いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

マアジナル

■第15回モニター「マアジナル」田口ランディ

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

きらきらひかる さん (30代女性 会社員)
 「内容紹介」を読んだときは、あまりの盛りだくさんさとランディさんらしからぬハチャメチャな感じに少々戸惑いました。でも心配無用。読みだしたら止まりません! ランディ作品の魅力であるほの暗さは健在なのに、スピード感と笑いの要素も取り入れた、最高のエンターテイメント作品でした。
 子ども時代をUFO頻出地域で過ごした編集者の高木が怪しげなオカルト雑誌の編集部に就職することになったところから話は展開し、大人になった当時の仲間たちや編集部の同僚、取材を通じて知り合った人々の運命がUFOをめぐり交錯していく。登場人物は誰もかれも独創的すぎるキャラクターの持ち主ばかり。一応は主人公らしき高木が一番影が薄いほどだ。だが、子ども時代と現在の話が交差し、登場人物がこれほど多いにもかかわらず、グイグイ読み進めるのは非常に心地好い。読後感も最高だった。
 私はUFOについては「見たことがないので信じていない」というスタンスだが、そんなことは全く問題なし。ランディさんのファンでなくても十分楽しめる作品だと思う。
黒猫 さん (40代女性 主婦)
 世の中には解明されていない曖昧で不思議なことが沢山ある。だから昔の人は多くの神様を生みだし、理解できないことに畏怖と畏敬の念を込めて様々な儀式を執り行った。対して現代では、白黒をつけたがる。何にでも理由をつけ、理解不能なことが悪であるかのようにふるまってる。
 私は曖昧で不思議なことが大好き。『あってもいい』でも『なくてもいい』 そんな世の中の方がもっと自由で豊かな気がする。
この世界は人間が作ったものではないし、人間の都合よく動いてくれるわけじゃない。
 マアジナルを読んで、私たちの住んでいるこの世界が、どれほど謎に満ち、深いものであるかを改めて感じた気がする。そしてそれを突き詰めることの危うさも。だから人はあえてそこに目を向けようとしないのかもしれない。
 土地が夢をみているという発想も大好きだ。自分の見ている世界が全てじゃないというのは、大いに好奇心をそそられる。まだ知らない明日のことやもっと先の未来のこと、そして別の世界があると想像することは、今日を生きるために必要な娯楽かもしれない。
ゆっこ さん (20代女性 主婦)
 始まりから細かい描写で、ありそうで身近にはないその場所に自分が実際にいるような感覚におちいった。しかし、次の章では一気に現実世界に引き戻されて……そしてどんどん不思議な世界にはまっていった。
 学問の難しい話も多く頭がこんがらがってしまう事もあったが、一気に読み進められたのは、登場人物達がこの先再びどう繋がっていくのかというドキドキがあったから。そして最大の理由は未知なるUFO・宇宙人という素人ではなかなか理解できない事を体験している登場人物全員に「人間味」を感じたからである。どんな体験をしても、どんな考えを持っていてもやはり皆「人間」なんだと思うと、不思議な体験も自分とは全くかけ離れた事ではないのだと思った。
 ラストは少し物足りない感じもしたが、濃い中身だったので逆にスカッとした気分で読み終えられた。ありがとうございました。
シマコ さん (20代女性 主婦)
 UFO、宇宙人、鳥居が佇む道、禁足の森……。
 マージナルな存在を人は恐れ、その一方でその存在に惹かれ、焦がれる。
 私自身は、UFOを見たこともなければ、宇宙人の存在を信じてもいない。きっと、自分の感覚に訴えるものがなければ、それは実際にその存在を目の当たりにする、しないに関わらず、信じることはないのだと思う。
