いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

星やどりの声

■第18回モニター「星やどりの声」朝井リョウ

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

ayumi さん (40代女性 主婦)
 ズバリ、泣いてしまいました。6人兄姉弟妹の視点で描かれているので、正直、読み始めは、現在大人の、主婦の私に理解できるのか?と不安がありました。が、家族愛の深さに泣かずにはいられませんでした。
 海辺の町にある「星やどり」を中心にゆっくりと話が流れていきます・・・。本文中、亡き父の回想での登場は当たり前としても、軽食喫茶店を経営している母もほとんど登場しません。にも関わらず、父や母の偉大さ、愛情の深さが随所に感じられ、また、現代には珍しいであろう6人兄弟の家族・兄姉弟妹同士への思いやりが、しっかりと現代っ子ながらにもとても暖かいのです。
悩みのない人はいません、この家族よりもっと大変そうな問題を抱えた人達もいる。けれど、いい家族はいい繋がりを紡いでいく。友人・恋人・店のお客様そしてもちろん家族。本当に暖かい気持ちになります。
 そして最後に・・・温かいおいしいビーフシチューが食べたくなるのは私だけではないと思います。
 好きな登場人物は、三男 真歩家族の中で一番年下でお父さんの思い出はそんなに無いのに、日常笑えず、クラスに溶け込めないのは早坂家の心情の象徴なのかなと思った。

 好きなシーンは、P61「皆、好きなように話し、笑う。一度体に触れてそのまま流れ落ちていく言葉たちは、まるで夕食前に浴びてしまうシャワーのようだ。たまに耳の中に入ってきてしまう言葉もあるが、その時は顔を傾けて、片足でトントンと跳んで水と同じように落としてしまいたくなる」という場面。
 取るに足らないシーンかもしれないけど、学校での自由時間の感じがすごくよく表現されていると思った。
 他の本も読んでみたくなりました。今後も楽しみにしています。
ノリ さん (30代女性 自営業)
 涙しました。凄く良かったです。
 喫茶「星やどり」のある町の風景、早坂家の面々の様子がくっきり脳裏に浮かびました。読みながらその町の一員になって彼らを見守っているような気分にも。
 「東京バンドワゴン」や「真夜中のパン屋さん」がお好きな方なら、必ずハマる1冊だと思います。読後感も良く、素敵な作品だと思いました。
 琴美の旦那さんである、孝史くんは、心も広く、包容力と優しさがあり、そして警官!彼でスピンオフも出来るんじゃないかしら・・・と、思うくらい、素敵な人物だと思います。
 父が、寝ている(フリ)をしている琴美に語った言葉には、涙が止まりませんでした。すごくグッときました。理由は、子供たちの成長を最後まで見る事が出来ないと悟った父の言葉に、寂しさと悔しさ、そして優しさにあふれた温かさを感じた事。そして、その言葉を聞いている琴美の気持ちになると、切なくて切なすぎて、琴美の代わりに号泣しました。
 正直、“現役大学生”との事で、大きな期待をしていませんでした。私のように、著者が若いというだけで、読まず嫌いな読者は多いと思います。ですが、この作品を、その先入観で手にしないのはもったいない!と思いました。どうか、上手な宣伝方法をとって、私のような“読まず嫌い”読者の壁をとっぱらい、より多くの人に読んでもらいたいと思います。朝井リョウさん、これからも素敵な作品、楽しみにしています!人の心にポッと優しい灯がともる1冊を・・・これからも期待しています!
中西和音 さん (10代男性 学生)
 亡くなったお父さんを通じて繋がる、七人の家族の物語。 
 家族全員の中に根強く残る、お父さんとの記憶。それがあるとき悩みとなったりもするけれど、優しく包み込んで暖めてくれるのも、やはりお父さんだった。
 ところどころにちりばめられたお父さんの思いが、やがて大きな愛を形作ったときは、涙が止まらなくなりました。
 そして、複雑に入り組んだたくさんの思いを見事に文章にしてくれた、朝井さんの筆力!大胆で美しい比喩。効果的に繰り返される「かちかち」や「カシャ」といった擬音語。他の作家とは違う朝井リョウ先生だけの作風を、もっていらっしゃると思います。
 ときたまでてくるギャグセンスも、美しい描写たちの中にするりと入り込み、磨きをかけてくれていました。
 文章でしかできないこと、とは、こういうことだと思いました。すばらしかったです。
 「星やどり」美しい響きですね。

 好きな登場人物は、三男、真歩です。
 はじめ、登場したときは、カメラを持ち歩くマセガキというキャラ設定かな、と思いました。
  写真の中にお父さんの存在を探している……。
 でも、お父さんがもういないことなんて、もうわかっている……。
 そのことが明かされたシーンに、いちばん心を揺さぶられたかもしれません。
 丁寧に描写してくれた朝井先生に感謝です。

 上にも書いた、三男、真歩の部が好きです。
 シホチャンによって明かされる、ハヤシがいなくなってしまったという事実。
 ハヤシの写る写真の描写のあとにあるこの一文
 「お父さんはいない。どこにも写っていない。そんなこと、ずっと前から分かっていた。」に、完全にやられました。
 さらにそのあと、ハヤシとの思い出が浮かび、そして、
 「お父さんみたいだ」
 真歩の言ったこのひとことが、一番強く心に残っています。
 ハヤシの、お父さんにも似た強さと優しさに気づいた真歩。
 僕の少ないボキャブラリーではなんともいいがたいのですが、このシーンは、真歩の思いも、ハヤシの思いも、そしてそれを表現する文章も、いちばん輝いていたように思います。

