いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

はだかんぼうたち

■第30回モニター「はだかんぼうたち」江國香織

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

りょーこ さん (20代女性 主婦)
文章が流れるようできれいです。一人称がどんどん変わり、登場人物それぞれの視点で物語を読み進めることができます。読んだ感想としては、「関係」に名前をつけるのは簡単なようで難しいと思いました。私は、一人の人間でありながら、主婦であり、母であり、娘でもあり、それぞれに名前をつけられるから生まれる制約もあり、それに安心する人もいれば、それに何の価値も見出せない人もいる。私自身は、今の主婦である自分に守られていると思うから、「関係」に名前をつけてしまう人なんだろうなと思います。でも、それは、制約も多くて少し人生をもったいなくしているんじゃないかとこの話を読んで思いました。

●共感した登場人物
桃。
常識的でありながら、陽や鯖崎のような破天荒な部分ももちあわせているところ。多分、鯖崎のことを理解していると思いながらも実は理解し切れていないところ。自由に憧れながら殻をやぶりきれないところ。一番、身近に感じました。

女性に読んでほしい、共感できる部分がたくさんありました。恋愛小説のようでありながら、母と娘のありかた、夫婦のありかた、人が生きるということなどたくさんの要素が詰まった話でした。是非、たくさんの人に読んでもらいたいと思います。
らさ さん (30代女性 自営業)
江國香織さんの作品は、どれも大人のファンタジーだと思います。一般的に見れば、眉をひそめられたりするような生き方をごく自然に、なんのてらいもなくやってのけ、幸せに生きている人たちの物語。自分をかざることなく、まさに「はだかんぼう」のままで生きている彼らは、きっと、とても強い人たちなのでしょう。実際にこういう人とお近づきになりたいか、こう生きてみたいかと言われると少し悩みますが、こういう世界があってもいいなあ、と思いながら読みました。

●印象に残った場面
離婚のきっかけになった愛人が、離婚が成立した時にはすでに死んでいた、ということを知った元妻が乗り込んできた場面。「これは元妻ショックだよな〜」と、ひたすら元妻に同情した。

●共感した登場人物
陽。年代が近い、ということもありますが、こういう風にマイペースに生きてみたかったなあ、と思いました。羨ましい。

思うように生きてみたかった、でもかなわなかったという大人の女性に、読んでいただきたいなあと思います。ひととき、自分が行きたかった世界に入り込み、楽しみましょう。
かび さん (30代女性 会社員)
登場人物何人もの視点から描かれていて、それぞれが独立しているけど少しつながっていて、そんなにいっぺんに何人もの思いを書くなんてすごいな、と作者のすごさを感じました。

●印象に残った場面
九月の終わりの桃と鯖崎の電話でのやり取りの場面。
桃が鯖崎に「会いたかったのに」、と過去形で言ったことに対して、鯖崎が「ヒビキちゃん会いたがってたよ」と言うところ。自分が女なので女の桃の立場になって考えてしまうが、今後の鯖崎との関係について自分の気持ちを抑えていくというか、嫉妬などとは無縁なドライな関係でいよう、というような決心がつくやり取りだな、と感じました。そう相手の気持ちを持っていく鯖崎の巧さも感じました。

●共感した登場人物
桃。最初に登場したから何となく主人公な感じがして、桃を中心にして読んでいたから。年齢も近いし性別も同じだから共感できたのだと思う。

すごい激情とかを感じる内容ではないが、ふわーっと読み進められました。
多くの登場人物が別々の立場で別々の思いを抱えて生きている様子が、淡々と場面を変えて描かれていて、上手な描き方だな、と思います。
REDMOON さん (30代男性 無職)
日常の中で己の気持ちを埋没させてしまう人、誰かと出会うことで自分を見つけた人、様々な人たちがつながり、離れていくことを描かれている。
そんな作品の登場人物たちがつくる関係性というのは、どれもこれもが頼りなげだ。しかしながら切れるというわけではなく、切れないからこそ、もがいたり、惹かれあったりする。大人になってからも青春をしているような感じだ。
そして、タイトルの『はだかんぼうたち』というのは、見栄、世間体とか関係ない自分の心、あり方を見つめている人たちのことを指しているように思えた。

●印象に残った場面
「知っていたよ、そんなことは」
全てを捨て全てを失った山口が、捨てた妻に自らの本質を突きつけられる。普通だったら動揺したり否定するのだろうが、自嘲でもなくあっけなく受け入れるということになんとも言えぬ深みを感じる。

