いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

ぼぎわんが、来る

■第58回モニター「ぼぎわんが、来る」澤村伊智

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

東恭作 さん (公務員)
久しぶりに、読んでいて手に汗を握るようなホラー小説に出会えました。
”ぼぎわん”が、とにかく危険で禍々しいのです。普通の殺人鬼やモンスターが相手だと、直接、対面して、目に見える形で攻撃されるまでは危害が及び心配はありません。
しかし、”ぼぎわん”は一味違います。近付いて来ただけで、部屋に張っていた、たくさんのお守りが弾け飛び、ちょっと対面しただけの人物が病にかかり、致命的なダメージを負ってしまいます。
凶悪度が桁違いなのです。しかも、悪知恵まで働く。そんなやつが、時には不吉な予感を与えながら忍び寄り、また時にはグイグイと迫ってくるのです。怖くないわけがありません。
登場人物が幼い頃に見た、ドアの前に灰色の何かが立っていて、家の中に入り込もうとしてくるというビジョンも不気味です。
最後に、審査員の貴志祐介先生が選評で「著者には、もう一度ホラーブームを巻き起こすような活躍を期待したい」と書いておられますが、そのためにも是非、この『ぼぎわんが、来る』を映画化して欲しいです。
”ぼぎわん”には、『リング』の貞子や『呪怨』の伽椰子に次ぐ、日本ホラー映画、第三のアイコンになる可能性があると思いました。
栖本伊有 さん (その他)
都市伝説や民間伝承、妖怪などを題材にしたお話が好きなので、この話はドストライク!でした。
タイトルにもある「ぼぎわん」とは? その正体を知るために読み進めていましたが、その間に挟まれる家族の在り方や児童虐待、不妊やイクメンといった時代を反映した、考えさせられる要素もありました。
「ぼきわん」に襲われるシーンでは背筋がぞくぞくとしたし、戦闘シーンでははらはらと。ラストシーンは微笑ましく、すべてが終わって平穏が戻ってきたかのように見える場面でありながら、ぞくっとする台詞が最後の最後に……。
実に面白いホラー小説でした。
くぼちゃん さん (会社員)
登場人物のそれぞれの視点からの事実がずれている点をとてもうまく表現されていて、ストーリーが進むにつれてどんどん真実が明らかにされていく点がとても楽しめました。
ぼぎわんに対する恐怖も結構なもので、久しぶりにドキドキしました。
さくら猫 さん (公務員)
最初から薄気味悪い雰囲気の漂う小説。これは期待大!だと思いつつ、読み進めました。夜に読んだら多分、ドアを開けられなくなると思います。
それくらいリアルで、得たいの知れない恐ろしさを感じるホラー小説でした。
むらさき さん (学生)
少しずつわけのわからないものが近づいてくる怖さがあって、怖いのだけれど、ページをめくる手が止まりませんでした。
一章がまさかの展開で終わり、二章では語り手が変わることで登場人物の見方ががらりと変わり、三章では怖さと悲しみと読んでよかったという思いがありました。
よっしー さん (主婦)
気がついたら自分自身も迫り来るぼぎわんに怯えていました。得体の知れない不気味さは読んだ者にしかわからない。
劇団4人 さん (学生)
ホラー小説を読んで、はじめて「オモシロイ」と興奮し、一気に読みました。追う側と追われる側のかけ引き。ホラー小説を初めて読まれる方に、是非おすすめします。
vandelas さん (学生)
そこそこボリュームがありましたが、ノンストップホラーの売り文句に偽りはなく3時間程度で読み終わりました。とても面白かったし、映像化が期待できる作品でした。
怪異と民俗学のハイブリッド作品であるという点と、「ぼぎわん」の描き方が秀逸であるという点が評価されたと思います。
ホラー作品は、「黒い家」のように「結局怖いのは人間である」というテーマに落ち着く作品と、「リング」シリーズのように不条理な怪異を扱った作品に大別されますが、両者を織り交ぜている所に筆者の巧さを感じました。
また、選考委員の選評にもあったようにぼぎわんの描き方も絶妙でした。あえて読者に全体像を掴ませず、ぼぎわんのイメージを小出しにする演出も効果的です。
「ぼぎわんは昔からあなたを見ています」
「ぼぎわんは喋ります」
「ぼぎわんは咬みちぎります」
「ぼぎわんはあなたの背後にいます」
…と忍び寄るぼぎわんが非常に怖いです。
結末はあっさりしているな、と思わせておいて最後のワンシーンがちくりと刺さります。最後まで巧いなと感心しました。良い意味で非常に気持ち悪い作品でした。
クロッペ さん (その他)
こんな自分勝手な「ザ・俺!」みたいな秀樹だが…ぼぎわんに襲われた香奈の言葉「−お、お前から守ろうとしたもの」のところで泣いてしまいました。
ホラーだけどミステリーを読んでいるような…
「ぼぎわん」って何やろ?