 すばらしい作品をどうもありがとうございました。
 僕は、朝井さんの大胆で、それでいてなるほど、と思わず唸ってしまうような美しい比喩が大好きです。今後もこんな美しい文章を味わえることを楽しみにしています!
黒猫 さん (40代女性 主婦)
 そこに居るのが当たり前。そう思っていた家族の一人が欠ける。それは古くなった絵の、乾いた絵の具にヒビが入り、パラパラになって落ちていくのに似てる気がする。
 自分が元は何であったのか、どこに行けばいいのか、分からなくなった絵の欠片。それら小さな一つ一つが、それぞれに悩みと戸惑いと使命感を抱えながら、微妙なバランスを保って散らばっている。
 そんな欠片の上には、ちゃんと元の絵が飾られている。
 見上げれば、ぽかりと空いた穴。かつて自分たちがいた場所であり、大切な人がいた場所。もうそこには戻れないけれど、顔を上げれば自分が存在していたという証がちゃんと残ってる。
 そして、足元には新しい絵が描かれる。当たり前だと思っていた頃よりも、もっと確かな存在感を持った家族。
 もう彼らはバラバラの欠片ではない。互いをいたわり合い、亡くなった父親を胸に刻みつけ、そして前を向いて歩く彼らが描いていく家族と言う名の絵画に、胸が熱くなる。
 反発し、衝突しながら見つけた自分の夢。子どもたちの名前に込められた父の想い。そして、星やどりの本当の意味。読み終わった後、ふと自分の家族や人生を振り返りたくなる、そんな素敵な物語。

 とても素敵な作品でした。
 最初に子どもたちが一度に登場するのでちょっと頭が混乱してしまいましたが、(笑) それぞれの心中をじっくり読むことで、最後の場面がとても生きていたと思います。これからも、絆をテーマにした作品を読んでみたいです。
わきた さん (20代女性 会社員)
 現役大学生の朝井さんの持つみずみずしさが物語中に充ちていました。特に子ども達と海と夏のきらきらとした背景がとても合って、本当に眩しい。
 でも星やどりの夕暮れの刹那さと少しの寂しさ、そして美しさがそれを包んで、若々しいだけで終わらない。そこに著者の広がりを感じます。
 きっと、パトロールさんのように仲間に入りたいちょびっと歯痒い気持ちを、読んだ人は感じるんじゃないかなと思いました。うん、私は思ってしまいました。
 全体に優しさとあったかさが溢れて、朝井さんの人柄を思い浮かべられました。少ししょっぱくて心はほろ痛くて、なのに悔しいくらいにきらきらと輝く涙のようなお話。
 この家族ならきっと眩しい奇跡が降り注ぐから、きっと大丈夫。幸多き事を。そう願ってしまう、素敵な星の奇跡の物語でした。あとビーフシチューがめちゃめちゃ食べたい笑

 好きな登場人物は長男・光彦。
 琴美姉さんとは違った強さを持っている人だと思います。
 情けないかもしれない、みっともないかもしれない。でも彼が長男でなかったら、きっと家族はもっと自由にバラバラになる気が、なんとなくする。ダメだなあお前はと笑われながらも、どこかで全員が彼のどこかしらを羨ましがっている、そんな存在じゃないかなと、思いました。

 今回初めて拝見させていただきました。
 星やどりの家族のその後と同じように、段々と羽を広げて飛び立っていくその姿を見守っていたい、そう思わせてくれる作家さんです。幸多き事を!
ひろ さん (30代女性 会社員)
 初めて朝井リョウさんの作品を拝見しました。三男三女母ひとりの家族愛の物語。三男?二男四女の間違いではないの?と読み進めましたが、最後に納得です。平凡の極みが幸せだということを感じました。押し付けがましい家族愛ではなく、温かい気持ちになれました。

 好きな登場人物は長女琴美。私も長女です。親や兄弟姉妹は自分で選べない家族。自分の夫は自分で選んだ家族。そう感じることはいけない事なんじゃないかと思っていました。だからこそ琴美の気持ちに共感できました。そしてそんな琴美を愛して守ってくれる孝史の存在も素敵です。

 好きなセリフは、ハヤシくんの「おれとのツーショット、文集に載っけてね」。
 真歩の心に深く暗く刻まれた「笑顔は悲しい別れを連れて来る」という思いを解いてくれた気がします。子供の頃の受けた傷は、心を閉ざすことが多々あります。それを解かしてくれた一言が凄いです。

 三男三女それぞれの目線で、それぞれの思いが詰まっていて、みんな父も母も大好きで、そんな家族愛に感動しました。同時に家族愛って切ないですね。これからも心温まる話を生み出して下さい。楽しみにしています。
ニレ さん (30代男性 専門職)
 読み終えた後、なぜこれほどまでに心が温かくなるのでしょう。
 私も含め、ひとりひとりならば誰もが自分のことを「頼りないやつだ」と卑下してしまいがちです。けれど、だからこそ人は手を繋ぐ意味があるのではないか、と早坂家のみんなから笑顔で言われたような気持ちになりました。
 全体の構成や繋がりが素晴らしい。連作短編でありながら、それぞれが横に手を繋ぐだけでなく上にも積みあがってゆく作りになっています。時間軸の経過という意味だけではなく、です。
 星のようにちりばめられた点々のひとつひとつが最終章で星座を線で結ぶようにして1箇所へと帰結します。けれどそこで感じるのは、周到な複線を見事に回収したミステリーを読んだ時のそれではなく、温かいビーフシチューを食べたときのような、心を満たす幸せな気持ちなのです。
 ひさしぶりに素晴らしい小説に出逢えました。
 私が今年に入って読んだ小説の中ではまちがいなくナンバーワンです。
「星やどりの声」は、他にはない「人を思う気持ちの連鎖」が生む奇跡の瞬間を目の当たりにすることができる、ハートウォーミング・ストーリーの傑作です。
 今はもう、早くこの感動を友人に伝えたくて仕方がありません。発売日の朝には書店で2冊購入しようかと今から計画を立てているところです。
 1冊は大切な友人へのプレゼントに。そしてもう1冊は、いうまでもなく自分の宝物にするのです。 これほどの小説を手元に置いておかない理由がありません。

 好きな登場人物は、意外かもしれませんが、あおいでしょうか。彼女は凛としつつ、自分の気持ちに正直な上に包容力もあり、かつ兄弟2人を手のひらの上で転がしている、というたまらなく魅力的な側面が幾つも存在しています。
 るりのように優等生的ではないところがまた良いのです。光彦が関西に行ってからのあおい目線の物語で、また1冊本ができそうなほどに魅力的なキャラクターだと思っています。