●共感した登場人物
響子
幸せであることが出来るのに、少し「何か」が足りないことで家族との間に壁が出来てしまう。響子は何か悪いことをしたわけではないが、その行動次第で、作品に出てくる人たちの多くが悩むことはなかったかもしれない。そんなキーパーソとして見ると面白い。

江國香織さんの本を読むのはこれが初めてですが、(映像化したものは見たことあるが)、とってもナイーブで、切れがいい文章は素敵です。さながら詩を読んでいるような感覚です。どの登場人物にも感情移入が出来る。この作品を読めて本当に良かったと思いました。多くの人がこの作品を読んで、魅力的な『はだかんぼうたち』の繰り広げる人間ドラマを味わってもらいたいですね。
M.I さん (30代女性 会社員)
自分や友達にありそうな、日常な恋愛、自分にも重なる小説。
登場人物が交差し、恋愛と共に友情や夫婦生活・親の世代までの話が連なっている。
シェアハウスや相手を1人としない自由恋愛、ネットでの出会いや熟年離婚、現在だからこその状況と人物の本音が理性だけでなくとっても正直。
私も桃みたく、魅かれる女性でいたいし、心を自由にしていたいと思いました。

●印象に残った場面
鯖崎の驚き方は、ほとんど滑稽だった。え、と小さな声をだしたあとで、エーッ、と、今度はカタカナの響きで大声をだした。漫画みたいな動きで別途にがばりと上体を起こし、裸のまま桃の顔を見上げた。桃は立っていた。ベッドの横に、やはり裸で。
「まじ?別れちゃったの?石羽さんと?」
嬉しそうには見えなかった。
「桃ちゃん、大丈夫?」

●共感した登場人物

鯖崎が好きなのに
気持ちを抑えたり、見ないふりをしたり、
気になっても聞けなかったり、石羽の楽さに寄り掛かったり、
そうそう、人の気持ちってこんな感じという所。

ドラマの脚本のように登場人物の動きが見えました。
桃がどんな人か、鯖崎の見た目はどんなのか、ヒビキの魅力って?可視化したくなりました。
こひな さん (30代女性 会社員)
タイトルからもっとガッツリ恋愛小説なんだと思って読み始めました。
桃はもっとマイナスな感情が生まれてもいいんじゃない?陽には愚痴ってはいたもののあっさりしているなと不思議な気持ちになりました。
それぞれの視点で物語が進んでいて誰かに感情移入すつということなかったけれどそれぞれの人間関係を楽しめました。

●印象に残った場面
由紀と陽、響子と未来の母と娘の関係が気になりました。
反抗期に母親に冷たく接することはあったとしても、恐いと感じさせるほどのことって自分には無かったので想像ができませんでした。今までの積み重ねだったとしてもそれがなんだったのかもう少し掘り下げて欲しかったです。

●共感した登場人物
詠介は素敵ですね。家族が思いやりを感じられるような表現ができる人ってなかなかいないと思います。特に“お父さん”という立場の人が表現できてるのはすごいなと思いました。

普段あまり恋愛小説は読まないのですが、今回のモニターで読んでみて意外と自分にも読めるんじゃないかと思うことができました。
他にも恋愛小説を読んでみたいと思います。きっかけをありがとうございました。
こうっち さん (30代女性 無職)
女親子(成人した娘との関係、未成年の反抗期に入りつつある娘との関係)、親友、恋人ではない彼、たくさんの人の人間関係がうまく描かれている一冊だと思いました。母親世代の女の生き方、今の女性の生き方、時代の変化とともに変わって行くにつれておこる両者のフラストレーションなど、とても興味深かったです。

●印象に残った場面
「え、うそ?まじで?」という鯖崎の台詞。彼の性格がこの言葉で全て表現されている気がします。ここの描き方が、ニクイですねえ。
娘の未来から、何かにつけて母の響子が太っていることを言い立て、軽蔑した目で響子を見ているところ。そして少なからず響子もそれを気にして、ダイエット食品に手を出そうとしてしまったシーンは印象的でした。自分が響子の立場だったら、未来になんというか、どういう風に接するか、どうしたらそういうことをしなくなるのか、子供の世話で自分のことにかまっていられないのに、子供からそんな視線を浴びせられるなんて・・・。報われないなあと感じたシーンです。

