いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

寄居虫女

■第48回モニター「寄居虫女」櫛木理宇

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

桜子 さん (専門職)
信じられないようなストーリーですが、読んでいくうちに、たとえ中の良い家族であっても、何か一つ感情の歯車が狂ってしまえば憎しみ合うことになると感じました。
内容が衝撃的ですが、誰の心にもこのような感情は湧いてくると思いました。
920 さん (会社員)
とても怖ろしい物語だった。実際に同じような事件が起きているという否定できないリアリティがあり、より身近な恐怖を感じた。
読み進めるうちに加害者、被害者とはなんだろうと考えさせられた。
終盤は複雑なパズルのピースが収まっていくのが目に見えるようで見事であった。
REDMOON さん (無職)
人は目に見えて危ないとわかる危険は避けたり防御したりすることが出来るが、この小説のように静かに忍び寄る狂気は防ぐことが難しい。
それゆえに、話が進行していき登場人物たちの日常が壊れていくのは、寒気がするほどの恐怖が感じられた。
事実は小説より奇なりというように、モチーフとなった事件はおそらくもっと生々しくおぞましい出来事だっただろう。
そういった凄惨な事件を切り取って、物語を紡いでいくとどこか空虚で白けさせることが多いのだが、この『寄居虫女』は最後まで独特な世界を構築しており、読みごたえがあった。
プル助 さん (会社員)
櫛木先生の作品を読むのは4作目。今回も非常に楽しめました。
ホラーだけに終始暗く淀んだ雰囲気で物語が進みますが、会話文が多いためテンポ良くさらっと読めます。
思春期女子独特の悩みや逡巡もあり、櫛木先生らしい場面でしたが、これはこの小説の見どころの一つと言っていいと思います。
マインドコントロールで他人の家族を懐柔させる設定は、北九州の某事件を彷彿とさせますが、それだけで終わらないのがこの小説のすごいところです。
終盤の葉月のどんでん返しには驚愕しましたし、ラストの手紙も良い味付けになっていたと思います。
泉水 さん (その他)
どうなってしまうのか先が気になって一気読みでした。
被害者が加害者になってしまうのが本当に怖かった。読んでて辛かったです。実際の事件の報道を見たときにこんな事は自分の身には起こらないだろうし、起こっても自分は立ち向かえると思ったけど、実際にこんな風に家に入り込まれたら自分も洗脳されてしまうかもしれないなと思いました。
ちょっとした事で家族ってバラバラになってしまうんだなぁ。生きている人間が一番怖いと思わされた作品です。
あと葉月には最後まで騙されました。これからみんなが回復して幸せに過ごせる事を祈りたいです。
オルソンくん さん (主婦)
そうか、ヤドカリ女というのか。昨今、世間を気味悪がらせ、とんでもない所からの恐怖を植え付けた事件の数々。
あの正体は言われてみればなるほどヤドカリそのものだ。常軌を逸した人間に少しずつ占領されていくその過程が逃げ出したいほど怖い。
ひたひたひた…忍び寄る異常さ。
誰か止めて!今ならまだ間に合う!!
