20代女性 会社員)
 ドキドキするけれど、怖すぎない。「もしかして、こんなことあったのかも!」と思わされる“おはなし”に、つい引きこまれてしまいました。
 とても面白く、周りにもすすめたい1作です。
 好きな登場人物は「博打眼」の美代。“阿吽さん”との交流が、とても微笑ましいです。
 『あやし〜怪〜』を読んでいなくても、全く違和感なく江戸ワールドを存分に楽しめました!(『ばんば憑き』を読み終わったので、すぐ読みたいと思います)
mu-nyan さん (40代女性 会社員)
 またしても宮部ワールドに引き込まれてしまいました。
 不思議な、ありそうななさそうな話の数々・・・読みながら自分も背筋が寒くなったり、思わず腕をさすったり・・・ちょっと切ない、哀しいそんな短編が詰まってます。人間の性を旨く絡めたストーリーに脱帽です。
 ばんば憑きのお松が気にかかります。見た目からは全くわからない奥底に秘めたる過去。哀しく切ない想い・・・。心に残る人物です。
「ばんば憑き」での佐一郎の夢想が印象に残りました。相部屋になった相手から聞いた話の実を調べ、己も同じ事をしようと考えるその姿。恐ろしいその話に冷や汗を浮かべていたのに、旅の途中のその一晩の出来事で妻に対する想い、自分の本当の気持ちに気づき夢想するその哀しい姿がとても切なく、思わずその後の佐一郎の心配をしてしまう。
 自分では気づかなかった、気づかないようにしてきたことを、誰かに気づかされ自分が変わっていく・・・もしかしたら誰にもありうる気持ちの移り変わりなのかもしれないと思わせるところが妙に気になります。
 宮部作品に出逢ってから、宮部ワールドの凄さにただただ感服しております。
 次々と湧き出るストーリー。計算し尽くされた構成。時代物からSF、現代物・・・あらゆる作品全てを創作出来る。そしてその世界に読む者を引き込んでしまう。素晴らしいと思います。
 これからも、ありとあらゆる作品で私達を楽しませ、引き込んでくれるのを楽しみにしています!いつも素晴らしい作品をありがとうございます!これからも期待してます!!

みかん さん (40代女性 主婦)
 1話、2話と読み進めるごとに怪奇物と、ひとくくりすることは出来ない奥の深さを感じました。おそらく、現代では想像することすら難しい理不尽なことがあふれている時代。その理不尽さが生み出した物の怪達。そして、物の怪に関わる人々が実に魅力的に書かれている。今の時代に薄れつつある師を尊ぶ心、親を敬う心、子供への深い愛情。さまざまな情が物語の中に深く深くちりばめられている。
 そして、風情ある昔の言葉と共に心の奥に響いてくる。哀しいけど、温かい宮部さんの時代物・・・・。大好きです。1話1話に引き込まれて、あっという間に読み終えてしまいました。短編もいいけど、次回は時代物の長編が読みたくなりました。