口べらしで捨てられた老人や子供の怨念の固まりなのか…
それとも過去に利用するだけ利用してほったらかしのブギーマン?の怒りなのか…
私もスキマに入られないよう、家人に優しくしようと思いました。知紗の最後の一言が怖い…ぼぎわんはまだまだやって来る。
衣谷弥 さん (その他)
冒頭から最後まで飽きさせることなく面白かった。
ホラーの基本中の基本であろう怪談だけでなく、随所に都市伝説や民俗学を取り入れて恐怖を増幅させているので、スリリング
な展開を思う存分味わえて良かった。
名無しのミスタ さん (その他)
恐い。久しぶりに、本当に怖いと思った。読み始めた直後、物語にぐっと引き込まれて、得体の知れぬ化け物に追われているように思えた。
章ごとの視点で見えなかった心理が明らかになり、飽きなく読めた。様々な巧妙な手段と、家族の溝に付け入るぼぎわんが恐ろしい。
文章でここまで戦慄させる、とんでもない新人がデビューしたなと思う。そして本格ホラーな作品でした。
あず さん (会社員)
はじめて、怖くても続きが気になり読んでしまったホラー小説な気がします。
ぼぎわんという得体の知れないものへの恐怖心が煽られ、読むのが止まらなくなりました。怖いけど「何ものなのか」がわかれば怖くないかも知れないという、曖昧な期待もありページをめくりました。
第1章で田原さんの感じた恐怖が存分にこちらに伝わるようでした。その後別の視点から話を見ていくうちに、ぼぎわんへの恐怖
だけでなく、思い込みから生まれるすれ違いや、人と人との関わりから生まれる人間の醜さなど怖いものが増えていくようでした。
ラストはすっきりとした終わりに見えて、知紗の言葉にひやっとさせれられました。
また、「ぼぎわんが、来る」というタイトルが、読んでいる最中ずっと脳裏にひっついてじわじわと恐怖を煽ってくるようでした。
オレンジカバー さん (学生)
ホラー作品と一言で言っても、最近は幻想色の強いものやサイコホラーなど怖さより、痛さ、グロさの割合が多いもの、またはオカルトとミステリを組み合わせたものなどホラーのジャンルが広がっていて一概にホラー小説=怖い小説というわけでもなくなっている気がします。
なので、怖い本を読みたい、と思ってホラー小説を読んでも「思ったほど怖い描写無かったな」なんて思うこともありますそんな中で『ぼぎわんが、来る』は、最近の作家さんでこんなに純度の濃いホラー小説を書ける人ってなかなかいないのではないか、と思いました。
家族の名前を呼びながら少しずつ迫ってくる「ぼぎわん」。ひたひたと迫ってくる怖さももちろんあるのですが、「ぼぎわん」がついに姿を現し人を襲う描写の怖さはかなりのものです! 
民俗学や呪術的な知識などのディテールもしっかりしていてぼぎわんの由来や正体を探っていく過程はミステリ的でもあります。そこもまた面白い。
そして、章ごとに変わる語り手たち。この本は三章に分かれているのですが、語り手が変わるごとに、他の語り手では見えなかった登場人物たちのゆがみが描かれ、その構成もまた巧いの一言に尽きます。
ストーリーも構成も、ディテールもキャラ設定もそして恐怖描写もどれも本当にレベルが高くて面白かったです。
ピエール さん (公務員)
姿形がはっきりとしない「ぼぎわん」が、黒い影を落とし、「お山へ行きましょう・・・」と声を出して登場人物に近づいてくる描写は、ホラー映画を見ているようでした。
「ぼぎわん」は何者なのか分からないことが、より恐怖感を募らせるので、読んでいる途中、「ぼぎわん」が来ていないか、つい周りを見てしまいました。
なつみかん さん (主婦)
とにかく怖い、でもとにかくおもしろい。
今まで多くのホラーを読んできましたが、自分の中の今までのベスト1にとってかわる作品になりました。
選考委員の評にあるように、ホラーとしてくくられてはいるものの、さまざまなジャンルに踏み込んだ小説でもあります。作品構成がとてもしっかりしており、すごい作家が現れた。
登場人物の書き分けもうまく、それぞれの葛藤などもていねいに書かれています。個人的には、イクメンである(と自分で思い込んでいる)秀樹という人物の書き方など、現代風で印象に残りました。秀樹とその妻の香奈の会話の部分だけ読めば、、普通の家族小説のように読めるところもあり、そのようなところが、今までのホラーとは趣が異なっていて、斬新な感じがしました。
もう一つ、自分が面白いなと思ったのは、小説が三章に分かれており、それぞれの語り手が違うところです。