 やはりいちばんは「ほしやどり」と「小空」の秘密を明かす場面です。
 そしてもうひとつだけ挙げるのなら第1章14ページ。ユリカさんは最初の話からもう物語に登場していたのですね。人とのつながりを欲しがっていたユリカさんが、途中参加ではなく最初から同じステージの上に居た、というのはなんともいえず私を嬉しい気持ちにさせてくれました。

 私の生まれ育ったのが、岐阜県との県境にある愛知県の丹羽郡という街だったこともあり、朝井リョウさんの書く文章のところどころに懐かしい表現を見つけてストーリーとは直接関係無い部分でちょっと笑顔になってしまいました。
 ワイシャツのことをカッターシャツと言ったり、一般に「体育座り」と言われている座り方を「体操座り」と呼んだり…。
 高校を卒業して東京の大学に進んだとき、「放課」,「業後」,「B紙」,「机を吊る」,「坂」や「靴」のアクセント,などなどそれまで当然日本中がそういうものだと思って喋っていた言葉が、そうではなく、ただ小さなコミュニティーの中だけのことなんだと知ったときの驚き。それを今さらながらに思い出して懐かしくなってしまいました。
 今は10年暮らした東京を離れ、北海道に住んでいます。大学を出た後に音楽の専門学校に入りなおし、インディーズでCDデビューをしてラジオのレギュラーが始まり、LIVE活動をしながら写真の専門学校に通い、なんだかんだと家族の健康を優先した時間をすごした後に今は北海道でフォトグラファーという道を胸を張って歩いているわけです。
 世界で自分しか撮ることのできない写真シリーズを誇りを持って撮り続けています。9年かけて1万回シャッターを切り、20数枚の作品を残す、というとてつもなく確率の低い写真を撮っています。もちろんこれからも撮り続けてゆきます。
 最高の小説をありがとうございました。自信を持って大切な友人にプレゼントしたいと思います。
みっきー さん (40代女性 主婦)
 面白かったけど・・・もう少し、話を続けてほしかったです。ブラウンおじいちゃんの事をもう少し書いてほしかった。ただ、お父さんの愛情が溢れていて涙しながら読みました。

 好きな登場人物は小春です。
 何でもズケズケというけども一番、小心者で優しい感じがすきです。

 これからも応援しています。いろいろな分野に挑戦して書いていって下さい。楽しみにしています。
めるし さん (20代女性 専門職)
 長女琴美の思いが切なくて、なんともいえませんでした。長女だけに家族を支えなければいけないというプレッシャー。父から託された家族を守らなければという責任感がひしひしと伝わり、涙がとまりませんでした。
 よく思春期なんかに好きであなたの子供に生まれてきた訳じゃない!なんて親に酷いことをぶつけたことがあります。確かに子は親を選べません。親も授かる子は分かりません。ただ、誰しもがその家族に生まれてきた理由や役割りがあるということをこの本で学びました。

 好きなのは長男光彦!いかにも大学生らしい。六人中一番年相応という感じでつい感情移入してしまいます。そして単純!笑でも、最後ちょっと大人っぽくなるね。

 好きなシーンは、p149の小春の「好きだったからじゃない。佑介のそばにいて、確かめたかったからだ。」という部分。
 すごく残酷だけど、この本の中で一番素直な気持ちだと思ったから。この後に佑介が星やどりの歌を歌ってる。て知る瞬間も好き。小春のこと本当に好きなんだって嬉しくなる。

 すごく素敵な小説でした。山や川星やどりの天井の小空を想像してはわくわくしていました。カラフルな六人兄妹に幸大からんことを!
有佐 さん (20代女性 学生)
 初めて読む作家さん。家族をテーマにした物語。父親が亡くなって、三男三女母一人と言う大家族。一章ずつ、きょうだいの視点で語られていく連作短編。登場人物は多いけれども、それぞれのキャラが立っている。一章冒頭で誰が何番目か判らなくても問題ない。
 6人のきょうだいはそれぞれにそれぞれの悩みを抱えていて、その悩みには父の影がちらつく。迷ったり立ち止まったり泣いたり喚いたりしながら、それでも周囲の人たち――同級生だったり恋人だったり――に支えられて、乗り越えながら日々を過ごしていく。
 ずっとこのまま、父の遺した店を母が切り盛りして、きょうだいたちも時々手伝って、仲良く暮らしていけそうな気がする。けれども現実はそうは甘くない。
読後はちょっぴり切ないような、寂しいような気持ちになるけれども、それは決して悪いものではない。

 好きな登場人物は早坂小春。
 授業をサボって花火したり、校則違反をしたりと、所謂『不良』。けれど、家族のことを誰よりも想っていて、自分のことにお金をかけるわけにはいかないと我慢もいっぱいしている優しい子。夢を追うために、自力で勉強している努力家でもある。その二面性が好き。

 好きなのは光彦の面接のシーン。
 作者が大学四年生で就職活動中なのか、面接の内容や光彦の焦りや悩みがリアル。私も光彦と同じ状態なので、共感できて印象に残っている。その分、一番読んでいて堪えたのも光彦の章。

 同い年の作家さんの読者モニターが当たったのも何かの縁。これから追いかけていこうと思います。
アキヲ さん (20代女性 会社員)
 家族が”家族”を卒業する日ってどんな日なんだろう?そう思いながら読み始めました。
 読み終わって、感じたのは「ああ、早坂家ってなんて素敵なんだ!」ということ。煮込まれたビーフシチュー、ネルドリップで淹れたコーヒー、亡くなる前に父が突然作り出した天窓の秘密。そして、そこで育った子供たち。それぞれが、自分自身の問題に自分たちの力でぶつかっていく強さ、そしてそれを支える両親の力に反発しながらも受け止めていくきょうだいたちの姿はまぶしくて、まさしく連ヶ浜の海に反射する太陽の光のようにきらきらとしていました。青春と呼べる時間を通りすぎてしまった自分には少し眩しすぎるほどでした。
 そして、少しずつ強くなっていったきょうだいたちが知る家族の『輪』。この先、就職や結婚でバラバラになっていっても、今の形がずっと続かないとしても、さまざまな形で確かに続いていくのだと安心しました。最後の真歩のセリフが可愛らしかったなあ〜

 好きな登場人物は孝史くん。
 全編を通していい味を出していましたが、琴美の章で完全に引き込まれてしまいました。早坂家を支える琴美をずっと支えてくれていたとても大きくて優しい人だったのだなあ、あんな恋人が欲しい!と切に思いました。