とページの奥深くの何処かに叫びたい、そんな気分に何度もなった。異常な風体の人間は街角でたまに見かけることがあるが、一瞬でもヒヤリと体温が下がるのに、そんな人間にヤドカリになって居座られたら、と思うとこの湿度の高い日々、かなり有難い涼を頂きました。
SWAN さん (主婦)
「ダメよ!早く逃げなさい」
前作『避雷針の夏』での田舎でのやりきれない閉塞感が、また戻ってきた感じです。人として嫌な奴、悪意にみちたどうしようみない奴が、今回もまた、これでもかと書かれています。
手を伸ばして周囲の囲いを破ってやりたくなるような、湿度の高い不快感から目が離せませんでした。
時系列で進んでいく物語の中、幕間で綴られる『あの女』の過去が、さらに女を肥大化させ、目の前に立ちはだかります。
どこの家庭にも、外からはわかりしれない闇や、問題があります。
でもそれは、何年も家族を続ける中で、当然の事だと思います。登場する家庭も、家族ひとりひとりも、決して異質な人たちではなく、どこにでもいる人です。
それなのに、あっという間に『あの女』に食い物にされてしまう怖さは何ともいえず、わが身に置き換えるとぞっとします。
最後は思いがけないどんでん返しが待っていて…無事で良かったです。
プケコ さん (その他)
まさに、『洗脳』の恐怖。物語自体も単純には進まず、中盤を過ぎたあたりから何度かページを捲る手が止まったり、引き返したり。
葉月の存在は都市伝説のようで、異様な容姿の描写は、こんな人物が実際にいたらと想像すると本当に不気味でした。誰もがみんな自分の話を聞いてほしい、だから彼女にとって人の心に入ることは容易いことだったのだと思います。
さん (会社員)
欠落を抱えた家庭に巧に入り込み、じわじわとその家を浸食し、最後には破滅させる、まさに寄生虫のような女山口葉月。
その異常さ、気色の悪さは、ページをめくる手が何度も止まってしまうほどだ。
その悪魔のような所業がいつまで繰り返されるのかと思ったら、最後の展開にはびっくり。葉月の厚化粧が、このラストの伏線になっていたとは思わなかった。
くぼちゃん さん (会社員)
実際の事件を彷彿とさせて、とても恐怖を感じました。マインドコントロールの恐ろしさがひしひしと感じられます。
人間とはここまで冷酷になれるものなのかと思うと小説の中だけのことであってほしいと切に願います。
たんちゃん さん (会社員)
人はこんなにも簡単に壊れ、他人にコントロールされるのかと思うと怖かった。
櫛木さんの作品は初めて読んだけどぐいぐい引き込まれ読むのを止められなかった。
このお話は何処で起こってもおかしくない自分だけは大丈夫なんて思えなかった。
山口葉月に目を付けられ逃れる術はないのだろか?
被害者が何時の間にか加害者になる。とても恐い話だと思った。
ぺこぽこまむ さん (会社員)
プロローグから始まり、幕間、エピローグまで、1つの事件を多方向から表現する様は、小説をフィクションのような、ノンフィクションの様な、読む者も物語の一人のような感覚を受ける作品となっていました。
皆川家が壊れてゆく様子が、葛藤と共にゆっくりと描かれて行きます。人間の弱さ・脆さ・悲しい性…。
寄居虫女の山口葉月は、本当に悪い人間だったのか。
読み終えた時、「あなたは、今、一生懸命生きていますか?」と問いかけられているような気がしました。
緋桜 さん (学生)
物語はテンポよく進みますし、サクサク読めました。
皆川家の居候3人の素性やその他の謎など、分からないことが物語のあちらこちらに散りばめられていますが、物語の最後で一気に明らかになるので、後味の良い作品でした。

ミズノミズ さん (学生)
逃げ場がないんです。
どんなに逃げようとしたところで、帰る家を奪われれば、逃げられないんです。
外から追われる恐怖ではなく、内から蝕まれる恐怖。嫌悪感に指を震わせながら、それでもページをめくる手は止まりませんでした。
家族という生物は、こんなにも弱く、脆く、そして醜いものなのだと突きつける怪作。
切っても切れない血の繋がりは、ある種の運命共同体なんです。相手を殺せば自分も殺す。人を呪わば穴二つ。
読了後、家族も自分も幸せになりたい、そう思わせる小説でした。
オレンジカバー さん (学生)
実際の事件を思わせる設定や展開で、その実際の事件が十分に衝撃的だったので、フィクションの小説でその実際の事件を超える衝撃があるのか、ちょっと不安にも思ったのですがそうした不安は杞憂でした。