●共感した登場人物
鯖崎:彼の図太さというか、本能のままに生きるというのか、身勝手というのか、あきれるのと同時に、興味を持って追いかけたくなる人物だと思います。響子会いたさに、彼女の自宅に上がり、家族の中に入り込んで、隙を見つけて彼女と関係を持とうとするところ。ひょうひょうとしていながら、恋人関係にはならないところ。相手と距離を置きつつ関係を築くところなんか、したたかで計算高くて何とも言葉では表現できない魅力があります。憎いんだけど、許してしまう。実際この手の男にかかわるとロクなことないんでしょうけど・・・。

一冊の中にたくさんの人間関係が凝縮されているのですが、それがスッと自分の中に入っていき、それぞれの登場人物に共感できてしまうというのは、なかなかないと思います。この先鯖崎はどうなっていくのだろう、響子と未来の親子関係は・・・。などと、先を心配してしまいます。江國さんの作品は今回初めて読みましたが、読みやすくて面白かったです。次回作も読んでみたいと思います。
やのん さん (20代女性 主婦)
早く読み進めたいと急いてしまう気持ちとは裏腹に、独特な文章がノンビリと読むことを要求してくるような印象だった
また、たくさんの登場人物たちが日常を生きているさまをコロコロとうつすので、やはり先を急ぐことを許してはくれない 一日一日を生きるようにじっくりと話は進んでいく
劇的な出会いや衝撃的な事件を期待するが、私たちの生きている現実のようにそうそう大きな出来事は起きない
しかし普通のような人生だが、少し変わり者の登場人物たちが送る生活が覗いていなかなかて興味深い
考えの似た人物や違う人物と自分を置き換えて、どんな選択をしようか考えてしまう
きっともっと面白味も無い道を選んでしまうんだろう。なんて考えながら
登場人物たちは迷いつつ、振り回されつつ正直な生き方をしていると思った
それが必ずしも正しいかは別としても 話は最後に少しずつ未来につながる変化があった 希望とも呼べる変化かも知れない 本当にほんのわずかだが 物語なのに何故だか、これからも楽しく事由に生きていって欲しいと願ってしまう そんな作品だった

●印象に残った場面
「みんな、いつまでこんなことをするのかしら」
こんな台詞を自分が吐く時は必ず呆れ顔かウンザリした顔をしているだろう
しかし主人公の桃は、みんなの中に自分を含めるほど、客観的に、そして少しバカバカしそうに、おかしそうに言ってしまう
すぐに答えを出したくなってしまう自分には無理だ
後悔や不安になったりすることすら時に楽しんでいるのかも知れない
自分も笑いながらこんな台詞を言ってみたい
●共感した登場人物
和枝さんだったら
和枝さんが生きていたら
この作品を読んでいる内に何度か考えたことだ
優秀とは言えない響子を愛嬌のある娘に育てたところ
人間関係が得意とは言えない隼人とはどんな関わりあいをしたのか
人に頼るのがうまく、サッパリとした物言い
もっと和枝さんの世界にも触れてみたかったと思った

タイトルが平仮名で「はだかんぼうたち」というのが、とても良いと思いました
まさにそのままで生きている人たちばかりだからだ
でも漢字では無く平仮名の優しい印象なのだ
店頭にどんな表紙で並ぶのかがとても楽しみです
がんばってください

わきた さん (20代女性 会社員)
ルールもゴールも答えすらも求めない男女たち―。
まさにそのままでした。
えっ、ここで終わり?続きは?桃は?ヒビキと鯖崎は?と最後のページを捲って咄嗟にいろいろ考えてしまったけど、確かに恋愛の真実ならば、物語が終わるように終わりはしないだろうと、やけに納得してしまいました。
出てくる人物全員が違くて、違う生活で違う性格で違う恋愛観を持っていて、でも同じ“恋愛”をしている。なんて生々しい男女を描くんでしょう。これ、私の事?と思ってしまう程、この中の誰かに、必ず自分がいる気がします。でも誰なのかは、言いづらいです、きっと、みんな。
“はだかんぼう”すぎて、ちょっと気まずい程です。

●印象に残った場面
「知っていたよ、そんなことは」
と、むしろようやく安堵して。
山口だけは、小さな答えを1つ出したのかなと。
美沙子にとっては、ずるい人だと思う。

●共感した登場人物
誰かと寝ることと誰かと寄り添うことは全然違う。
「いいんじゃない、それはそれで、別に」
そう言ってくれる陽が欲しいです。自分にとっての陽が。
そう思った人はきっと多いはず。