 好きな場面は、小春が母と衝突するシーン。
 「あたしは別にクリームパンが好きなわけじゃない!」など、朝井さんて男性だよな?どうして女子高生の気持ちこんなにわかるの?てセリフや表現が多くて印象的でした。

 朝井さんの描く「青春」が大好きです。これからもずっと書き続けてほしいと思うとともに、もっともっと他のジャンルも読んでみたいです!
トイトイ さん (20代男性 学生)
 危険だ、と思った。この小説は麻薬だ。
 いやだって、これ読んだせいで学校の授業に集中できないんだもん。
 それは、「続きが気になる」って感じじゃあなく、物語世界にひたりすぎて現実世界に戻ってこれない感じ。
 物語の構造は『桐島、部活やめるってよ』に似ている。中心人物が一人いるが、その人には視点を置かず(というか『星やどりの声』の場合、「置けない」んだけど)、あくまでそのまわりにいる人たちの視点を通して、その中心人物を描くという手法。『桐島』が好きな人は絶対この小説も好きになると思う。
 『桐島』と異なる点――進歩した点もある。視点を置くキャラクターたちの世代が広がったことだ。『桐島』に出てくるキャラクターたちはみんな高校生だった。このため、高校生だけにとても密着した青春小説になっている。『星やどり』に出てくる6人のキャラクターたちは、下は小学6年生から、上は26歳の社会人までと幅広い。それぞれの世代に密着した視点で物語が展開されている。
 朝井氏をデビュー当時から応援している筆者からすると、「腕を上げたなあ」と思うと同時に「大人になったなあ」と感慨を覚えたりした。まァ、筆者は朝井氏より年下なんだけど(笑)。
 『星やどり』には大きなミステリーが二つある。〈星やどり〉という店名の由来と、〈小空〉という天窓の存在理由だ。このミステリーが解かれるラストシーン、きっと胸が熱くなると思う。
 この小説を読んで、「家族っていいな」と思えるようになった。それは、大きな収穫だった。
 読み終わったあと、思ったこと。「あぁ、ビーフシチュー食べたいなあ……」

 好きな登場人物はあおい
 台詞がクールで、いい。話し方から「お姉さん」という感じがひしひしと伝わってくる。

 好きなのは、「1 長男・光彦」のラストシーン。
 聴覚的な描写が多彩で、いい。あおいの妹が英単語を練習する声やボールペンの音の入り方が絶妙。光彦の独白に答えるあおいの台詞が最高。「先生ださいですね」、「いいですよ、振り返らなくて」がお気に入り。

 『桐島、部活やめるってよ』のときから応援しています。ぼくも大学生なので、親近感を持っています。自分と同世代の人(高橋 みなみさんとか、北乃 きいさんとか、石川 遼さんとか)が活躍しているのを見ると、「ぼくもがんばらないと」って思えます。パワーがみなぎってきます。
 『星やどりの声』が発売したら、かならず買います。これからも小説を書き続けて、ぼくたちを楽しませてください! 活躍をぼくたちに見せ付けて、パワーをみなぎらせてください!
ちさ さん (20代女性 学生)
 やさしい本。これは、私が読了後に最初に思い浮かんだ一言です。
 語彙力のない私だからこそ思い浮かんだ言葉足らずで陳腐な言い回しですが、この六人きょうだいと母親、周りの人々の温かく明日にたいして私もちゃんと生きよう、と思える清清しくやさしい本なんです。少し人生に悩む人や、家族など親しい人との別れを経験した人、身近な人が亡くなるという現実に整理も付かず、無性に叫び出してしまいそうになる人にぜひとも呼んで頂きたい。

 好きな登場人物はお父さんです。琴美の章で言う台詞はどれも胸に響く。特に、「お前は自慢の娘だよ」と言われ、泣かない娘はいるだろうか。なんて男前なんだよ!と言ってやりたい。
 娘にとって父親と言う存在はいつまでたっても“お父さん”でいると信じて疑わないのに、こんな夜な夜なベッドサイドで子供たち一人ひとりの将来を嘆くなんて。そんなの卑怯で、でも男前だなって読んでてとても胸が熱くなりました。
 お父さんずるいんですよ。男前にしか見えないんですもん。

 最も印象的なシーンはあおいちゃんの部屋で押さえきれない感情を爆発させた光彦のあのシーンです。こんなこと言ったって仕方ない。カチカチとわざとらしく鳴らして言葉の合間を埋める。そんなどうしようもない感情を感じることはきっと誰にだってあると思う。押しつぶされそうになる暗い感情を本能のまま叫びだしてしまいたい。そんな感情をやさしくきれいに表現されていてそれが自分と重なり、とても印象深く残りました。

 とてもやさしい気持ちになりました。私情で恐縮ですが、私の祖母が現在癌を患っており、もう長くないと医者に宣告されたばかりでした。就活真っ最中の私には光彦とも重なったり、末っ子で大人たちの秘密の会議に参加させてもらえない真歩の気持ちと重なったりとついつい自分と重ねて読んでしまい、辛く感じるシーンもあったんですが最後の締めくくりやお父さんのやさしさに触れ、大げさではなく、本当に明日もちゃんと生きようって思えました。ありがとうございました。
 琴美さんの妊婦だというカミングアウトは私もなんとなく想像していたんですが、初産で神経質になっている妊婦さんにカフェインが入っている紅茶をお母さんが勧めたので、あ、違ったかぁ、と気を緩めていたのでカミングアウトした際、おぉ!そうくるか!と一人勝手に興奮してました笑 他にもちょこちょこ笑える会話などあり、楽しめました。執筆お疲れ様でした!!
はじめ さん (30代女性 主婦)
 泣くとお腹がすく。今日の晩御飯は、ビーフシチューか焼きカレーにしようと決めています。登場人物全員に感情移入して、泣いたり笑ったり救われたりしました。
 優しいけど、包み込まれるばかりではないお話で、そのふと感じる冬の風のような寂しさが心地良い。そんなお話でした。
 一章ずつ夜寝る前にに読みました。父を亡くしてまだ間もない今の時期に読めて良かったです。少し楽になれた気がします。読ませて頂いてありがとうございました

