いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

百年法 上・下

■第22回モニター「百年法 上・下」山田宗樹

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

ごましお さん (20代女性 学生)
「これは今の日本で起こっていることじゃないのか」と思ってしまいました。政治体制について勉強できそうなほど緻密に構成されていて、なおかつストーリーが壮大過ぎて、圧倒される作品でした。

山田宗樹様
 面白い作品でした。「これ以上のものは書けません。」という言葉通り、設定からストーリー構成までとても入念に仕上げられた小説です。
私は上・下巻に分かれるくらいの長い小説を読むのが苦手で、どちらかというと「百年法」のような小説はあまり手にとりません。でもこの小説の「死」と「生」という題材が、誰にも共通するテーマなので、登場人物の心情に共感でき、最後まであっという間に読み進めていってしまいました。
読んでいる最中に、今の日本の政治体制と国民がこの小説の中にいたような気がして、色々と考え込んでいました。共同体というキーワードも小説の中に出てきて、この国の在り方、私自身の在り方をみつめられたと思います。
友達にも宣伝しています。みんな「面白そう!」と言っていました。これから、夏休みに入るので山田先生の他の作品を読んでみたいです。
ぶらっくほーる さん (20代女性 学生)
この作品はすごく衝撃だった。感動、驚きというよりも読んでいてとても怖かった。決してこれがフィクションだと思えない。今の日本にも実際起こりえそうで、だから尚更怖かった。醜いエゴ、命の犠牲、底知れない欲望。今の日本では人を不老不死にさせるウイルスが見つかっていなくても、脱原発や増税反対などの問題を目の前にして、政治はエゴが見え隠れし、国民は政治に信頼がおけなくなっている。まるでこの本のように、日本はどんどん荒れていき、いつか崩壊してしまうのではないだろうかと感じざるをおえなかった。21年しか生きていない私だが、今の政治の在り方には危機感を感じるし、これから明るい未来が待っているとは期待できない。きっと作者さんはこの作品を通して世の中に警鐘を鳴らしたのだろう。
死ぬことは怖い。だが、生き続けることはもっと怖いことだと感じた。人間の精神は不安定で弱い。だがその代わりに優れた知能がある。しかしその知能のせいで自らを滅亡へ導いてしまった。「永遠の命」なんて自然の摂理に逆らうものを手に入れてはならなかったのだ。限られた時間だからこそ精一杯生き抜く、それが人間のあるべき姿なのだと思う。
山田宗樹さんは書き方がとても上手だ。400頁にも及ぶ長編だったが息つく暇もなく一気に読んでしまった。様々な伏線、思わせぶりなセリフ、最終的に「そうだったのか!」と気付かされる。クライマックスでは結果を先に見てしまわないように行を手で隠しながら読んだ。本当に面白い。
最初から最後までドキドキさせてくれた。夜も徹するくらい夢中になってしまった本に久しぶりに出会いました。色んな人に薦めたいと思います。
今回、山田宗樹さんの作品は初めてだったのですが、もっと他の作品も読んでみたくなりました。これからも頑張ってください。応援しています。
マリちゃん さん (20代女性 学生)
ぐいぐいひきこまれた。日本はどうなってゆくのだろう…?古くから不老長寿を願う人は多かった。それが現実となり、生き続けられるようになったら、果たしてそれは幸せなのか?「死」は悲しいものではあるが、期限があるからこそ「生」を輝かすことができるのだろう。この小説にはメッセージが散りばめられている。中でも私に印象深かったのは、周りに左右されない考えをもつ人物の存在だ。いつの時代も、みんなが受けるから疑問をもたずに処置を受けるのではなく、人間的な老化を受け入れるヒトがいる。人それぞれで、重きをおく事柄は違ってくる。ずっとキレイでいたい人もいれば、容姿には目もくれず、勉学に励む人もいる。この物語の人たちは、本気で国のためを考えている政治家と自分の未来を考える一国民の視点がバランスよく書かれている。私がこの世界に生きていたら、どういう決断をしただろう?あなたは、大きな分岐点で何を考え、どんな行動を取りますか?