 しかし、私の理解を超えるなにがしかの存在はあるのだろう。“0(ゼロ)”は「無い」のではなく、「無限」なのだ。
 あると思えばある、しかし、ないと思えばない。人を食ったような表現だが、真実な気がしてならない。下手をしたら、妄想。しかし、それはあながちそう言って切って捨てることは早計かもしれない。ある種の真実を含んでいないとは、おそらく、断言できない。切り分けられたケーキのように、多様な断面と層が存在するはずだから。
 夏の夜、UFOを呼んだ6人の少年少女。
 物語はゆっくりと、しかし確実に波紋を広げ、関係者の想いと記憶が交錯し、徐々に速度を増し、一気にラストへと駆け上がる。木部の魂の帰還、新しい生命の誕生……物語はやや意外にも、穏やかさを伴って終わりを迎える。
 もしかすると、始まりと終わりなどという括りは無意味なのかも知れない。始まりは終わりを内包し、終わりは始まりを内包している。
 マージナルな領域に迷い込んでしまった私は、もうしばらくここを出られそうにない。
やまびこ さん (20代女性 主婦)
 最初はオカルトっぽく、恐怖を感じるような物語かと思いながら、恐る恐る読んでいましたが、読むにつれて、だんだん、不思議な気分になっていきました。
 というのも、読めば読むほど、透明なもの見ているような文章に感じたからです。抽象的なことが多かったのもありますが、そのおかげで、ただ怖がるだけの話ではなく、人間の考え方というのを考えさせられるようになってきたからです。
 他人がどう見るか、どう考えるかでその見方が変わってくる。一歩下がって、自分の執着している考え方、生き方を考えられるきっかけになると思いました。
 客観的に自分を見ても、結局は自分の考えに自分を当てはめているのかなと、自分を疑ってみたくなりました。
 読んだあと、目が覚めたようにすがすがしくなりました。全く別の見方を教えてもらって、やっと問題が解けたようなすっきりさがありました。
桜日和 さん (30代女性 主婦)
 『江上紗子はこの路地で消えた。あの日、少女に何があったのか』この見出しだけを読むと、サスペンス? 事件物? と思いがちだが、読み進めていくと、UFO、古い日本のしきたり、天文学、平和活動とたくさんのジャンルが事細かに描かれており、一字でも読み落としては真相が解らなくなるという思いに駆られる。また、登場人物も一人一人の生き様・思いが、これも事細かに描かれており、中心人物が誰だか解らなくなるが、さすが! と言わざる得ないのは、最後は皆が繋がっており、それぞれの生き方に共感せざるえない結末が待っている。「たくさのジャンンル、たくさんの中心人物、たくさんの生き様」そしてたくさんの少女の失踪理由。答えは一つではない……と言う事を考えさせられる結末だった。
やぎ さん (20代女性 学生)
 内容紹介を読んだ時、UFOや宇宙人の話であるということで、少し戸惑いを感じましたが、最初の数ページを読んだだけで、それはまったく気にならなくなりました。
 中学校の校庭でUFOを呼び出してしまったメンバーが、次々と数奇な運命をたどっていく。一見非現実的な内容ですが、決して突拍子のない現実離れしている印象は受けず、まさに現実と非現実のマージナル(境界)の部分をすれすれで進んでいくストーリーでした。
 登場人物同士が意外なところでつながっていて、謎の部分が少しずつ明らかになっていくところも面白かったです。
 すごくドキドキして、先が気になって早く読みたいのに、読み終わってしまうことが寂しい、残りページが少なくなるのがもったいないと感じる、そんな本でした。
じゅん さん (30代女性 その他)
 いつも漫然とそこにある『自明性』が剥落していった時、そこにあるのは果たして妄想なのか現実なのか。一見、観念小説のようであって、今回のランディさんの作品は実にエンターテイメントに富んでいました。普段ランディ作品に縁遠いリアリストでも必ず面白いと思うはず。
 UFO? 神隠し? 幽体離脱?