第一章で語られていたことが、第二章の視点から語られると全く違っていた…ということもあり、これも読んでいて、いい意味で裏切られとてもインパクトがありました。
人々を襲ってくる「ぼぎわん」の描写がこと細かく書かれていない分だけ、より怖さが募りました。
読後感が大変清々しく、今までのホラーでそのような気持ちをを持ったことがなかったので、とても新鮮でした。
ホラー好きの方を大満足させる作品であり、ホラーが初めてという方にも、ぜひ読んでいただきたい作品だと思いました。
ラムネ さん (会社員)
どんな強敵だとしても、外敵は本当の意味では怖くない。むしろ守るべき自分の身体を実感させ、身内をぎゅっと一つにし、不思議な安心感さえ生む。本当に恐怖を感じるのは、その敵が自分や身内と信じていたものから立ち上る時かもしれない。その時、恐怖は自分を引き裂いて留まること溢れだし、一体何から身を守ればいいのか分からなくなる。
三者の視線を変えて描かれる物語の中で、それぞれの人物の明暗様々な面が明らかとなり、その中で「ぼぎわん」が次第に外から内へと回り始める。恐怖が高まる。怖いのに、読むことを止められない。
みょん さん (会社員)
ものすごーく怖かったです。
自分に起きてもおかしくない、もしかしたら、事実を知ったことで今すぐにでも私に降りかかってくる類の災いではないか?と思ったら怖くて、最初、夜は読めませんでした。(ただ、ラストの方はやめれなくて、夜に読んでしまいましたが)
民俗学には、もともと興味がある分野だったので、これを機会にもう少し知りたいと思いました。
今、何気なく信じていることが、事実だけ抜かして過去に起きた現実を土台、もしくはモチーフにしていることなのかもしれないし、そういうことは世の中にとても多いと思いました。
3部作になっていたので、登場人物の入れ替わりとともに違う目線で物語を追うことになり、人がどれだけ主観的に物事をとらえているかも分かって、より面白かったです。
文章の中で(なので、話し手の記憶で)省略した部分、取るに足らない部分、例えばひと言で済ませているような部分に執着する人もいる(たとえば呪われるほどに)ということの恐ろしさ。
考えてみると、世代を超えて残るものはポジティブな感情よりもネガティブな感情だと思うので、そういったものを、相手に抱かせないことも大切だけど、自分自身も持たないようにしなくちゃなーと感じました(まぁ、難しいことなのですけど)。
匿名希望 さん (会社員)
1ページ目からホラーの始まり。ページを捲らずにはいられない。先が気になって仕方がなく、本が届いてすぐに読み切ることができた。
登場人物の心情を繊細に書き、一方でぼぎわんについては余り多くを語らないことにより、想像力を掻き立てられた。
ホラーは異世界感、昔話感があり、自分とは全く関係のない世界だと思っていました。ですが、この作品は現代社会のもつ問題定義がなされており、共感できる部分や自分だったら…と、色々考えさせられる話でした。
読者モニターを通して、この作品に出会えて良かったと思えるほど面白い作品でした。
kuro624 さん (学生)
「ぼぎわん」が迫ってくる臨場感と構成の素晴らしさに負けて、あっという間に読んでしまいました。
読みながら、「ぼぎわん」の正体を考えるのは楽しかったですし、ただ怖いだけの小説ではなくてとても読みやすかったです。「ぼぎわん」には幽霊に対するような恐怖だけでなく、色々な意味での恐怖が詰め込まれていて、読み終わったときに、はっとさせられました。「家族」や「人とのつながり」を考えさせてくれる、素敵な作品でした。
かねどん さん (会社員)
人は表と裏を使いわけながら日々を過ごしている。それを3人の主観でおりなす文章が明るみにしている。
いい家族感は最大の主観。たとえ夫婦でも2人いれば絶対異なるもの。そんな当たり前とも言えることを、改めて教えられた気がする。
人の心模様を丁寧に描いているところに本書の大きな特徴があり、それはホラーというジャンルに留まらせない魅力を持たせてくれている。そして、スピード感。
「ぼぎわん」に到達するまでも緊張感を保ちつつ、短文形式でテンポよく進む展開は、読むことを中断させてくれず、一気に読ませてくれた。そして「ぼぎわん」との対峙。琴子の神秘性を守りながらの展開は、最終局面に「もしや」という不安を抱かせてくれる。随所に伏線を張りながらも、最後まで飽きさせないテンポ感。一気読みすること間違いない、のでは。
美々庵 さん (その他)
こわすぎる・・・私は当分、呼び鈴にもノックにも電話にも応答できません・・・裏口もしっかり戸締りします。