好きなシーンは、佐田らが仁科ケンを呼びに、バーに来た場面。いざというとき、肩書きは何の意味もなさない。自身がつみあげてきた鍛錬による風格でしか、太刀打ちできないのだ、という思いを強くしました。
それにしても、とてもどっしりと、重みのある内容でした。死にたくないという焦りや死への恐怖が私にはあります。しかし、祖父は毎日穏やかに笑い、いつ死んでもよいと言います。私はどうしたら、腹がくくれるのか疑問でした。しかし、百年法を読んで、自分なりの答えが見つかりました。私はまだ自ら働きかけて、やりたいことを実行していないから怖いのだと。また、私は大学という枠組みと学生という身分に守られ生きています。自ら切り開いて行動していないし、一日一日が勝負だという覚悟がありませんでした。
作中の主人公たちの決断に勇気づけられ、同時に彼らの抱く不安や迷いに助けられました。非常に面白かったです!
コタツ さん (20代女性 学生)
 彼らの顔を想像しようとして、戸惑う。生き過ぎて疲弊した人々。国の中枢で争う政治家たち。その姿が皆、20代のままだと言うのだから。からだを取り残して中身だけが朽ちていく、「若者」の群れ。それは何と気味の悪い光景だろうか。
 そうであったから、病や老いていく人間、そして物語の終わりに、心底ほっとした。これで良かったのだ、と。人の死に安心するなんて残酷かもしれない。けれど、永遠が断たれたことはきっと、正しいことだった。永遠ってそんなに良いものじゃない。果ての見えない道の上にいるひとは皆、終点が示されるのを待っている。そう思ったし、そうであったら良いと、思った。

