いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

季節はうつる、メリーゴーランドのように

■第56回モニター「季節はうつる、メリーゴーランドのように」岡崎 琢磨

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

水戸ミヤギ さん (学生)
最初からストーリーに引き込まれ、物語の最初にでてくる単語から全てに魅了されました。展開が読めるようで読めない、それでいて「なるほど!」となるような素晴らしい作品でした。
chibi さん (学生)
また騙されました!珍しく読んでいると推理(推測?)が当たることもあったのですが、多くは外れてしまいました。
特に、各章の最後に決まってつけられた伏線は冬子がキセツする形で説明されるので、夏樹の口から語られることはないのだろうと分かりました。ただキセツの内容が思っていたのと全く違っていてしてやられました。他のミステリーとやはり変わらず、もう一度読み返さないと、と思わずにはいられない一冊でした。
因幡のつきうさぎ さん (学生)
珈琲店タレーランの事件簿に引き続き男性が主人公の作品でしたが、今回は男性側が謎解きの主導権を握っていて新鮮でした。四季の移り変わりと共に夏樹と冬子の関係も変化していき、夏樹の恋も様子も四季に合わせて変わっていくのでテンポ良く読むことが出来ました。
岡崎さんの作品は作中に巧妙なトリックが仕掛けられていて最後に思ってもみなかった展開になることが多いですが、今回も驚くような展開が待ち受けており、各章に隠されていたトリックを探すために何度も読み返しました。とても素敵な作品でした。
雪時雨 さん (学生)
今回の読ませていただいたものは私には少し重い作品に思いました。悪い意味の重いではなく、いい意味で重いんです。言い方を変えるなら考えさせられるでしょうか。いつも読ませてもらっている珈琲店タレーランの事件簿とはひと味違うほろ苦い作品でした。
謎がストーリに深く関わっていて、全て解けたときは「そうなるのかー」と一人驚き、もう一度最初から読み返してしまいました。話の最後にある夏樹の一言。最初読んだときはそこまで深く考えていなかったのですが、最終話を読んでからその一言を読むと……。
カリスマカンパネラ さん (学生)
あっというまに読み終わりました。
主人公の思いが伝えられなく、友達の関係を続けていることの切なさや苦しさ等が伝わりました。私もこんな青春を送ってみたいと思いました。
主人公が今後どうなったのかすごく気になります。その分想像は膨らみますが、書いていて欲しかったです。楽しく読めました。最後の展開がとても面白かったです。
えなまる さん (学生)
夏樹と冬子の切ない恋愛ミステリを書いた作品でした。所々にあるミステリや本作品の結末が全く予想出来ずとても驚き鳥肌がたちました...。「メリーゴーランド」という言葉が凄く重要になっている気もしました。
この作品の素晴らしい所の1つとして私が思ったのは1ページ1ページに伏線が隠されており全然見逃せない所です。冬子や夏樹の思いがすごく心に来る作品で奥が深くとても良かったです。
さん (学生)
あぁ、岡崎さんの本だなぁと読み終わった時に思いました。各章で「キセツ」が展開される裏で巧妙になされている仕掛け(タレーランシリーズでもまんまと引っ掛かりました)。「そんなこと言ってたっけ!?」と、読了したのに、思わず最初や途中のページに戻ってしまいます。それぞれのキャラが生き生きとしていて共感できる部分も多く、全体的にはとてもおもしろかったです。
ただ、終わり方が私はあまり好きではなかったです。最後の最後で一気に冷めてしまった感じでした。
しいちゃんよむよむ さん (学生)
本作を読み終わった夜、切なくて寝つけなかった。自分自身の今までの恋愛も頭の中をくるくる巡っていた。
夏樹がドアに鍵をかけ世界の片側を閉じ込めたとき、私は自分の過去への扉を開いたのかもしれないなんて思う。登場人物の描写はユーモアがあり、彼らの感情は繊細に表現されている。だから彼らは真実味を持って、私の頭の中で物語を繰り広げてくれた。いくつかの奇妙な事件が起きるけど、殺人や誘拐事件など突拍子もない事件ではなく、それらは全部私たちの日常のなかで起こり得そうなことばかり。若い人は今と結びつけながら、大人の人は昔を思い返しながら、きっと誰もが共感できるようなミステリだろう。岡崎先生だから作れた作品だと思う。
りんご さん (学生)