江國さんの作品は女性向きの恋愛小説という先入観で今までなかなか手に取る機会がなかったのですが、いやいや、なんて生々しいんだろう。
こういうのをリアルというんだろうと、今までの「リアル」とは違う、深い深いリアル。
静かな衝撃でした。
ゆこら さん (20代女性 主婦)
にがい。そんな気持ちになりました。
結婚した方が幸せなの?と問いかけ、独りでも得られる幸せという選択肢を示してくれている作品だと思います。「結婚」という束縛から逃れようともがく男女の物語です。
結婚して幸せを手に入れることって案外難しい、でも、独りをつらぬく人生には覚悟がいる。その覚悟ができるならば、たった1人を選ぶ必要性はないかもしれない。そんな風に思いました。

●印象に残った場面
陽と桃の姉妹がそれぞれの彼を実家へ連れてくるところです。それぞれ結婚する気のない娘たちと、なぜ孤独であろうとするのか理解できない母親の平行線状態が鮮やかなシーンでした。母親は自分と同じように結婚して幸せになってほしいだけ。一方、娘たちはそんな母親のようになりたくないという思い。まだ親にはなっていない私ですが、どちらの想いも分かるような気がします。

●共感した登場人物
桃です。冷静で知性があって、経済的にも自立している女性。憧れます。こういうタイプの女性は結婚しづらそうだなと思います。1人の方が似合っているのかもしれません。結婚願望がないわけでないけれど、そこが安住の場所でないと感じ、気楽に愛し合える男性と付き合う関係が心地いいのでしょう。

今読むのと、将来母親となってから読むのとでは、全然印象が変わってくる作品だと思います。20年後くらいに読み直したいです。
陽都 さん (40代女性 無職)
友人のひとり、ふたり、こういう登場人物(女性人)に似ている人がいるなぁーと友人の顔を思い出しながら、だだっと一気に読んでしまいました。
どの人物も自分の欲に忠実で、そこそこ満足している生活、リアルで面白かったです。一人ぐらい、予想外の行動をする人物がいてほしかったなー。少しずつ感情が変化しても動じないし。大人ですね。
未来ちゃんの言動、好きです。子供の中ではどんどん成長してるのが実感できましたし。

●印象に残った場面
「でも、なんでヒビキなんだろう」呟いた桃。
読んでいて私もなんでヒビキなんだろうかと。そんなに魅かれる女だったのかわからなかった。

●共感した登場人物
陽さんが一番好きです。
自分があって、面倒な母との関係はあるが、好きなことに一直線で。

人間の感情がまるはだかな作品。私は感情が相手に対して、さらけだしてる作品好きです。読んでいてすっきりしました。
圭一郎 さん (20代男性 会社員)
まずそれぞれの登場人物が一つ一つのジグソーパズルのピースのようだと感じた。パズルが合わなければ話にならないが、合ったところで次の問題となるのはその隙間である。本編では様々な世代の人物が登場するが年齢が若くなるにつれその隙間が顕著になるというのはまさに現代の人間模様を色濃く反映しているように思う。非常にリアルなドキュメンタリーと感じた。

●印象に残った場面
仮本背表紙に大きく書かれていたせいもあって桃の「みんな、いつまでこんなことするのかしら」が読む前も読んだ後も印象に残っている。また、それに関連して「結婚は解放にならないのね」というセリフにも強い印象が残った。

●共感した登場人物
どの登場人物が好きというよりも描かれている人間関係そのものに好感を持った。由紀が子供たちを見る目等まさに宇宙人を見るようでリアルだった。

こんな事を言うのは野暮だけど続編が読みたくなる作品ですね。応援しています。
mashka さん (20代女性 専門職)
冒頭から雨を使ったシーンがあり、それが静けさを感じさせるのですが、静かながらも「次は一体どうなるんだろう?」と読む者に思わせてくれる作品でした。誰か一人に焦点をあてるのではなく、何人もの登場人物に細かく焦点をあてていたので、飽きることなく最後まで読むことができました。大人になると色々と事情があって、恋愛の仕方も人それぞれなんだと思わせてくれる話でした。

●印象に残った場面
鯖崎が響子と会っていることを陽の家で桃が話している場面で、「でも、なんでヒビキなんだろう」と言ったセリフが一番印象に残っています。冷静に自分の彼氏と親友を客観的にみている桃に、「これが大人の女性だ!」と実感しました。