 この飛んでるキーワードが驚くほど計算されつくした展開で読者を巻き込んでいきます。
 ぜひ、映画化するならこんなキャスティングで……とそれこそ「妄想」しながら読んでもらいたい作品でした。
ビオラ さん (40代女性 その他)
 田口さんの長編小説を読むご縁に恵まれ、想像した以上の世界へぐいぐい引き込んでくれました。拉致なのか誘拐なのか、はたまたUFOの仕業なのか、じわじわと外堀から埋めていく筆致の素晴らしさで、それこそ、パーツパーツを単純に組み合わせるのではない醍醐味を感じました。UFOなんて大人になった今では現実離れした感覚しか持って居なかったのに、宇宙の壮大さを自然に感じたり、また生命の尊さも、どこかでつながっていると言う気持ちにさせてくれる不思議な空間を体感できました。そう感じさせてくれたのは、表題でもある「マアジナル」だったのですね。
モチ さん (20代女性 学生)
 題材が神隠しにUFOということで、“SF(と言っていいのかわかりませんが)小説”だと思って読み始めたら、これが違いました。
 幼少の記憶にも残っている事件や、真新しく記憶されている出来事があった時間を生きる高木に、私は“リアル”をひしひしと感じていました。この流れからすると“SF小説”ではなさそうだ、と思い読み進めていくと、気がつけば話の流れは“UFO、幽霊、幽体離脱”とまるで“リアル”ではない方に向かっている……。
 “リアル”と“SF”が絶妙に混ざり込んで、今自分が目の前にしているのは現実なのか、はたまた夢か、そう、疑ってしまいたくなるような、まさにマージナルな境界をフワフワしているような読後感でした。
とらさん さん (30代男性 会社員)
 「オウム真理教」、「小泉総理」、「北朝鮮による拉致問題」、「2010年宇宙の旅」などワードがたまに挿入されており、現実の世界の話なのか分からなくなるような不思議な感覚を覚える。小説なのにノンフィクションのような書き方に興味が魅かれた。
sari さん (30代女性 会社員)
 田口ランディさんの作品は初めて読みました。読み終わった後しばらく、不思議な余韻がありました。中学生の時の半分興味本位の体験が、強烈にインパクトを残して、その後の人生観とか、生き様とか、環境が大きく変化していく所。高木君の職場の「マアジナル」の、個性的な編集長や先輩とのやりとり。登場人物や出来事が不思議に絡まりあって、大きな流れになっている感じです。ほかの作品もいろいろ読んで、田口さんの世界観を知りたいと思わせられたお話でした。
しーさん さん (40代女性 主婦)
 特殊な感性や能力を持った人は、他人には分からない苦しみ、葛藤があるのだろうと思った。
 現実を非現実の境界の危うさが本当にリアルに描かれていて、読み勧めながら、どこまでがフィクション? と錯誤してしまいそうになった。楽しめた。
アキスケ さん (30代女性 会社員)
 一気に読んでしまいました!
 登場人物達の共通の経験談を軸にストーリーが展開していくのですが明らかにされていく事象に驚愕・緊張の連続でした。先の展開が読めず、ページが残りわずかになってもどういうラストを迎えるのか想像がつきませんでした。
 テーマ故に得手不得手はあると思いますが超常現象(特にUFO)に興味を持った経験がある方なら間違いなく面白い作品のはずです。更に日本のある地方に伝わる風習・天文学・生命の神秘など詳しく記されている作品です。
いながき さん (20代男性 学生)
 ミステリーか、はたまたホラーか、もしくは伝奇小説かと思われるような冒頭から、ありふれた神秘、ありふれた奇蹟に着地する展開には驚かされました。物語の進行が遅く、また本筋に関係あるようなないような薀蓄が膨大に登場するため、中だるみした部分はあったように思いますが、おもしろく読ませていただきました。ラスト、出産と病室への乱入が続けざまに描かれる疾走感は印象深かったです。それまでの溜めが効果的だったのかなと思います。
ルカ さん (30代女性 無職)
 「マアジナル」。この本を手にした時、まず、その意味を調べていた。この小説は、今まで、受け入れる事を拒否し、信じる事を諦めていた、そんな世界の扉が、読み進むにつれ、少しずつ光を差し込み、自分の知らなかった世界に、一歩、足を踏み入れる感覚。小説の中であらゆる体験、思想を味わう。やがて、この本を閉じ、そんな世界の扉から舞い戻ったとしても、果たして、読む前の現実の世界へと戻ることが出来たのだろうか? 改めて、自分をも見つめ直すことのできる一冊。
ちこ さん (30代女性 主婦)
 田口ランディさんの作品は初めて読みました。阪神大震災や地下鉄サリン事件など実際起こった出来事が盛り込まれていて、自然に物語に入っていけました。抽象的な表現が多かったように思いますが、中盤から後半にかけて、引き込まれるように一気に読めました。「現実」と「非現実」があちこちに散りばめられ、不思議な世界観を見れたように思います。田口ランディさんの他の作品も読んでみたくなりました。
リンコ さん (40代女性 会社員)
 田口ランデイさんの本は、読んだことがなかったので、どんなものだろうかと、少しわくわくして読みました。UFOですか? そうですね、いつでも人は、未知との遭遇に何か心驚かせながら、人類の謎に挑んでいるのかもしれません。怖いことが起きなければ、こういうすれすれのミステリアスな展開はとても楽しいです。子供の頃の思い出って、あやふやでいてそうなんだか謎につつまれているような気がします。
五十嵐隼人 さん (20代女性 学生)
 田口ランディの作品を初めて読みました。この『マアジナル』では序章の淋しげな不思議さの雰囲気に、とても惹かれました。この作品がいったいどういう風に展開していくのか、序章だけでは少し想像がつかなかったからです。
 なので、どんどん読んでいけるかなと思ったのですが、第2章の山本麻美のメールがくどい印象で一度読むのをやめてしまいました。くどく感じたのもそうですが、内容が不気味で重く感じたのでしょう。ですが、その先は序章で作品に惹かれた時のようにさくさくと読んでいくことが出来ました。
 時々、立ち止まって読んだページを読み返したりして先の展開を考えたりするのも楽しい作品でした。UFOとかSFじみた雰囲気は不気味でありながらも、興味をそそられるのでおもしろく読ませていただきました。
 最後まで読み終わって、納得した後、もう一度読みたくなって最初からまた読み返しました!!