 山田宗樹さんの小説を読んだのは、実はこの『百年法』が初めてです。だから上巻を開くときは恐る恐るで、でも、そんなのは最初だけでした。下巻に入るころにはもう夢中で、息継ぎなしで最後まで読み切ってしまいました。
 決して軽くない、むしろずっしりと質量のある物語なのに、容易にその中へ入っていける。それは、私たちが見ているこの世界にとても近いからなのだろう、と思いました。起こっている出来事が、というよりも、人間や、その行動が。
 こんな素晴らしい作品を生んでくれて、有難うございます。ほかの作品も、読んでみたいと思います。
葉月 さん (20代女性 学生)
『百年法』を読んで
人が老いない身体を手にしたら―そんな仮想世界が舞台である今作品。生きることの意義、死ぬことの意味、そして未来について考えさせられました。
 特に登場人物達の心理描写が精緻に描かれているように感じました。身体は老いずとも精神的に老いていく人々の様子、死なないことへの欲望、不安、狂気。結局死ぬことも死なないことも同じほどに恐ろしいことなのかもしれない。また、外見が老いないからこその夫婦や親子関係の空虚化、逆に親との近親姦の可能性の示唆、また、上下関係の定義づけの複雑化からの人間関係の困難さなど、実際にHAVIが実施されたらこのようになるのかもしれない、とうなずいてしまいました。
 また、現日本国家についても考えさせられる作品でした。出てくる政治家たちの優柔不断、事なかれ主義、国の利益より自分の利益追求など、今の日本を映し出したような場面が多く、目をそらしたくなりました。だからこそ、笹原や遊佐などの今の日本にない姿勢をもつ人物に惹かれ、今の日本に足りないものは、有無を言わせず引っ張ってくれるリーダーシップをとれる人材であることを痛感しました。トップに迷いがあるのに、どうして下の者がついて行けるでしょう。
 上下巻というボリュームながらも一気に読んでしまう魅力があり、時々ぞくっとさせられながら読み切りました。
ふくちゃん さん (10代男性 学生)
久しぶりに上下巻一気に読むことが出来ました。サスペンスともSFとも違うこの作品。登場人物への感情移入がしやすく、よりリアルに作品を感じることが出来ました。ラストスパートのかけかたは圧巻です。あくまでも「リアル」に。あくまでも「人間らしく」。命の意味と人間の人生について深く考えさせられました。
迫り来る「期限」とそれへの「恐怖」。人間は何のために生きるのか。重さというより深さの一冊。
とっても面白かったです。ズンズン売れて、完璧な映像化を期待しています!!
愛されマツコ さん (30代女性 会社員)
「隣の芝は青く見える」とはよく言ったもので、人間とは本当に無い物をねだる、欲張りな生き物。永遠を手に入れたとなればその終わりを望んでみたり、終わりが訪れるとわかったら必死に足掻いてみたり。小さい頃、世界児童文学大全集の類が大好きで色んなシリーズを読み漁っていて、昔の人は不老不死への強烈な憧れを持っていたんだなと感じて、それは一体何故なのかと疑問だった。幼い私は「死」とかよくわかっていなくて、明日が来ないかも知れないなんて考えは過りもしなかったし、「生」が有難いとか有限だとか、そういった死生観が育つような出来事に遭遇することがなかった。「『不老不死が欲しい!』ってまたこのお願いかー」と思っていた、ある意味幸せな、日本の子供だ。山田氏が描き出す登場人物達には、自分達の生死がかかった百年法の施行に際して各々に異なる状況があり、総合してとても客観的な視点を持つことが出来た。先ずこの世界では、私のような疑問を持つ子供は育たなかっただろう。それが幸せか不幸せかは別として、とにかくもっと早い時期から個人の死生観が育つだろう社会があった。死生観は、結婚観やらなんやらの全ての価値観に影響してくる。不死ならば、子孫を残すことを気にしないだろう。不老ならば、配偶者を持つことの意味が変わる人も多いだろう。話の途中で憲法が一事停止となり、これまでの常識が常識でなくなるんだという局面があったが、死生観が変わるということはそのくらいの大きな変化をもたらすことだと言っても大袈裟ではないと思う。私なんかは、正直なところ、去年くらいまで死生観が全くというくらい無かった。あまり後悔もなく、無計画に、とにかく現在だけを生きてきたので、いつか死ぬんだとか、若さは長くは続かないんだとか、そういったことにさっさと気付いて行動してこれたら良かったなと思う。「百年法」の世界で生きていたら、きっと抱くことはなかったであろう、贅沢な後悔。
生きるってどういうことかと考えた。生を継続する為だけに日々を消化しているような惰性的な生き方でも生きてるって言っていいのかな、とか。両親が名前に「生」という漢字を入れてくれていて、「百年法」を読了したら授かった名前の重みがズシッと増した気がした。
私にとっての一読目の「百年法」は、未来へと確実に繋がっていくことになる現在への、そこで今を生きている私への、日々見聞きする時事と絡まり合ってとても無視することなんて出来きるわけもない、鳴らされるべくして鳴り響いた警鈴だった。
小野寺由紀 さん (60代女性 主婦)
不老(不死): 古今東西、時代を問わず、人間(特に時代の権力達)が何よりも手に入れたいと願いながら決して叶わなかった、人間にとっての永遠のテーマそれを扱っている 「百年法」 とても興味深く手に取りました。
冒頭1ページよりの優しげな語り口に思わず引き込まれ、次々とページを捲りこれは何だろう? と思った瞬間 本題に!  山田宗樹氏の世界に引きずり込まれてしまいました。
人間にとって 納得出来る「死」 などというものは(特殊の場合を除いて)殆んど無い様に思えるし、不老(若いままでい続けること)は 昨今のアンチエイジングの流行を見ていると多くの人達の大いなる願望であるだろう とは思うが…
人間の欲望には限りがなく 時代が変わろうと 常に 権力を持った者と持たない者
能力を持った者とそうでない者 若さと老い 等を比較し続け より多くより高く そればかりを望んだ者達が、その世界がどうなっていったのかは歴史を見ればあきらかなのに…
この小説は 限りない人間の欲望、奢りが 人間としての範ちゅうを超えさせ、その結果に苦しみ戦いながら未来に希望を託す 「人間再生」 の物語であると感じました。
作者のスピーデイーな場面展開、描写が 読み手の心を掴んだまま最終ページまで読みきらせてしまう サスペンス、エンターテイメント ストウリーテラー どう表現したら良いか分かりませんが、その全てを、それ以上を含んでいると思えました。
ナッキー さん (30代女性 主婦)
とーーーーーーーっっっても楽しく読ませていただきました。
特に。
ストーリーがいろんな角度から徐々につながっていく感じがとてもよかったです。
ある意味、何回もどんでん返しをくらったような…読みながら「はぁ〜、そういう風につながっているんやぁ〜」と何度声に出して言ったことか…(苦笑)
フィクションを読んでいる、と頭の中ではわかってるのに、時々ノンフィクションを読んでいるかのような錯覚に陥るぐらい、今の日本の政治の現状を書いてるような…そんな作品でした。
政治やマスコミや、でも恋愛要素やその他いろいろ…本当に読んでいて息つく暇もないくらい、面白かったです。