 好きな登場人物は琴美。立場が似ていて喜びや苦しさが分かるから。

 好きな場面は、お父さんが、双子を見分けつかなくなったところ。末期癌の人ってあんな瞬間があるように思います。私にも同じような経験がありました

 子どもにも読ませたいし、私も大事に何回も読みます!そんな風感じる人が多い作品だと思います!
W・S さん (10代男性 学生)
 『普通の日常』のすばらしさを改めて感じた。『卒業の日』を迎えるのが怖くも待ち遠しくなった。

 好きな登場人物は光彦。
 駄目人間ではあるけれど、隋所に兄弟への愛が伝わってきて憎めない。

 好きな場面は、小春の章のラスト。
 無言のうちに了承できるこの家族がすごいと思うと共にうらやましいと思ったから。

 日常的な描写の一つ一つに『あるある』と感じられるすばらしい小説でした。朝井さんの群像劇でない長編も読みたいです。
コマコ さん (20代女性 学生)
 とても心あたたまる物語。全体的に軽い感じで読めましたが、「家族」というものについて深く考えさせられる内容でした。
 個性豊かな6人のきょうだいそれぞれの視点で物語が進んでいくという構成が良いです。きょうだい一人一人が亡くなった父親との思い出を大切にしているところが素敵。それぞれ日々の生活の中で悩みを抱えたりへこんだりしながらも、周りの優しい人たちと関わりあうことで、前に進んでいく姿に元気をもらった気がします。
 6人のきょうだいの中で、私が一番共感したのが長男の光彦。私も今年就活があり、周りの友人がどんどん就職先を決めていく中、不安な気持ちを抱えながら夏いっぱい就活を続けていました。なので、先の見えない将来への不安を吐露する光彦の姿が他人事とは思えず、思わず彼と一緒に涙を流してしまいました。
 最近気づいたのですが、私と朝井リョウさんは同じ年齢のようです。だからでしょうか。私たちの世代が日々感じているようなことを、作品を通じて代弁してくれているような気がして、読んでいてとても嬉しかったです。
 自分がこれからちゃんとした「大人」になれるかどうか分からない、そんな不安を漠然と感じていた私は、この本から前を向く勇気と希望をもらった気がします。
 今、この時期に、この本と出会えて本当に良かった!

 好きな登場人物はあおいちゃん。
 彼女のセリフには考えさせられるものが多かったです。自身も家族に対して複雑な思いを抱えている様子が伺えますが、そのことで弱音を吐かない強さと、どんなときも人のことを気づかえる優しさを持っているところが素敵だと感じます。

 好きなセリフは、P200「私、六年後の自分に子どもがいるなんて考えられない。だってずっと心は十歳のままなんだもん。たぶん、お母さんもそうだったんだと思う」。
 自分はあと5年で母が私を産んだ年齢になるんだということに思い至り、はっとしました。このセリフを読んで、自分がもうそんな年齢であるという漠然とした不安感を感じるとともに、誰もがみなそういうふうに「大人」になっていったんだと励まされたようで、深く心に残りました。

 朝井さんの作品にいつも励まされています。これからもそんな作品を楽しみにしています!
おりばぁ♪ さん (20代男性 学生)
 面白かった。親子や兄弟の役割や建前ばかりが残り、最も大切な核となる部分が欠落している家族が家族の代表となってしまった今の時代に、ずっと変わらない家族の姿を爽やかに描いてくれた。6人の兄弟姉妹たちが、それぞれが抱える悩みや想いも共感できるものが多かった。文章の所々に色が使われていて、風景や感情を想起させ、その色が自分の心にも温かく滲んで広がっていった。もちろん私にも家族がいるが、この小説を読めば、もっと家族を大事にしようと絶対に思うはずだ。

 一番好きなのはるり。次の項目と重なってしまうけれど、るりの章が凄く心に沁みて、ユリカに対して「私、この人のことを嫌いだったんだ。」と自覚する場面はとても好きだ。何にも努力していないように見える人が、自分よりも高い所にいて、その人のことを何も知らないのに、勝手に嫉妬する。そんな自分に腹が立つことがよくあり、そんな彼女が成長していく姿には元気をもらえた。自分とは性別も違うし、読み終わって振り返ると共通点はそんなにないように思うけれど、何故か一番共感できた登場人物だった。音楽こそ聴いていなかったけれど、通学時に自分は何を考えていたのだろうと、少しだけ真剣に考え、唸ってしまった。

 印象に残った場面は、星やどりでの場面全部。学校や家などの他の場所での場面を省いた星やどりでの場面全てを印象に残ったと言いたい。やっぱりここが全てだったのかな、と読み終わって凄く思った。ラストにお父さんの残した「いつか、分かること」が明かされる場面がある。思わずうるっとくる場面だが、そこに行き着くまでのブラウンおじいちゃんや伯父さん、ハヤシ君の写真、あおいちゃんとの約束などから、星やどりってこんな事が起こる場所なんだと確信できる。瞬く小さな星たちを誕生させるそんな場所なんだろうな。

 『桐島、部活やめるってよ』に続いて、この作品を読ませていただきました。私は本が好きだ、と勝手に思っていますが、同世代の朝井さんの作品を読んで、自分も何か頑張らばらなくては、と勇気と元気をもらっています。作品から得る新たな想いももちろんありますが、朝井さんの活躍自体が刺激になっているのです。これからも読者にまた自分に刺激を与えてくれるような作品を創り、色々な所で活躍されることを望んでいます。
ヒカリ さん (30代女性 会社員)
 最初は「星やどり」という名前のついた、真っ白い大きなパズルの枠だけが私の頭の中にありました。そして、ひとつひとつ物語を読み進めるごとに、その枠の中に早坂家の家族がひとり、ふたりと、色を帯びて浮かびあがってきました。彼ら自身の色だけでなく、浜電や空や海や自転車やマニキュアの色も一緒にまといながら。
 「ああ、こんな子いそうだな」と、途中まではありふれた大家族の話だと高を括っていましたが、その思いはとてもいい意味で裏切られました。最後まで読み進めると「あ、そういうことか!」とあることに気づかされ、すべてのピースがぴたっとはまったときに頭の中のパズルが星空みたいにぴかぴか輝き出したように思えました。最後に、奇跡がおきたのですから。
 そうして「星やどり」というパズルが完成したとき、これはとても大きな愛に見守られた暖かな家族写真だったとわかりました。大丈夫、この先何が起きても、それぞれの道を進んで離ればなれになったとしても、きっとこの家族なら大丈夫。そう思えました。だって私の頭に浮かんだ家族写真はみんな笑顔で写っていますもの。
 この本はきっと、読む人の胸にぽっと優しい明かりを灯す本になると思います。少なくとも私の胸には、明かりが灯りました。