●共感した登場人物
陽。母親の言うこともすべて無視して家を飛び出し、好きなことをして、人に媚びない姿勢に共感が持てるから。

様々な人間模様があって、大人というものは色々な事情を抱えて生きているんだなと勉強になりました。ルールのない大人の世界をまたのぞいてみたいです。
葉月 さん (20代女性 学生)
江國香織さんらしい作品でした。読みやすい文章で、構成が面白かったです。劇的な何かが起こるわけでもないのに時間は確実に過ぎていく、そういった人生のリアルさを感じました。
登場人物が多く(誰が誰なのかを覚えるのが少し大変かもしれません)、それに応じて視点もさまざまなので、そこも魅力的でした。それぞれの恋愛の形がどのような終着を迎えるのか、作品を読むにつれ気になってしまい、一気に読み終えてしまいました。
正直、今の私には決して共感し得ない恋愛のパターンもありましたが、10年ぐらい経って主人公やそれを取り巻く登場人物の年齢に近づいた時にまた読んでみようと思います。その時には、今より多くの経験をした私の考えも変わっているかもしれません。

●印象に残った場面
結婚は解放にならないのね
この作品のすべてはここに帰結するんだと思います。深いな、と思いました。

●共感した登場人物
鯖崎
もう憧れですね。とても良い生き方をしていて、こんな風になれたらなーと思ってしまいました。
良い意味で、自由過ぎます。自由には必ず不自由が伴うものだと勝手に思っていますが、彼には不自由なんて言葉は似合わないですね。

どちらかというと、大人の女性(アラサー?)向けかもしれないですが、幅広い世代の人に読んで欲しいなと思いました。ぜひ男性にも!
どのようなカバーになるのか楽しみです。本屋さんでチェックします!
ちいはる さん (20代女性 学生)
たくさんの人が出てきて、関係が入り組んでいて、はっとするようなラストもないけれど、それでいいのだと思わされました。そんなのはおかしいだとか、何故あの人に魅かれるのだとか、明確な関係なんて、本当はそれほど意味のないことで、曖昧なものが世の中には溢れているのかもしれないと感じました。

●印象に残った場面
生きていようと死んでいようと、人が他者に期待できるのは、結局のところ「部分」なのだろう。という山口の考えがとても印象に残りました。
  誰かに自分が求める全てを期待するのは無茶な話であるし、自分も誰かに期待されるとおりの存在でいることはできないのだと、年を取って経験を積んできた山口だからこそ感じたであろうその言葉にはっとさせられました。

●共感した登場人物
 山口です。妻子を捨てて女のところへ行ってしまう、美紗子曰く「最低」な男だけれど、和枝のことを想う山口はとても穏やかな人に思えたからです。山口の送る静かで穏やかな日々がとても愛おしく思えました。

多くの登場人物が繋がっていく感覚が面白いです。
かえる さん (20代女性 学生)
異なる幾種類もの女の行動を恐ろしく見事に書き分けている。「女」とひとくくりにする行為の愚かさに改めて気づかされる。登場人物それぞれに共感を覚え、また反感を覚える。読み終えて、各章で主役として登場するすべての女が、自分の人生を楽しんでいることに気付く。女の描き方の緻密なリアルさに対して、男は少しファンタジックに描かれる。

●印象に残った場面
「たのしかったよ。桃ちゃんの家はすごくきれいだから」「桃ちゃんも、きれいでやさしいし。」:煩雑な自分の家やおばさんのように太った母親を嫌がる、「別嬪」の思春期の言葉によって、鯖崎(の心)を奪われた桃の意趣返しが少しかなえられたようで嬉しかったから。

●共感した登場人物
安寿美:若さゆえに少し痛いけれど、一番行動に反感を覚えない登場人物だから。

本当はどの登場人物も好きです。どの登場人物にもすごく感情移入でき、しかしいろんな行動によって勝手に裏切られた気分になれ、自分もまた違う女なのだと実感することができる。面白い作品だと思います。
ゆか さん (30代女性 会社員)
私は、12年付き合った人と結婚しました。
だから、内容紹介を読んだときに読む時期が悪かったのか。と思わず考えてしまいました。
だって、6年付き合った石羽と別れて9歳も年下の恋人とつきあってる桃。結婚して、子供が4人もいて、夫との夫婦仲も悪くみえないヒビキと隼人。ほかにも、みんな、どの登場人物の何かを抱えていて、一言で言ったらドロドロしてる!!読み切れるだろうか。と。
今更、結婚がゴールだとは思わないけれど、それでも、求めてしまうものがあります。毎日の生活や気持ちの安定や、一緒に過ごす普通の日々の楽しさとか。
だから、今の私が読む本なのだろうか。と、思いながらのどんどん読み続けてられました。やっぱり、人は迷うし、ダメだと思うこともやってしまう。たとえ、結婚していてもほかの人に目が向いてしまう。あぁ、別に変なことではないのか、それもありなのか。完璧な人や恋愛、結婚なんてないのね。残念とは思いません。実際に行動するかは別として、むしろ、安心というか、ホッとした自分に驚きました。
私にとって、「はだかんぼう」は、5年、10年たって読み直すべき作品になりました。今の気持ちを忘れずに、また読み直したい1冊です。