やはり一筋縄ではいかない、最後まで止まらない物語でした。この本が恋愛を主題として宣伝されていたこともあり、恋愛に些細なミステリが絡んだ日常的ストーリーだと思い込んだままラストへ突入したからこそ、全てを覆す種明かしに息をすることも忘れて読み終えました。恋愛だけでもなく、ミステリだけでもなく、相互が鮮やかに融合しています。恋愛小説でこれほど読み応えのある作品に出合えてよかったです。
とみ さん (その他)
「キセツ、しないとね」その言葉によって見えてくる物語は決して綺麗なだけではない。1話の中に現在とそれに関係した高校時代のキセツが書かれていて、解かれることにより二人の関係が見えてきます。毎話、夏樹が語らなかったこと。それがキセツされていく最終話は今まで見ていた景色が一気に色を変えドキドキしました。
ヨルイチ さん (無職)
人を好きになるというのは、パワーを使う事でそれが「恋」となり「愛」となって「憎しみ」になります。読んでると自分の恋愛とか、過去のほろ苦い思い出が蘇りました。
次に人の名前には意味が、あります。その意味が分かれば本のミステリー解けますよ。(笑)最後にタレーランに似た話があるので私のように、夏樹に騙されるのも面白いかもしれません。
濱村 さん (その他)
苦しかったです。
読みながら、夏樹の気持ちも、それから冬子の気持ちも頭では理解できてしまうから。だけど感情は、頭とは別のところにあるので、読みながら登場人物たちに寄り添えば寄り添うほど、苦しくなるような。心情や関係性を含む、誰かの人生を、とても丁寧に描いた作品だったな、と思いました。
語り手である夏樹の気持ちや、終着点が見えない感情の行方にはらはらさせられて、ページを捲りながら「どうなってしまうんだろう」と不安になったり、「こうなるのかな」と期待したり。読みながら浮かべた予想が最後に向かうにつれてすべて置いてけぼりにされて、ここまで見事に恋愛×ミステリを融合された作品があっただろうか……と本棚を引っ繰り返しそうになりました。(笑)
日常の謎らしく基本的にはひとつの謎がひとつの話の中で解決される、いわゆる連作短編の形をとられていますけれど、一話、二話、と冠するようにそれぞれにそれぞれの役目があり、すべてが最後に繋がってゆくところは、どんどん歯車がかち合ってゆく感覚がしてとっても気持ちが良かったです。
日常の謎の名手はそれと気づかれない細やかなところにまでフックを散りばめていくのが常ですけれど、この作品も例に漏れず。最後の「キセツ」で、あっちこっちにページを捲り直した人は多いんじゃないかな。
(ネタバレ部分のみ中略して掲載)
さん (公務員)
どうして、こんなに切ないんだろう。読み終えて真っ先に感じたのは、それでした。
物凄く器用なのに、もどかしいほどに不器用。私自身も福岡の出身なので久しぶりに見かける地名が出て来たことに懐かしさを覚えながら、描かれている人々の年齢が近かったことに加えて、進学で地方から都会へ出て来たことなど、自分に重なるところが思いのほかあって、読み始めてすぐに作品世界に入り込んでいけました。
学生時代から社会人へと、時間の流れも環境も変わって、日々を送ることに折り合いをつけていくなかで、それでも一つだけ、ずっと心に残ったものからは離れられずに――たとえ、距離を置こうとしても――その合間でゆらゆら揺れ動くような、そんな姿はなんだかとっても、リアルでした。
読むほどに続きが気になってしまって、一気にラストまで駆け抜けましたが、最後の最後に、見事にしてやられました。「ええーっ!」と思わず声をあげてしまうほどに。on/offのスイッチを切り替えるように、ロジックで解決できるものがひとつずつ紐解かれながら、その一方で、ロジックの向こう側にあるものについて少しずつ、複層して展開されていく様子がとっても鮮やかでした。
kai_sou さん (主婦)
読み終えての一番の印象は、つかみどころのない寂寥感が付きまとう作品だったなということ。
作品の中で主人公である冬子と夏樹は学生から社会人へと年月を重ねていきますが、自分の置かれた立場や環境が変化していく中で抱く様々な感情には共感を覚える部分も多かったです。2人の関係性は歪で、嫌気がさしてしまうような場面もありましたが。就職して、自立して、何か特別なきっかけはなくとも、ある時からふと漠然とした心細さを抱く瞬間だったり、親の庇護の下でぬくもりに包まれた記憶が呼び起こされる瞬間だったり。立ち止まったり進んだり、喜びを感じたり悲しみを抱いたり。それはまるで視界がくるくると切り替わるメリーゴーランドのようで。読中ささくれのような引っ掛かりを覚えた物事が”キセツ”される様は見事で、その部分ではスッキリとしました。