みやこまる さん (会社員)
冒頭の数ページを読んだだけで腰が引けてしまうほどの、薄ら寒い恐怖を覚えました。
でも読みたい、でも怖い、のせめぎ合いを制したのは、やはり読みたい!の気持ちでした。
この作品を読みながら、これは最後まで読みきらないと怖くて一人で寝られなくなる!と思い、一気に読んでしまいました。
とにかく、想像できない結末、各章の意味合いの深さに、読後はただの恐怖だけではなく、人間の本質に向き合ってしまう気持ちになる作品です。
piyo3 さん (会社員)
地方の化け物をモチーフにした作品であるが、古い化け物話の湿った不気味さを持ちながらも、所々に散りばめられた現代的な描写が妙にリアルさを感じさせる。やはり和製ホラーのじとじととした不気味さは良いですね。
nika さん (主婦)
面白かった!三部作になっていて、一部は得体の知れない妖怪にゾクゾクしっぱなしで、二部ではその妖怪(ぼぎわん)の正体を掴みかけ、三部ですべてが明かされる。
三部作すべてが違う目線で語られていたので、その変化も良かった。こんなに恐くて面白くて読みごたえのあるホラー小説は久し振りに出会った。
本来は妖怪や迷信だとか得体の知れないものの話はきらいだが、本書は2次元に持って行かれそうになりつつも育児や幼児虐待などのリアルな要素を含んでおり、最後までページをめくる手が止まらなかった。
imasato さん (会社員)
物語の進行とともに語り手が変わり、それまで読者に提示されていなかった視点と事実が浮かび上がってくる。実に巧みに構成されたストーリーは、本作の大きな魅力のひとつであり、普段ホラーを読まないようなミステリ好きの方にもお勧めしたい。
また、男尊女卑・亭主関白の親世代を反面教師としたはずの現代日本の子育て世代が抱える闇と日常の描き方も秀逸。
「どこにでもいそうな人間」が「現実に出会いそうな恐怖」を読者に提示し、現実と非現実の境界線を難なく超えさせている。魔物の描き方についても、民間伝承をベースに置いている以外は読者の想像力に委ねている点が素晴らしい。読み手の力量を試しているかのうようでありながら、一気にも読めるエンターテイメントだ。次回作にも期待したい。
官庁エコノミスト さん (公務員)
科学的に解明されない化け物が奇怪な超常現象を引き起こすという意味で、ホラーの王道を行く小説だが、ホラーにしては粘着感がなく、むしろスピード感が満点で、ついつい一気読みしそうなストーリー展開の上手さを感じる。
第1章、第2章、第3章と主人公家族の夫、妻、オカルト記者と語り手を変更しているが、切り替えが自然かつ鮮やかで著者の構成力や筆力を感じる。夫の同窓生の民俗学の学者の物語への関与も極めて自然で、事態の解明に役立ちつつ、実はウラの顔があるという形で、極めて技巧に富んだキャスティングもお見事と感じる。
じょい さん (学生)
読み進めていく毎に、ぞわぞわとした感覚が込み上げてきました。「ぼぎわん」とは何なのか。
わからないことが数多くある中で、唯一その恐ろしさだけが増していく話の展開には引き込まれました。先が読めない物語であり、頁を捲る手を止めることが出来ませんでした。
クリスマス さん (学生)
拝読させていただき、たいへん面白いなあとの感想を抱きました。
各章立てにおける視点変更、疾走感のある語り口、読者を無理やり物語に引き込む薀蓄等が混ざり合い、読了まで読み手を離さない力強い作品を支えています。まさに一気読み。
土台、ホラーを小説にするのはとても難しいのではないかと常日頃思わざるを得ません。映像という伝達手段ならいざ知らず、読者を文字と行間だけで怖がらせるのは大変なんだろうなあ、と。ひとつ間違えると荒唐無稽だという感想を与えてしまう。だからよく、神話や古典文学から引っ張った薀蓄を並べる場合もあるが、こちらもやはり小難しくて大衆受けはしない。その点において本作は専門用語が少なく、門戸はかなり広め。そのうえホラーエンタメとして満足のいくものです。
個人的にはホラーは苦手なジャンルなので、なんとか粗を探してやろうと思いましたがどうにもこうにも見つからない。読了後は、ホラーはやっぱり好きになれないがこの小説は面白かったと思わざるを得ませんでした。
May さん (会社員)
自分がこんなことを経験したら。。。恐ろしい想像をせずにはいられなくなる本だった。
何者かわからないものも怖いけど、それだけではない。人の「裏の顔」、「悪意」も怖い。とにかく怖い。
自分だったらどうするか。どう感じるか。怖いと思いながらも色々と想像を巡らせてしまった。