私が最も印象に残った場面は…第4部終章です。仁科ケンの言葉が、とても心に響きました。
私自身、あまり政治に興味がなく、テレビで何かが可決されるのを見聞きしたりしても「ふ〜ん、そうなったんやぁ〜。」としか思ってなく、どうせ政治家が決めてくれるし…と思ってました。
が、この物語を読み終えて、もう少し政治に関心を持ってみようかなぁ〜という気持ちになりました。
『百年法』、題名からしてとても興味をそそられ、あらすじを読んでますます読みたい衝動に駆られ…。読み終わった今…想像を超える面白さでした!!!!!
読むことに熱中しているのを見た家族は、私の横を通るたびに「そんなに面白い(^^)?」と何回も聞き、そのたびに笑顔で「最高に面白い!」と言い続けてました。
いつ、映画化やドラマ化してもおかしくないくらい、いい物語やと思います。

うーみん さん (50代女性 主婦)
人間が地位も名誉も財産も手に入れたときに求めるであろう「不老不死」。
処置後百年を以って生存権をはじめとする基本的人権を放棄しなければならないという。法で定められたルールがあるのだからHAVIを受ければいいじゃないか、夢物語のようだと思い読み始めた。けれど、百年が経ったからといって死ねるだろうか?
読み始めて直ぐに自分に問うてみた。HAVIを受けるのか、百年後に死ねるのかと。フィクションだと理解した上で読み始めたはずなのにグイグイと引き込まれ、あたかも自分が作中の人物であるかのような錯覚を覚えた。
テレビで朝一番のニュース番組を見ながら私はHAVI関連のニュースを待っていた。暫くして「そんなものがあるはずがない」と気づいた。
一気に読んでしまいたいと思いながら、読み進むことが出来なくなった。「自分ならどうする?」という問いかけが頭から離れなかった。最近忘れていた「覚悟」という言葉をひしひしと感じることができた。読む楽しさと考える楽しさを一度に味わうことが出来た素晴らしい作品。読んで良かった。
久々に素晴らしい作品に出会えました。たくさん感じて、たくさん考えました。これからも考え続けると思います。
一人でも多くの方に読んでいただきたいと、心から思います。
だいのっち さん (20代男性 学生)
読み進めるうちに、とてもリアルな内容に嵌ってしまいました。50年後には実際に開発されているかもしれない「HAVI」や、国民に義務付けられているかもしれないIDカードなど。自業自得の運命にならないように、今をしっかり生きるということを考えさせられました。ぜひ、映像化してほしいと思います。
これからも素晴らしい作品を期待しています。