ハッピーエンドではないけれど、この寂寥が広がる結びはとても良かったと思います。
なしのへた さん (会社員)
好きだからこそ先に進めていまの関係を壊したくない。きっとお互いがそう思って、幸せな時間を引き延ばすためにはじまったキセツと名付けた謎解きするふたりだけの時間。夏樹の一途な想いを手の込んだやり方ではぐらかす冬子。なかなか進まないふたりの関係をやきもきしながら読みました。
しの さん (主婦)
「メリーゴーランド」という夢見るような乗りものと「季節はうつる…」という美しい響き。淡くて美しくて切ない…でもきっと。。。
そんな私の勝手な読者願望から始まり、登場人物の名前、年齢、設定、変わる生活の場所などなど、とにかく全てよく考えられていることに脱帽です。
四話からなる季節のうつり変わり、それぞれの「キセツ」をふむふむと楽しみ、最終話の第一章最後のセリフを読み、私の時は止まりました。ガッ!!と歯車が一瞬にして止まり、色々な大きさの歯車がバラバラになり、そして新たに組み直されて違う動きを見せる。そんな衝撃でした。
すべてはこの見えなかった歯車による思い込み…。しかし作者による流されまくり感が気持ちいいのです♪
できればなんの予備知識もなくただ素直に読んで欲しいのですが、読んでいる時は物語の中にどっぷりつかり素直に謎解きを楽しめるし、作者のうまさを味わうことができると思います。
これは二度読み必至です。いえ私は三度は読みました。
リンコ さん (会社員)
なんだかすごくジンときました。一番好きな人と一緒にいられないとわかったとき、人はどんな選択をするのでしょう。代替品なんて要らないのです。悲しいなあ。謎解きは面白かった、こんなふうに長く長く季節をいくつもめぐって友達でいるのに、なぜ恋愛にかたむいていかなかったのか、不思議でもあるし、残酷でもある。
フェイクファー さん (学生)
甘くほろ苦いラブストーリーだと思って読み進めていた私を待ち受けていたのは、信じられないほどに残酷な「キセツ」でした…。
最後の数ページを読んでいるときの、サーっと血の気が引いていく感覚はきっとずっと忘れられないと思います。切ない悪夢のようなお話でした。夏樹と冬子と過ごした美しい季節を思い出すとやるせない気持ちになってしまいます。こんな本ははじめて読みました。
夏木創 さん (学生)
最初から漂う切なさに動かされるままに読み進めましたが、最後は予想外のラストでした。夏樹と冬子とはちょうど同世代ですが、身につまされる思いもあり忘れかけていた感情を思い出したりと、同じ目線で読めたのではないかと思います。「この切なさがたまらない」と思っていただけに、最後はいい意味で裏切られました。
jun さん (学生)
日頃ミステリを読まない私は最初、読みきれるか不安でした。しかし予想に反して読み始めるといつの間にか私も彼らと一緒に謎を解くキセツに夢中になっていました。夏樹と冬子の関係が気になって後半は一気に読みきりました。ラストに待っていたのは予想外のキセツ。全てのキセツが走馬灯のように浮かんできました。
日常のなんでもない光景にもきっと、いろんな謎が隠れている。次はどんな謎が来るんだろう、夏樹の想いはどうなるのか、読んでいてワクワクする一冊でした。
あお さん (学生)
キセツを読者である私もともに推理する楽しさと、キセツ、メリーゴーランドというキーワードを軸にした恋愛模様とを一片に味わうことができました。夏樹、冬子それぞれのキセツの仕方、特徴が、二人の恋愛模様にも大きく影響していて、この1冊で壮大なミステリーを形作っているなと感じました。
春花 さん (学生)
夏樹と冬子という真反対な季節の名前の二人の関係が繊細に描かれていて、男女の友達関係という微妙な距離感に切なくなりました。タイトル回収や夏樹が冬子に伝えようとしていたことなどが終盤に明らかにされ、最後まで一気に読み進めることができました。「キセツ」といういわば謎解きを通して縮まった2人の距離は大人になってどうなったのか、主人公はどんな気持ちでいたのか、最後まで読んでからもう一度読んで確かめたくなる作品でした。
アンブレラ さん (学生)
「キセツ」を通して登場人物の本音や秘密が展開されていきますが、最初は想いを打ち明けることが許されない状況にある夏樹にただ切ないと感じていました。ですが、1番最後のキセツで想像しなかった事実が示され、思わず前のページに戻って読み返してしまいました。また人物の1つの行動に様々な解釈が与えられていて、作者の方の想像力に圧倒されました。