 好きな登場人物というよりも、琴美に共感することが多くて、結果一番印象に残っています。
 私自身が長女で、母子家庭であるため、本当はしんどくてもそれを素直に言えないし、私がしっかりしなくてはいけない、とすべてのことを自分の中に抱え込んでしまう性格だからでしょう。だからそんな琴美に「あなたはもう、早坂家の長女じゃなくてもいいのよ」とお母さんが声をかけたとき、まるで私が家から解放されたかのように感じてふいに泣きそうになってしまいました。

 「お前が生まれたそのときに、俺とお母さんは、親になったんだ」
 眠ったふりの琴美にお父さんが話しかける場面は終始涙腺がゆるみっぱなしでした。特にこの台詞は忘れられません。そう、私が生まれた時に両親は「親」になったのだなぁと、しみじみ感じてしまいました。

 本を読むのが大好きな読書人として、同じ岐阜県からこんな素敵な話を書く人が出版界に出てきてくれたことをとても嬉しく思います。朝井さんはまだとても若いし、きっとこの先いろいろなことを経験して、そこからまた新しい物語をたくさん産み出していってくれることでしょう。有川さんのコメではありませんが、どうか朝井さんの人生にも幸多からんことを!!応援しています、頑張ってください!!!
とんこ さん (40代女性 主婦)
 とにかく読後爽やかで気持ちいい!!すごく暑い日に爽やかなそよ風が吹いてきたみたいな感覚だ。今まで「チア男子!!」「桐島、部活やめるってよ」と読んできたけれど、さらに進化した朝井リョウを感じることができた。そしてさらに読みやすくなったと思う。
 それにしても彼には、大勢がそれぞれに頑張る話が似合う!チームワーク物を書かせたら今彼の右に出る者はいないだろう。
 のりトーストがとってもおいしそうで早速作ってみたら、とっても美味だった。

 読み始め当初、登場人物が多くて、正直どうしようって思いました。が、そこはさすがリョウさん。キャラの書き分けは相変わらず完璧でした。前作二作読みましたが、表現が盛りだくさんというか、デパートのような印象を抱いてました。今作では表現が良い意味で抑え気味で、読者がカンタンについていけるレベルにまとまっててとても読みやすかったです!これからも頑張ってください!!
なつみかん さん (40代女性 主婦)
 読み終わった後に何とも言えないすがすがしい気持ちになりました。朝井リョウさんの作品は、「桐島、部活やめるってよ」「チア男子!!」に続き三作目ですが、本作は前二作のみずみずしい文体をそのまま保ちながら、家族、兄弟姉妹、親子、友達のことをやさしい目で見つめた、心にひびく作品になっています。
 亡き夫(父)が設計した忘れ形見の喫茶店を切り盛りする母と六人の子どもたち。寄り添って暮らしていた仲の良い家族の日常が、兄弟姉妹一人ずつをメインとした6章に分けて描かれています。子どもたちの家や学校での会話がとてもリアルで、朝井さんの作品ならではだと思いました。
 兄弟姉妹、周囲の人々ともに登場人物の個性がとてもよく書き分けられていて良かったです。また、作品に出てくるビーフシチュー、アップルパイ、メガ盛りご飯、卵焼き…などが、場面場面で人の心をあたためてくれ、そのあたたかさは作品の底に流れるものと通じるように思いました。。
 どこかの海沿いの町に本当に早坂家が住んでいるいるような、そんな気持ちにさせられました。親子で、夫婦で、読み合える心に残る一冊だと思います。

 上に書いたようにどの登場人物もとても魅力的でしたが、好きな登場人物を一人あげるなら小春。
 お化粧ばっちりで校則も破りまくり…という今どきの女子高校生に見える彼女が実は一番周囲を気遣い、優しい人なのではないかと思うので。

 好きな場面は、最後の章で、喫茶店「星やどり」の天窓の意味が明かされるところ。
 亡くなっていく人の痛いほどの思いが伝わってきて読みながら、涙をこらえることができませんでした。

 どこにでもある家族の日常や悩みを描きながら、今までにない形の家族ドラマになっている、愛のあふれる作品です。家族で読み合える、心温まる1冊です。
 朝井さんの生き生きとしたキャラクター設定力にはいつも感激しています。これからも若い方ならではのみずみずしく、生き生きした作品を期待します。
閑雅 さん (10代女性 学生)
 さすが朝井リョウさんだな、と思いました。
 早坂家の子供たちは、父・星則の死で悩んだり、くすぶっている思いがありましたが、一人一人がちょっとずつ前に進みます。その様を読んでいると、とても勇気を貰えましたし、みんな父が大好きなことが伝わってきて、家族愛だなぁ、素敵だなあ、と思いました。
 朝井さんの本を読んだことのない人にもぜひ読んでもらいたいです。心が暖かくなります。

 三男・真歩が一番好きです。
 小学生なのに、やたら大人びているところが好きです。でも、やはり小学生だな、と感じさせるところがあり、なんだかほっとしたり、読んでいて飽きない感じがします。

 好きなシーンは、星やどりのお店の天窓が作られた理由が語られる場面です。

 いろんな人に読んでもらいたい作品です。
 朝井リョウさんは嫉妬してしまうくらい(私がするのはお門違いですが)とても素敵な作品を書いてくださるので、これからも応援しています。
lica さん (10代女性 学生)
 私もこの「星やどり」で結ばれた一家と同様に、身内の者を病で亡くしている。
 私もこのストーリーと同様に、身内の者が「生きていた」という証がはっきりと残っていればと思う。というよりも、このストーリーと全く同じで、なくなった身内の者が死前に「天が見える窓」を作ってくれて、いつでも私のことを天から覗いて、私を見守ってくれればと思う。この本の最後を読んだときには驚いた。星則の作った星やどりの窓にはこんな仕掛けが隠されているんだと。そして常連客のブラウンおじいちゃんが店に来なくなってから、生活が一変した理由に。この作品はリアリティーがあふれる、ユーモアがあふれる、そして感動があふれる傑作である。