家を取り込む葉月の外面、内面、徐々に家を支配していく怖さというものももちろんあってその描写もすごいなあと思ったのですが、それを許してしまった皆川家の家族それぞれのエゴや不信、嫉妬といった弱さを、壊れてしまった人間を、そして絶望をきちんと浮き彫りにしているところがすごいなあ、と思いました。
櫛木さんの作品を読むのは初めてで『ホーンテッド・キャンパス』シリーズがライトな作風という評判は聞いていたので、この本の作風は意外でしたが恐怖描写や内面描写がしっかりしていて、またミステリ要素もあり読み応えがある作品でした。
らうひん さん (主婦)
怖い。
怖いから、もう本を閉じてしまおうと思いながら、でも、止められない。ここで読むのをやめたら、怖いまま。気づいたら最後のページでした。
ほんの少しだけ弱い心の中にすっと入り込んでくるもの。弱いなんて自分では気づかないままに。そんな恐怖。
北村 リョウ さん (学生)
ホーンデットキャンパスの作風とは異なり、サイコパスの雰囲気で満ちていて人間の怖さが心をえぐるように描かれていて、ゾクゾクしました。
また一方で最後の衣織と美海の手紙であらわされたハッピーエンドでは、櫛木さんらしさが出ていて読んでいてほっこりするようでした。
家族に見捨てられた少女と家族を奪われた少女の戦いを通して描かれる二つの家族の崩壊と再生の物語であると感じました。
とても面白かったです。
ヴィヴィアン さん (主婦)
「あの事件」を想起させる・・・と紹介文にありましたが、読んでみて、思い当たる事件が複数ありました。
もし、あれらの事件を知らなかったら、この小説を読んで、こんなことは起こりえないと、思ったことでしょう。事実は小説より奇なりといいますが、似たようなことが実際に起こったのだと思うと、思考が麻痺しそうになります。
おそらくは、実際の事件にはなかっただろう、救いのようなものが、かろうじてあったことに少しだけほっとしました。
ライムとザクロ さん (学生)
これぞイヤミス。「読んでいて気分が悪い」というのが褒め言葉になる作品でした。
元々わだかまりを抱えていた家族とはいえ、ここまで他人がスルリと馴染んでいく様を読んでいると、その恐ろしさは生半可なものではありませんでした。
『ホーンテッド・キャンパス』シリーズの瑞々しい学生生活を書いた筆致が櫛木さんのイメージだったので、暗澹とする展開のシリアスなミステリーは意外に思いながらも、その予想外な内容に引き込まれて読みました。
noto さん (その他)
ホーンテッド・キャンパスとは、違う本格サスペンス
過去の山口葉月の事件が説明されることによって、この人物はという予測が立ち始めるのが良い。
1人1人の人物がしっかりしており、自分ならどうなるだろうと考えさせられる展開であった。
最後の展開はまさかと思えるものであった。
桐生景一 さん (会社員)
物語のあらすじからでも、ホーンテッド・キャンパスやドリームダストモンスターズのような雰囲気のような物語ではないことはわかっていたけど、いやもうゾッとした。
何かを失った家庭に寄生し、支配する女、山口葉月。まるでヤドカリのように。
フィクションでなく現実に支配された家庭というのもまたこんな感じだったのであろうか。
乗っ取られていく家庭、そこに至るまでの過程が読んでいて本当に辛い。異常に唯一気づいている美海までだんだん壊される寸前までいってしまう。
眠らせないというはここまで人間を壊してしまうものだろうか。重いというか、読み終わって本当にずーんっと沈んだ。
いやー、きつかった。
sokabee さん (主婦)
スピード感あふれる展開で面白く、あっという間に読了。
現実的なのか、非現実的なのか、不気味なストーリーなのに、主婦の気持ち、3姉妹の気持ちをとてもリアルに描けていて、自分の心の奥深くとコミットする部分がとても多かった。人間の生態をとにかくよく理解している著者に感心。
自分が母になり忙殺され、忘れていた独身時代までの孤独感やコンプレックス、醜さを押し殺そうとする感情がリアルに文字化され、次々に胸に突き刺さった。「寄居虫女」である葉月はそういう人間の弱さに寄り添うことで懐に入り込み、更に慢性不眠の状態に陥らせることで、家族を支配する。
典型的な「マインドコントロール」だ。この支配の根底にある「孤独」や「醜さ」の開放がどれだけ人への信頼や依存を強めるかという側面にも納得(これが葉月の絶対的権力に繋がっているのだが…)。
現代社会ではほぼありえなくなってしまった、「(ネットやメールではなく)自分のすべてを直接誰かに
ぶちまけ、共感してもらうこと」がこの作品の鍵。
また、終盤も見どころ満載。「本編」と「幕間」の伏線が絶妙に絡み合っている。被害者だけでなく、加害者たちの過去や心の傷全ても見事にさらけ出し、人間同士が壮絶に傷つけ合う不気味で醜い中盤部分(とても映像では見たくない…)を吹