ノリ さん (40代女性 会社員)
大変興味深いテーマで、ワクワクしながら読み始めました。特に一般市民達の描写は読み応えあり、面白かったです。
読み応え有る上下巻でした。今後も、一歩も二歩も先を行く発想力を駆使して、素晴らしい作品で読者を驚かせて下さい。応援しています!
邦芳 さん (60代男性 会社員)
古くは秦の始皇帝以来、時の権力者が求めてやまない不老不死。不老不死などありえないこととは思うが、人間の欲望は常に混乱を生みだします。人間も生死の新陳代謝があってこそ社会が若さを保ち、老いることなく未来永劫が約束されるのではないでしょうか。
100年法をめぐる攻防は、まさに今の消費税問題、原発再稼働問題、今の生活を優先するか、将来の子供たちへの遺産を優先させるかの問題と同じと強く感じました。
あまりにも現実とかけ離れたばかばかしさもありますが、ついつい時間を忘れて読み続けてしまう面白さがあります。
「嫌われ松子の一生」とは全く異なる筋立てのSF大作。これからも世の中に面白い作品を発表してください。
なつみかん さん (40代女性 主婦)
上下2冊でかなりの厚みがありましたが、先が気になり、ほとんどぶっ通しで読みました。間違いなく、今年読んだ本の中で忘れられない本になると思います。
2048年のシーンから始まるので、最初は、自分とはあまり関係ない近未来小説か、SFなのかと思いました。しかし、実際読んでみると、今の自分、未来の自分に深くかかわってきて、大変考えさせられる内容の物語でした。
不老不死の処置を受けられるようになった日本で、ほとんどの人はその処置を受けます。しかし、一方、その処置を受けることをせず、普通に老化して死んでいくことを選ぶ人もいます。来月50歳になる私は、この物語の中のように、もし不老不死の処置を受けられるとしたら自分はどうするだろう…と深く考えました。
「不老不死」という一見夢の実現のような事態に、多くの問題や闇が隠されています。本書は、それを一つ一つ丁寧に取り上げ、驚きのラストにもっていきます。
また、この本には、多くの魅力的なキャラクターが登場します。彼(彼女)らの行動や思いが、この物語をいっそう深く切ないものにしていると思いました。
「自分のために、また他人のために生きること」「死ぬこと」「自分の思いを貫くこと」「家族」…たくさんのメッセージが込められている本でした。作者の圧倒的な筆力に感銘しました。
面白くろく、かつ私たちの心に警鐘を鳴らすような壮大な物語でした。読みごたえもありましたし、非常に余韻が残る物語でした。『ランチブッフェ』のような軽妙な短編集も好きですが、また、このような重厚なテーマの物語を書いてくださいますよう、心から応援しております。
Fフロップ さん (10代男性 学生)
今の日本の抱えている問題を、百年法と新技術による永遠の命によって支配された日本、という場を借りて体現したような作品。そんな印象を受けた。
 人が不老になったことによるさまざまな弊害、その中での人の死、政治、国際問題etc……。それらの一つ一つが合わさり、これ以上にないリアルな日本を作り上げている。そして、この一見すると私たちの暮らす日本とはかけ離れた日本が、私たちが暮らしている日本と共通の様々な問題をかかえているのである。
 私は、この作品を単なる小説と思えない、私たちの日本の行く末を見ているような気がしてならないからである。
 最後に、私はこの作品は作者のメッセージであると思う。作者が日本をどう見てどう思っているのかがうかがえる作品、これからの日本について、これからの日本がどうするべきか。そんな作品である。
 山田さんの作品は今回初めて読みました。政治に対する洞察力などすごいと思いました。
 心残りなのは、これまで山田さんの作品を読んだことがなかったこと。山田さんのことを知ってから読んだら、もっと違う何かを感じることができたかもしれません。
あきよ さん (40代女性 主婦)
記憶力と想像力をフルに働かせて読む、今までのなかで、いちばん面白い作品だと思う。そして、何度も読み返すほど、面白さが増してきそうだ。
今、私たちがいる現実の世界とは別の何処かで、偶然なんかじゃない人の出会いも含めて、実在する世界だと思ってしまうような、リアルさを感じる。
けれど、やっぱり私は、不老不死でない現実に生きていることが、幸せだと思っている。人間は、いつか死を迎えるからこそ、喜びや希望や生きがいを感じ、また悩んだり考えたり、苦しんだりする人生を送ることができる。『死があるからこそ、生が輝く』その通りだと思う。
ストーリーのラスト1行最後の4文字に、心奪われた。
b小説を、こんなに真剣に丁寧に必死に読んだのは、初めてかもしれません。
わたしは、山田宗樹さんの「言葉」が好きです。ストーリーの中で、信頼関係にある人たちの会話に、ふっと笑みがこぼれたり、胸のここんとこにグッときたりします。また、比喩的な表現や、時偶顔をみせる遊び心を感じる「言葉」も、この上ない愉しさです。
これからも、山田宗樹さんの世界観溢れる作品を、気長に待ち続けたいと思っています。