 若手なのにこの想像力すごいです。これからもガンバってください!
海野彩有奈 さん (10代女性 学生)
 おもしろさも感動も一度に押し寄せてくるような物語でした。父、母、兄弟姉妹6人、全員大好きになりました。
 みんながお互いを思って助け合っていると感じました。悩みや不安があっても、家族がいるからやっていける、そんな声が聞こえてきそうな気がします。
 時間は過ぎていくし、形も変わっていくけれど、変わらないものがあるということを知りました。

 わたしが1番好きな登場人物は小春です。
 自分と同じ女子高生であり、共感できる部分が多かったからです。お金を我慢して、いつもクリームパンを買っているところや、お母さんが他の男性と会っていたことにムキになって怒ったり、家族のことを大切にしているからこそだと思いました。自分の夢だけは曲げずに努力しているというところもかっこいいし、尊敬したいところだと感じました。いつも明るくて、可愛い登場人物だと思います。

 家族を自分が死ぬ前につないでいった父、星則の思いは、星則がいなくなってからもあり続けたと感じます。その思いの強さに心が動かされたからです。

 現役大学生が書いていることで、どのような作品かとても気になり、読んでみようと思い、今回の作品に応募させていただきました。
 テスト期間中であったので、勉強の合間などに読んでいましたが、勉強のことを忘れて読みふけってしまうくらいの面白さでした。
 朝井さんの作品を読ませていただくのは初めてだったので、次はぜひ朝井さんの過去の作品も読ませていただこうと思います。
 本当に家族の温かさが身にしみて実感できる本でした。ずっと応援しているので、これからもがんばってください!
naminnie さん (30代女性 主婦)
 早坂家の持つ星の光は、決して強い光ではないけれど、遠く離れたところからも確実にキラキラと瞬いているのがよく分かる。
 家族皆が、お互いのことを思いやり、考えているからこそ生まれる喜びがあり、そして時には誤解も生じる。その様相は、非常にささやかなものであって、場合によっては取るに足らないと感じる毎日の一コマなのだけれど、その一コマ一コマ全てが読んでいる間中愛おしく感じていた。
 早坂家の三男三女がそれぞれの持つ亡き父への思いを繋いで語られていく連作短編集。子どもたちは皆、自分自身が乗り越えなくてはならないことを抱きながらも、家族のことを想い続けている描写に、家族を見つめる読者としての私の目は自然に優しくなれる。
 一章一章ごとにスポットを浴びる子どもたち全てに気づいたらすっかり寄り添って、短いながらも共に悩み共に泣き、共に笑っていた。
 最後に明かされる喫茶店の名前、【星やどり】の理由は、思わずはっとさせられ、父親の思いが手に取るように分かり、胸がいっぱいになり、思いが溢れてくる。読者である私も気づいたらこの一家の7人目の子どもになっていたのかもしれない。
 きっとこの家族は、“家族”を卒業しても、大丈夫。新しいカタチの家族として、また星のように輝く未来を作っていくんだと、強く確信できた。

 好きな登場人物は琴美。
 私自身が長女であることと、現在妊娠していることが共通しており、琴美の想いだとか時には葛藤が非常に共感を生んだ。不思議な力はないけれど。

 最後の、店の名前【星やどり】の意味が分かる場面は、物語のラストに相応しい気持ちのいい解明だった。

 物語の力ってすごいなぁ、と改めて感じました。
 とても綺麗なお話だと感じ、普通に愛されて育った人達なら大概共感を産む物語ではないかと思います☆
はな さん (30代女性 その他)
 時代設定は今よりも少しだけ昔でしょうか。(小学生のランドセルが赤と黒だったり、高校生のコミュニケーションの中心に、携帯電話が存在しなかったり)それと、はっきりとどこかはわからない町の風景、ありそうでなさそうな喫茶店の様子があいまってどこか懐かしさを感じる物語です。
 6人の兄弟たちは、趣味や性格はばらばらだけど、確かに兄弟だと感じさせる空気を持っています。その根っこにあるのが、亡き父への想いと父が残した喫茶店「星やどり」。降り注ぐ星のもと、優しく守られた場所。美しい名前。
 けれど、雨やどりの場所というのは、ずっといる場所ではありません。あくまで雨を避けるためのつかの間の居場所。雨がやめば、いえ、やまなくても時が来れば、そこを出ていかなくてはいけません。彼らが星やどりの屋根の下から旅立つのは、最初から必然であり、そこに静かに流れていく物語は、切ないけれど、とても心地いいものでした。

 好きな登場人物はるり。
 私は、“ちゃんとした大人”であることにこだわりがあります。それでいうなら、琴美は、“ちゃんとした大人”なのだけど、そこに向かってしっかりと歩いているるりにひかれる。楽な生き方ではないけれど、無意味に自分を追い込んだりもしない。優等生だけど自然体。

 「お前が生まれたそのときに、俺とお母さんは、親になったんだ」
 この作品中では、「女帝」であり、「エスパー」であり、生まれたときから「一番上のお姉ちゃん」であるような琴美が、両親にとっての最初の(そして、ある意味ではたったひとつの)宝物だったという事実に、胸をつかれました。「一番上」ということが、アイデンティティであったであろう琴美にとっては、大きな意味があったと思います。