カトペ さん (40代女性 専門職)
 謎また謎、とことん謎で、最後に答えを期待していたけれど、やっぱり裏切られたような小説です。まるで村上春樹さんの本を読んだ後のように、頭の中で考えがまとまりません。ただ、行方不明の少女、江上紗子が17年後の舟に乗り、更紗となって生まれ変わったことは理解できました。
 谷崎陽平がアフガニスタンで僧侶としてただ祈って歩く姿は、遠藤周作の『深い河』の主人公の一人、大津の一神教になじめない日本人が自己のアイデンティティーを希求する姿と重なってしまいました。
 登場人物が話す、大国主命の出雲神話、ローウェルの説明、カント、スウェーデンボルグ、シュレディンガー、ジョン・マックの話は、史実やそれぞれの理念を織り交ぜて語られているので、興味深かったです。
 考えがまとまりませんが、人間は非科学的なもの、神秘的なものと関わらずして生きられない、それどころか「生と同体」なんだと感じました。
真知子 さん (20代女性 専門職)
 読んでいて、自分の心と精神をとても揺さぶられました。グラグラします。自分の見ているものが、隣りの他者の見ているものと同じではないのかもしれない、と考えると、何だか例えようもなく不安定だと感じるし、不安だし、不確定だし、不気味です。物語に終始漂う生臭さに、性的オカルトとはこれのことかと腑に落ちるものがありました。言葉の力だけでここまで自分の感情や精神を揺さぶられる体験は、これまでしたことがなかったかもしれません。誰かに教えたいと思う一冊でした。
雛菊 さん (10代女性 学生)
 こういった超常現象に興味がなくても抵抗なく読める作品でした。哲学的要素も含まれていて、楽しく読ませていただきました。
 登場人物の個性がそれぞれ強すぎて笑ってしまう場面があったなかで、皆、それぞれの『今』を生きているはずなのに心は『過去』にとらわれたままで、それがもの寂しく感じました。本当に笑いあり涙ありの作品です! 個人的には、第十章がとてもよかったです。一気に読んでしまって、後からもっとゆっくり読めばよかったと後悔の嵐です。読了感がよく、いつまでも心に残るような感じがしました。
杏里 さん (20代女性 学生)
 UFOを中心に様々な人物の姿が描かれています。それぞれの視点で、内容が繰り広げられていて、面白かったです。少し専門的な話が難しかったですが、最後までページを捲る手が止まらなかったです。
モグ さん (30代女性 会社員)
 前半はUFOやらアブダクションやら、胡散臭い言葉と薀蓄が延々と続いて、何回か本を閉じようと思った。でも出来なかったのは、消えた女子生徒の行方とUFOの真相を知りたかったことともうひとつ、主人公がどのように「見えないもの」との折り合いをつけるのか興味があったから。
 最初のオカルトについての説明部分を乗り越えれば、あとはスムーズに読めて面白かった。
石井 智代 さん (40代女性 会社員)
 田口ランディさんの作品は、「コンセント」を読んでいたのでそのときの印象が強く、今回の作品とイメージがかなり違っていたので正直最初はとまどいました。
 冒頭から、読んでいるだけで、景色がココロの中に浮かんできて、行ってみたいと思わせるなにかがありました。そして「だったん人の踊り」を聴きながら、読んでみたいと思いました。この本にはUFO、宗教などに深く切り込んでいる点が興味深かったです。