まあさ さん (50代女性 自営業)
読了後、“覚悟”という言葉が頭から離れなくなった。この作品を読んで、これこそが人間にとって必要なものだと思ったからだ。国を動かす力を持った人々、会社もしかり、学校も家庭でさえも、ここぞと言う時は覚悟を持って動くべきだと。
そして、ここ数年考え続けてきた、「何のために生きているのか」という問いに対する答えも見つかった。「次世代の人々へ何かを継ぐため」だ。世界を継ぐ、国を継ぐ、大きなことばかりではない。個人個人、何か「継ぐもの」があるはずだと思えてきた。たとえば私。本好きに育ててくれた、今は亡き父母に改めて感謝の心を持った。自分に自信がない私も、子供たちが本好きになってくれたことだけは、「何かを継ぐ」ことが出来たんだなと、心の片隅で少しほっとすることが出来た。
「百年法」・・・人間の死、欲、覚悟。法律で死ぬのは幸せな訳はない。生きとし行けるものすべて、毎日死に向かって生きている。「老いとは、毎日死ぬこと」「致死率100パーセント」という言葉に偽りはない。人間の死は国家が決める物では決してない。
終章の日本共和国第4○○、△△の言葉は、本当に心に沁みた。(読んでない人に落ちがわかるので△で)すべての人に読んでいただきたいと思う一文であった。これが作者からの、今の日本人へのメッセージなんだと思った。
私の人生も色々あった。今も困難が付いて周っている。それでも、『楽しく生きよう、辛くても微笑んで生きよう。見せるべき場面に遭遇したら、“覚悟”を見せて胸を張ろう。そして、死ぬ時が来たら、「う〜ん、楽しい人生だった」と笑って死のう!』
百年法は、近年の社会の出来事、事件があちこちにちりばめられていました。そして最近、長〜〜い名前の新党を作った方はじめ、日本を背負って立つと思っている政治家の方々に、ぜひ読んでいただきたい作品だと思いました。
影虎 さん (20代男性 会社員)
最初は政治的で難しそうな本だと思っていましたが実際に読んでみるとそんな事は無くとてもスラスラと読める本でした。百年法、とても面白いです!
西暦2048年に実際、日本がこのような状態になると思うと、とても怖いと思います。不老化も良いですが...やはり普通に生きていたいものです……深く考えさせられる作品でした。
この本を通して山田宗樹さんに惹かれました。今後も山田宗樹さんの作品を読んでみたいと思います。これからも頑張ってください!応援しています。


好きな場面はm上巻 第3部 第一章 遠雷 です。爆発を通して、百年法について考えていく場面が好きです。その時の遊佐章仁のセリフや仕草が格好良いものばかりだからです。

そして好きな登場人物は、やはり遊佐章仁です。
物語の主人公的な存在なのでとにかく格好良いと思います。
百年法について真剣に考えている際の遊佐章仁が大好きです。



はてなっち さん (10代女性 学生)
『百年法』、この小説にはとにかく考えさせられた。自分だったらどうするのか、HAVIを受けるのか受けないのか、百年法に従って死ぬのか、拒否者となるのか。この小説の中にも、様々な選択をする人がいたが、そのどれもに理由があり、その理由もすごく分かるな、と思った。正解も、不正解もない問題なのだろう、と。
今、世界は急速に発展していて、日本もその中の先進国のひとつだ。今はHAVIのようなものも、百年法などもないが、これから先、全くあり得ないこととは思えない。自分と完全に切り離して読むことができなかった。だからこそ、いろいろなことを考えさせられたし、見つめなおすことができたように感じる。命とはなんなのか、死とはなんなのか、また、生きるとはどういうことなのか。読んだ人それぞれが、それぞれの感想をもつことと思う。
百年法、今までにない作品でした。面白かったです。多くの人が、この本を手にとってくれることを願います!
ワド さん (20代男性 会社員)
百年法という不死になりながらも100年後に死ななくてはならない法律をめぐってのやりとり。仮定の法律があった場合の話をこんなにも考えられるとはっ・・・
又、ころころ変わる主人公や時代。主だった人々が、物語が後半に行くにつれて絡み出す。それぞれの人物が繋がったのが分かった時は実に楽しかった。
読みやすい文章でなかなか休める暇がなく、一気に読み上げてしまいました。ここまで引き込まれるとは思いませんでした。
僕は死ぬのが恐いです。すぐHAVIを受ける人だと思います。でも人が死なない場合どうなってしまうか、という考えもあるんですね。深く考えさせられました。