き飛ばすくらい、心穏やかになれる終結。
とにかく、ホラー、家族、犯罪、人間の生態、心理…と実に多様なジャンルを一度に体感できる面白い作品!この作品
を読んで、人間関係や家族関係の築き方に布石を投じられた気がする。
もぴそ さん (会社員)
櫛木理宇先生の作品は初めて読みました。
「あの事件」を想起させる問題作とありましたが、まさしくその通りでした。
一見、どこにでもいそうな家族が、『寄居虫女』によって、それそれの抱えていた心の闇がどんどん大きくなり支配されていく・・・。家族の異変に気付くも一人孤立してしまう美海。ドキドキハラハラの連続です。
ラストは一応ハッピーエンド?という感じですが、予想を超えた感じです。
他の作品も読んでみたくなりました。
うしうし さん (主婦)
もしかしたら、すぐそばに寄居虫女はいるかもしれない・・・と思うとぞっとしながら、ぐんぐん引き込まれていきました。
そして最後の最後にまさかの展開!人間の心のもろさ、親子、姉妹、夫婦の関係を考えさせられました。
Tabo さん (会社員)
少し前に、世間を騒がせた居候女による殺人事件を土台にした小説だと、すぐに分った。あの事件が起きてから、これは恰好の小説の題材になると思っていたので、期待して読んだ。
普通の会話の中から、だんだんと核心に迫ってくる異様な雰囲気に、リアリティーを持って引き込まれていく気分になった。
揚羽 さん (学生)
きっとどの人間も、愛されたい、話を聞いて欲しい、分かって欲しい、って少なからず想っているのだと思います。
そこに漬け込む山口葉月の手口は怖くて鮮やかで、この人達はどうなってしまうのだろうかと想像をかきたてられ、読むのをやめられませんでした。
ただ、狂気的で生々しいホラーでありながら、ミステリーや家族、青春の場面をちょっとずつ加えているのがまた魅力的です。
大人も子供も駄目な部分といい部分がある。そして、人間とはどうあるべきなのか。ホラーだけじゃない、そんな人間味溢れる面白い小説でした。
私的には、ホーンテッド・キャンパスに似た部分があったなと思いました。表現とか、終わりかた、文の感じが似ていたと思います。
あと、手紙で終わらせていたところが読んででスッキリしました。恐い話なのに、後味が良かったです。
ふくちゃん さん (学生)
声、声、声、声。とろけるような甘い声、嘲るような笑い声、狂っていく家族の声。
どの場面からも、いろいろな声が溢れ出ていました。「こんな手には騙されないよ」と思いながらも、実際出会ったときに、山口葉月の声に抗うことができるだろうか。
心の隙間につけ込まれたら、求めているものをくれるなら。正直、自信はありません。壊れていく家族を見ながら、家族とはなんだろうと考えさせられます。
マドモアゼル・モモ さん (会社員)
家族、血のつながり・・・改めて 考えさせられました
歪んだ家庭に じわじわと巣くう虫・・・衣服をじわじわ虫食うごときの葉月・・・
怖い!だが 案外 身近に葉月が いてもおかしくない世の中だと思う
実際 同様な事件が 先日もおきているのだからこれは 作者からの 警告と 受け止めた
コイケ さん (自営業)
途中までは「こんなこと自分の身には起こらないだろう」と思いながら読んでいたのですが、次第にその確信が揺らいできました。精神的に弱った状態の時、生活の場に足を踏み入れられて、こんな風に飴と鞭を絶妙に使い分けながら懐柔するように仕組まれたら、あっけなく陥落してしまうかもしれません。
それどころか易々と「支配」され、母親や長女、三女と同じように、素直に命令に従う奴隷になってしまう可能性も大いにあります。この物語は決して他人事ではなく、自分の身にも起こり得ることだと、読み終えて強く感じました。
それにしても、睡眠は重要ですね。人間、食べなくても大丈夫だけど眠らないと思考能力が発揮できず、まともな判断ができない、ということを改めて痛感しました。この小説、とことん父親の影が薄いのも大きな特徴ですね。それが現代の家
庭像を象徴しているような気もしました。
ミツボシ さん (会社員)
段々と侵食されていく嫌悪感に反して頁をめくる手はどんどん早まり気付けばあっという間に読了していました。
様々な箇所に散りばめられたメッセージが、読後暫くしてから徐々に頭を占領し、私もいつしか葉月に洗脳されていたようです。
被害者と加害者のバランスはいつ反転してもおかしくはない。
テレビでで耳にするニュースはいつだって、被害者側にたっての見解ですが、真相は?と、考えてしまう思考になりました。