●印象に残った場面
「でもさ、僕はヒビキちゃんに電話をかけたんだよ。桃ちゃんに会いたければ、桃ちゃんに電話するよ」
新婚ですが、そんなこと言われたら、心がぞわっとします。

●共感した登場人物
山口さん。
最初は、なんだか冴えないおじさんかなって思ったけど、和枝のことを思い出して布団で丸まって寝ている様子や、娘に強がりを言ってるところが、なんだか切なくていとおしくなってしまいました。農業、頑張ってほしいです。

登場人物がたくさんいて、覚えきれるかな。と心配になりましたが、少しも苦になりませんでした。鯖崎からみたヒビキの様子や、安寿美からみた山口の視線が印象に残りました。ありがとうございました。
カンナ さん (20代女性 主婦)
年齢、性別、境遇の異なる様々な登場人物たちが、各々の甘さやほろ苦さを滲ませながら送る日常。穏やかに吸い寄せられていくような気持ちで読みました。
いくつもの人生を生きることができたのなら、答えがひとつでないのなら、不確かなことやあいまいなこと、まるごと飲み込む生き方もかっこいいかもなあ・・・と思いました。

●印象に残った場面
セリフ 「考え込んじゃうこととか、突然淋しくなこととか、不安になることとか」
まさに、誰の身にも意味もなく起こることだったから印象に残りました。幸せとか不幸せとか関係なくて、生きている醍醐味の代名詞のようなセリフだと感じました。
場面 「安寿美が夜食にオムレツを作るシーン」
このシーンがたまらなく好きで、全部読み終わった後もバターのあまやかな香りとふわふわなオムレツの印象が強烈に残り、なんでだろうと考えてみたところ、桃や陽、響子や鯖崎、山口さんたちの織りなす切ない恋模様が、まるで脆く崩れ落ちそうな、あまやかなオムレツに象徴されるからではないかなあ?と思いました。あくまで個人的な意見ですみません。

●共感した登場人物

「安寿美」
冷静沈着で、情があり、芯の通ったしなやかな、限りない可能性を持つ魅力的な若い女性だと思ったから。

ふわふわと宙に浮くような気持ちで、自分自身が時に男に、女になり、年老いたり若返ったり、いろんな自分を体験できて楽しく読みました。どの登場人物にも共感できる愛しい部分がありました。永遠に続いていくような感じがとてもよかったです。
ナオカズ さん (30代女性 主婦)
生き方や恋愛について一般常識や倫理感といった“装飾品”を着込まず、ありのままの自分を貫き通そうとする、そして一方で、それらを着込んだ人々に揺さぶられる姿は、誰もが心に持っていながらも蓋をしてしまっている憧れのように感じました。様々な“はだかんぼう”が登場するこの話には、少なくともその中の誰かが、読み手の心情とリンクする生き方をしているように思います。
●印象に残った場面
九月のラスト、桃が鯖崎に「会いたかったのに」と伝えると鯖崎の返答は桃の期待を大いに裏切り、彼女はそれを“玉砕”と感じる。
奔放に生きていても、やはりどこかで鯖崎に普通の男女の会話(もしくは、桃の想定するストーリー通りの展開)を求めてしまっている桃が垣間見えたように思いました。一方で、それを認めることなくすねたふりをする彼女も彼女らしかったです。

●共感した登場人物
安寿美さん。彼女もまた、周りの女子大生と同じになれず違和感を感じながら、彼女の生き方を飄々と貫いていますが、若さゆえかまだそれほど葛藤を抱えずに生きているように感じました。
物事の見方も少しさめたような、彼女がこの物語にいることで、はだかんぼう達に巻き込まれすぎずに済んだように思います。

周りと同じことで安堵する人々があふれる中で、この“はだかんぼう”の人物達は周囲と異なることで安堵し、また恐怖しているように思います。様々な人物が出てくるので、その中の誰かが、あなたの代弁者として自分をさらけだしてくれるのではないでしょうか。
アヤトモチ さん (30代女性 主婦)
主人公が誰なのか分からない位、みんな静かな存在感があった。特に男性陣のかわいらしさが良かった。鯖崎の一見ドライなのかと思ったら、やたら響子に惹かれていくとこや山口の流されるように生きてきた末の最後の決意みたいなとこが。
陽と桃は母親に理解されず、なんだか愛されてない気がして可哀想な子達と思っていたけど、最後の諒介の誕生日会で「なんだ、強いんじゃん」なんて思いました。