初めて山田宗樹さんの本を読ませていただきました。他の作品は読んだことが無く分からないのですが、百年法を読んでファンになりました。他の作品も是非読んでみたいと思います。
次回作もあれば「サンダー・バズーカ・アームストロング・マグナム」のようなガツン6とくるような作品を期待します!(笑)
レイ さん (30代女性 主婦)
山田宗樹さんの本は『』嫌われ松子の一生』しか読んだことがなくそのイメージで読み始めたら良い意味で大きく裏切られました。こんなに壮大で大胆なストーリーだとは。
始めの数ページでぐいぐいと引きこまれたのは久しぶりです。「これはとんでもない本を読み始めてしまったかもしれない」と思ったのが第一印象でした。
ボリュームがありますがテンポよく流れるような登場人物のセリフのせいか映画を観てるような感覚。夢中でページをめくりました。
細かい背景が丁寧に書き込まれているので近未来的な設定でもすんなりと話に入り込めます。オートカプセル、アイズ、グリップにはワクワクしました。
電化製品から政策まで中国や韓国に大きく遅れをとる日本共和国。食糧難で世界的に昆虫食を導入、IDで国民一人一人私生活含め監視可能などぞっとするけど、もしかしたら実際に数十年後はこんな世界になってるのかもしれない。
人は誰もが健康に老いるのを理想としているけど、はたして不老不死の身体になったら…
百年法に抗う人々を責められるだろうか。ましてやゆるやかに身体が老いるでもなく若い身体のままならなおさら生に執着してしまうだろう。
でもそれでは増え続けるだけの人口で国が破綻してしまう。
いったいどういった結末になるのか、結末が早く知りたいようなでもまだ読み終わりたくないような不思議な感覚でした。それにしても下巻の後半はまさかの展開に驚きの連続。「! そうきたか…」、「え、今度はそうくる?」そしてラスト。唸りました。
読み終わった後はほぅっと自然とため息がでるような。読んだ後もしばらく百年法の世界に浸ってしまいしばらくぽーっとしてしまいました。
寝る間も惜しんでページをめくった小説は久しぶりです。間違いなく世間を賑わす話題作になるだろうなと確信しています。本を読む人はもちろん、普段本を読む習慣がない人にもお勧めしたい作品です。睡眠時間が少なくても幸せでした。これからも応援させて頂きます。
宅配便 さん (30代男性 会社員)
日本の為に懸命に努力する登場人物たちの姿に、感動しました。
設定が、あまりにも突飛ではと、最初思ってましたが読むうちに引き込まれてました。映画化希望します。きっと、熱い男たちの映画になると思います。
これからも、すばらしい物語をお願いします。

コイケ さん (50代男性 自営業)
ひとことで言うと、とても面白かったです。「不老」が実現して誰もが若い姿のままでいられる社会、という設定自体は決して目新しいものではありませんが、今の時代を戯画化したような日本社会(韓国・中国製品の方が高性能、とか)の設定にリアリティがあり、ぐいぐいと引き込まれました。特に興味深かったのは、長い年月の中で「変節」する人の姿です。高邁な理想を掲げ、世の中のためにのみ生きようとしていた者が、長く権力の座に居座り続けるうちに自分の保身を第一に考えるようになる━━。これは我々が住む現実社会でも往々にして起こることですよね。それを浅ましいと見下すのは容易ですが、自分が実際にその立場になれば、同じように利己的な行動を取るかもしれません。『百年法』は常に「自分ならどうするか」を考えながら読むタイプの小説であり、そこに面白さを見出せる方々には大いに支持されると思います。 山田氏がテーマとして掲げたのは「我々は次の世代のために何をするべきか」ということではないでしょうか。もちろん、これには昨年の大震災及び原発事故の影響が大いにあったでしょう。そして、山田氏は自らが掲げたテーマに正面から真摯に挑み、明確な回答を提示してくれたと思います。だからこそ読後には一抹の淋しさと共に幸福感、清涼感を得ることができるのでしょう。少なくとも私は、とても満たされた気分になりました。
いちばん好きな人物は、やはり仁科ケン。でも、最も惹かれたのは、遊佐です。上にも書いた通り、上巻のラストでは完全に感情移入していました。
そして終盤、かつての熱意を甦らせて次世代のために策をめぐらすあたりは、読んでいて胸が熱くなりました。
『百年法』は映画化しても成功しそうですよね。同じように「登場人物の見た目がみんな若い」という設定のハリウッド映画『TIME』が少し前に公開されましたが、『百年法』を上手く脚色すれば、あれ以上の作品になる可能性は大いにあります。もちろん、角川映画で! 登場人物がみんな若いわけですから、旬の若手スターもたくさん使えそうですね。