 正直に言って、著者は、筆名と“現役大学生”と言う肩書きで損をしていると思います。それだけで読まない本読みは少なくないでしょう。それがもったいないと思わせます。
 自意識の発現ではなく読み手のことをきちんと考えて、なおかつ媚びずに、物語をつむげる若い作家は少ない。5年後の作品が読みたいと思える数少ない作家です。次作を楽しみにしています。
れもん さん (40代女性 公務員)
 小学生の頃、夜の海に仰向けに浮きながら星を見上げたことがある。人工的な光りが少なかったその頃の沖縄の夜空には、本当に降り注いできそうなほどの星があった。雨に濡れないように身を守るのが「雨やどり」。そして今にも降り注いで来そうな星の光りを受け止めるのが「星やどり」。早坂家が営む喫茶店の名をそう付けた父が天国へ逝って4年後。三男三女の物語が綴られている。26歳の長女から12歳の三男までの六人の兄弟姉妹。父との別れの日から、それぞれがずっと胸にしまい込んでいたものを取り出して、それぞれが少しずつ成長していく物語。「家族」という言葉の温もりがいろんな小道具を使って表現されている。最後の最後に明かされる亡き父の想い。切なさと温かさと優しさが散りばめられているそんな一冊だった。読み終えた今、やたらと海と星空が見たくなる。

 琴美が一番好き。自分自身が長女だからかもしれないけれど、一番共感できた。
 本当は強くなんかないのに、弟妹の前では強がってしまう。というより強くなければならないと思いこんでいる。一番上だからこそ、両親の思いも一番わかってしまう辛さも切ないほど伝わってきた。

 好きなシーンは、最後に母と六人の兄弟姉妹が揃って、名前の秘密を明かす場面。

 最初の朝食の場面で六人それぞれのキャラクターが掴めました。それも説明的ではなくて、何気ない仕草で。とても読みやすく、言葉の一つ一つが心に沁みてくるようなそんな文体が好きです。これからの作品も楽しみにしています。
シル さん (10代女性 学生)
 ほっこりとするような温かい物語でした。
 早坂家の六人兄弟姉妹、一人一人の視点で進んでいくストーリーの運び方は、まるで早坂家の謎を一つずつ紐解いていくようでした。
 視点が変わることで同じものでも見方や感じ方が違ったりしていて、全く飽きることなく一気に読んでしまいました。特に長女・琴美のストーリーは、私自身が同じ長女であるだけにものすごく共感してしまいました。一番上の子って、親に甘えにくいんですよね。しっかりしなくちゃと自分でも思ってるし、親からも期待されているけれど、自分はそんなに出来た人間じゃないとも思ってしまったり。読みながら「分かる分かる」と密かに頷いてました。
 家族って、自分から一番近い位置にある存在だと思います。だから普段は、居て当たり前である家族の事を意識しないし、深く考えたりしないのかもしれません。この本を読んで「家族」の大切さを改めて感じられました。

 好きな登場人物はるり
 お母さんの手伝いをしていたり、学校での成績が良かったり、私と同い年なのに偉いなと尊敬してしまいました。また、双子の片割れである小春視点での話を読んだ後から、もう一人の双子である、るりがどのような子なのか気になって仕方ありませんでした。なので、るりのストーリーを読む前から興味が膨らんでいたため、自然とお気に入りの登場人物になっていました。


 久々に本を読んで泣きました。日常の何気ない風景をこんなにも鮮やかに描ける朝井リョウさんは素晴らしい感性をお持ちだと思います。これからも頑張ってください!
まちこ さん (20代女性 専門職)
 この激動の時期にこの物語が誕生したことに、私は一つの意味を見出したいと思います。ラストの一文を読んでも、そこから続いていくありふれた日常の気配を感じ、究極のいとおしさがこみ上げてきました。彼らそれぞれの式日に花束を。思わずやさしい涙が出る、そんな作品です。

 子どもたちが皆それぞれ素敵で、誰が一番お気に入りと決められませんでした。こんな作品、あまりないかも。

 重要な舞台の一つが軽食喫茶なだけあり、作中に出てくるビーフシチューをはじめ、食べ物の描写がとても多かったように思います。そのどれもがとても美味しそうに描かれており、私も美味しいシチューを食べたくなったことは言うまでもありません(笑)

 これから、朝井リョウさんの作品を追いかけていこうと思います。こんなに素敵な本があったなんて。出会えてよかった。
はるき さん (20代女性 学生)
 登場する家族の全員が愛おしいと思えるような作品でした。ひとりひとりが色々なものを抱えているけれど、家族のことを常にどこかで考えていて、こんなふうに繋がっていることがとても素敵だと思いました。本気で誰かのことを想って、誰かのために頑張ろうと思える、そんな人がいつも傍にいることはこんなにも幸せなことだと思いました。ほっこり心が温かくなって、自分も家族ともっと向き合って、笑って生きたいなと思いました。

 好きな登場人物は末っ子の真歩です。
 真歩は小学生なのにひどく落ち着いていて、いつもカメラを持ち歩いているという変わった子どもだけれど、彼なりに家族のことを一生懸命考えてそうしているというところに心打たれました。

 「みんなを、よろしくな」
 お父さんの終わりを予感させる話がとても切なく、眠れずに聞いていた琴美の気持ちを考えると涙がこぼれました。お父さんが全編で描かれてきた家族の本当の部分を語っていて、その優しさとこれからの家族の姿を傍で見守ることのできない悔しさを考えると胸が苦しくなりました。「星やどり」を今まで守ってきたものはこの気持ちかなと感じました。

 朝井リョウさんへ
 『星やどりの声』を読ませていただきました。
 私の家族は割りと仲が良いのですが、近頃は人間関係が希薄になっているとかで家族関係も崩れつつあるとテレビなどで聞くことがありました。この作品を読んだ後、ひとりひとりの登場人物がとても愛おしく思えて、こんな風に家族をいつもどこかで思っている人たちがもっともっと増えたらいいなと思いました。この本を読んで私ももっと家族としっかり向き合って繋がっていたいなと思いました。家族に限らず、こんな風に誰かを大切に想ったり支えたりできる関係をずっと大切にしていきたいなと思いました。前を見て、けれど一人で生きるのではなく自分のことを分かってくれる人たちと支え合いながら進んでいけたらと思います。
 『桐島、部活やめるってよ』と『チア男子!!』も読ませていただきました。特に『チア男子!!』は自分がチア経験者なので臨場感もあり色々思い出しながら楽しく読ませていただき、大好きな一冊になりました。
 私も大学生なので朝井さんのご活躍にはとても刺激を受け、元気をもらっています。本当にありがとうございます。
 これからも応援させていただきます。素晴らしいお話をありがとうございました。