●印象に残った場面
最後の諒介の誕生日会で、由紀が自分の娘達が理解できずにいるところ。
子供なんて自分の思うとおりにいかないよ!ってつくづく感じた。

●共感した登場人物
陽が不器用すぎて好きです。枠にはまらないのもありかと思うけど、自分には勇気がないし枠にはまってるのが居心地良かったりするけど、陽は自由に生きてる。でもそんな自分にも不安を感じてる気もする。子育て中の身としては未来の反抗が少々リアルでこれから怖ろしいです。

最後はほっこりする作品です。
とまと さん (20代女性 学生)
登場人物ひとりひとりが様々な思いをかかえて生きていて、それがなかなか伝わらなかったり、通じなかったりするもどかしさや切なさなどといったものがとてもリアルに描かれていて、まるで自分の身の回りに起きていることのような臨場感がありました。ひとはなぜひとを愛するのか、じっくり考えさせられる一冊です。

●共感した登場人物
もっとも好きなのは桃です。恋人が他の人へ好意を寄せても、怒ることもしない姿がとても寛容だなと思いました。

江國香織さんの本はいつも読んでいるのが心地よくてあっという間に読み終えてしまうのですが、「はだかんぼうたち」もよんでいてとても心地よくて、あっという間に読み終えてしまいました。ぜひひとりでも多くの方この素敵な本に出会えますように!
おかな さん (20代女性 学生)
人と人との繋がりに正しいも間違いも、決められた枠も名前も限界もないのだ。理性は時にはっきりとした答えや形を求める。しかし私たちが本当に求めるものはそれらになんら囚われない快楽や感情であったりする。『はだかんぼうたち』ではそれらに囚われ、苦しむ人々、またそれらになんら囚われぬことの素晴らしさを覚えてしまった人々が至る所で絡み合う。理性に囚われぬ鯖崎や陽、和枝によって徐々にそこから解放されていく桃や山口、そこに閉じ込められ、解放されていく彼らが理解できない由紀と美紗子、鯖崎によって望まぬうちに理性の外へと連れ出されてしまった響子。それぞれの想いと愛を抱く彼らは皆はだかんぼうだ。人間ってのはこれだから面白い。愛に生きる人々、皆幸せで孤独で美しい。

●印象に残った場面
「もうやだ。私あの子がこわい。隼人にはきっとわからない」
トレーナーに顔をおしつけ、嗚咽したまま訴えたので、隼人の耳はおろか自分の耳にさえ、何を言っているのかわからなく聞こえたが、わからなくても構わなかった。というより、わからない方がいいのだとわかっていた。
「わあわあわあ、ばあばあばあ、べえべえべえ」
隼人が身体を揺すりながら声を合わせて茶化す。茶化されながらあやされた響子が泣き笑いすると、臀部をむんずとつかまれた。

●共感した登場人物
夫だけを具に愛し、その夫にも認められ、愛される由紀。知的で謙虚、男性から一歩引いた日本人女性の美学を体現したような彼女、一方でその真逆の道を行く2人の娘達に戸惑う。その生き方は美しく、理想的で、悲しい。幸せに閉じ込められた彼女の生き様に強烈に憧れる。

『ウエハースの椅子』以来の隠れた名作となること間違いなし!です。ルールもゴールも答えさえ求めぬ強い現代女性に前を向かせ、何らかの指針を与えてくれる一冊。
ありんこ さん (20代女性 学生)
恋愛における幸せって何だろう、と考えさせられる小説でした。例えば「付き合っていなくても幸せ」と思える人もいるし、「付き合わずに男女の関係を持つことはありえない」と考える人もいるからです。この小説では、こんな風に正反対の考えを持っている登場人物たちが当たり前のように存在しています。様々な考え方を持った登場人物たちが、自分の考えにのっとって行動しています。
そのせいか、垢抜けた感じの雰囲気の小説でありながら、登場人物たちのドロドロした感情をはっきりと描写しています。恋愛ってもっと楽しくスマートだと思いたいのに、この小説はそれを許してくれません。登場人物たちが、あまりにも自分をむきだしにして生きているので驚きます。「はだかんぼうたち」というタイトルを読んで、この小説にぴったりだな、と思いました。

●印象に残った場面
”未来が見ていないのをいいことに、石羽が桃を抱きすくめたのと、ヒビキが、「鯖崎くんが来てくれたから助かったんだけど」と言うのと同時だった。”
・理由
それぞれの願望や思惑が絡まり合って、予想できない姿で物事がストンと落ち着いたと感じたから。私は、桃が本当に抱きすくめて欲しいのは石羽ではないはずだし、響子が助けてもらう存在は隼人であるべきだと感じた。現実にも、このような形でストン、と思わぬ方向に物事が進んで落ち着いてしまうことがあるんだろうな、と想像してしまった。

●共感した登場人物
・人物:鯖崎
・理由:自分とは全く異なったタイプの人間だから。(だから共感はできないけど、とても気になるし好きです)特に既婚者の響子へアプローチしてしまう思考回路や、接する相手ひとりひとりを好きになることができる都合の良い考え方ができる人なんだなと感じた。

大人っぽい作品ですが、バラエティ豊かな人間関係について描かれているので幅広い層の方々に親しまれる小説だと感じました。今まで読んできた江國香織さんの小説よりも間口が広がった印象です。どの作品にも共通して漂う垢抜けた雰囲気と内容のエグさのギャップが健在で、とても楽しく読ませて頂きました。これからも頑張って下さい。
祥子 さん (20代女性 学生)
幸せの形、恋愛の形は十人十色。けれども、理解し合えるとは限らない。ただ自分の信じたままに生きていくだけだ。読んでいて登場人物に同情し、焦り、憤り、苛立ち、呆れた。目の前にその人物がいるかのように感情を揺さぶられた。人間はまったく仕方ないなあと思う。呆れながらも、いとおしいというふうに思える作品。

●印象に残った場面
鯖崎が「来ちゃった」と言って響子の家へとやってきてしまう場面。この男の行動を見ていると、苛立つ。なんなんだこの男は、と思ってしまう。その一方で彼に注目している自分に気づく。男の人は何を考えているのか、全然、わからない。

●共感した登場人物
未来。私ももう少し幼い頃、母親にこんな態度をとったような記憶がある。こんなにひどくはないけれど。陽のようにはならず、私のようにまるく、成長してもらいたいなと思った。

タイトルの通り、赤裸々な人間模様。読んでいると目の前に登場人物が現れるくらいにリアル。現代社会にも人間の面白さは健在。他人の人生を覗き見してしまったようなスリルもあります。感情を揺さぶられたいという人におすすめです。
トヲリ さん (20代女性 学生)
だれかを想うおもいはぐるぐる回って、ひとところに落ちつかない。目の前にいるひとの想いさえ、つかむことはできない。それでも、わたしたちは回るしかないのだ。
名前のない関係を手に入れるために――。

●印象に残った場面
(仮本P55, L6)おなじ素材でできている者同士だと、他人にもわかってしまう気がする。
(理由)人間をかたちづくる要素(見た目というより、中身。性格や考え方など)を「素材」とたとえるところに驚いた。「素材」と表現することで、手触りという感覚の意味まで含むことができると気づき、桃と鯖崎の肌がふれあう場面をありありとイメージできた。

●共感した登場人物
(気になるひとびと)陽と奈良橋。ふたりの話が読みたい。

果物ゼリーに閉じこめられた果物を、ひとつひとつスプーンですくって口に運ぶときのような、あやうさと瑞々しさとやさしさを感じる言葉たち。かれらが語る彼女らの物語は、どんなデザートよりも甘く、苦く、すっぱい。さまざまなひとの目で、食してほしい。
Minami さん (20代女性 学生)
大きな事件が起こるわけでもなく、登場人物それぞれが抱えている問題が根本的に解決するわけでもない。それなのにページをめくる手が止まらず、良い読後感が得られるのは、「生きている」と感じられる人間が描かれているからなのではないだろうかと思います。
きっと誰もが、登場人物の中の誰かに共感し自分を重ねて読むことができる。そのように感じさせられた物語でした。

●印象に残った場面
「そりゃあ、人はみんな違いますから」
安寿美と山口が焼き鳥屋で食事をしている場面で、安寿美が山口に向けて言った言葉。「父親と娘」以上に歳の離れたふたりの会話に、くすりとさせられました。

●共感した登場人物
みな子
一見すると古風な女性であるのにもかかわらず、実はしっかり者で少ししたたか。そんな彼女の言動には共感する箇所がいくつかありました。

是非沢山の方に読んでいただきたいです。