いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

きみといたい、朽ち果てるまで 〜絶望の街イタギリにて〜

■第69回モニター「きみといたい、朽ち果てるまで 〜絶望の街イタギリにて〜」坊木椎哉

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

オルフェ さん (40代・会社員)
新世代ボーイミーツガールの傑作の誕生!!

グロテスクな世界の中での美しすぎるラストが脳にこびりついて離れない!!
あおい さん (40代・主婦)
底辺の街イタギリでゴミ収集の仕事をしている少年・ハルと彼が密かに想う少女・シズク。次々起こる猟奇殺人、恐ろしく悲しい存在シナズ…雑多でゴテゴテしてる街で2人だけが透明に輝いているように見えた。ホラー?いいえこれはラブストーリー。とびっきりの純愛です。
ハスキー次郎 さん (10代・学生)
怖かった、ああ怖かった。読んでいて常にどこか不穏な空気が漂っていて、すぐそこにどうしようもない絶望感が横たわっているんじゃないかと、ドキドキしながら、ただそれを楽しみながら読みました。

そんな空気感の中にも明るさを宿していたのが、とても魅力的な登場人物たちでした。彼らが話す言葉で荒廃したイタギリという街の中でも温かみを感じました。

ラストシーンはすごく素敵で、美しく、大好きな終わり方でした。

ただ怖いだけではなくきちんと面白い物語でした。
みどり虫 さん (50代・主婦)
最近あまり読まないホラー小説のようなので、どんな感じか手探りで読むつもり…が、イタギリという街の景色に、空気に、音に、匂いに、あっという間に引きずり込まれた。それは不快で気の滅入るものなのに、もっと知りたいと思ってしまう。恐ろしくて暗い嫌な世界なのに、なぜか美しさを感じる不思議な文章。

読み終えた後に「今もどこかにイタギリはあり、今もどこかで晴史はイタギリでの日々を胸に秘めて、静かに、けれどしっかりと生きているのだろう」と想像するくらいに、私の中に爪痕を残した作品でした。
まろん さん (30代・会社員)
最後の描写の美しさに心奪われ、涙が止まらなった。
人として、生とはいったい何なのか。訪れる死とはいったい何なのか。を問われつつ、人の本能や美しさ・尊さ・醜さ全てを脳内に叩きつけられたような衝撃がはしった内容でした。
澱んだ世界の中に存在する色があるものの大切さ尊さが際立ち、また色なきものは色づくものによって更に黒く際立つ。2つの事象はきってもきれないもので、それは生と死も、男と女も同様に描かれているストーリーに心は明暗しつつ吸い込まれていくような感覚に酔いしれる事ができた作品でした。
そして、最後の視界がクリアになるような展開に心が震えぐっと締め付けられたような感覚がたまらなく今も愛しく憎い。
yuuki さん (10代・学生)
強烈に記憶に残る作品だった。

忘れたくても忘れることは叶わない。それほどまでに美しい。
むらさき さん (20代・学生)
様々な事情を抱えた人たちが集まり独自のルールを持つ町。この町で生まれ育った少年はこの世界以外知らない。だからこそ、辛い世界に思える世界にも自然と入り込み読むことができたのかなと思いました。
仕事、恋、殺人事件など様々なことに直面し人の様々な面を見た主人公の最後の行動は「成長」だったのか「絶望」だったのか。
様々な感じ方ができるラストだと思いました。
黒犬 さん (30代・会社員)
 この作品をどう読むのか。第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作として見れば、ホラー小説ではあるのだろうし、『究極の恋愛小説』というキャッチコピーの様に、恋愛小説でもあるのかもしれない。でも自分は思う。本作の主題はきっと、そうしたジャンル分けによって括る事が出来ない、境界線上に位置するのではないかと。

 題名で「絶望の街」と記される本作の舞台、イタギリが抱える猥雑さ。他に行き場の無い、脛に傷持つ者や、外の世界に馴染めなかった人々を飲み込んで膨れ上がった街。本作にもまたそんな街を舞台にする事でしか語り得なかった主題がある様に思う。既存の小説のジャンル分けの中に綺麗に収める事が出来なかった物語は、他に居場所を見いだせずにイタギリに流れ着いた人々の姿とも重なる。

 本作はきっと、生まれる場所も、親も選べなかった少年が、自分の意志でもう一度『生まれ直す』物語だ。

 自ら望んで街の外から流れて来た訳ではない。絶望の街で生まれた少年は、過酷な環境の中で今を生きる事に精一杯だった。将来や、夢や、未来への展望なんて無い。その日その日を生きる為に働く事、暴力と貧困に耐える事=生きる事そのものに耐える事が全てだったし、それが普通だった。しかし少女と出会った事で初めて、少年は自分の中にも夢が、望みが、願いが、或いは祈りがあった事に気付いて行く。

 望むべき未来。或いは夢。または淡い恋心。それらを手に入れる為に、叶える為に、少年は自分の足で歩いて行く事を選ぶ。その困難な道程を描き出そうとする時、必要とされた街の姿。それが少年を生み、育て、時に縛り付けたイタギリという街だったのだろうと思う。
桐生景一 さん (30代・会社員)
いやー、グロいけど純愛というのか。

スラム街の中での少年の初恋物語というべきか、難しいけどおかしい人間の集まった街の物語だなあって思って読んでた。

ゾンビものが好きな人はいいんだろうなあって思う。
刹那 さん (20代・学生)
ホラー小説を読んだのは実は貴志祐介の「悪の教典」以来二冊目でした。

ホラー小説初心者である私がこの本を手に取った時、忍び寄る終焉の足音と最後の愛が故の狂気さに面白みを、そしてラストの結末に綾辻行人氏の書評同様に美しさを感じました。この感想を発売後の読者にも味わってもらいたいけれども、それ以上に僕がお薦めしたい読み方は晴史と樹戸という二人の登場人物を対比して読む方法です。

樹戸はイタギリの外から内へ、晴史はイタギリの内から外へと意識が動いたのです。この二人がここまで異なることになった原因を僕はシズクの存在そして愛にあると感じました。
この物語は晴史と樹戸の二人が主人公ですが、導き手はシズクなんだなぁと思いました。
戎橋焼き肉 さん (10代・学生)
タイトル通り、絶望が渦巻く街・イタギリ。
住人は、犯罪などの絶望に塗れながらうまく受け入れて暮らしている。

この作品は、ホラー小説という以上にそうした住人達の人間ドラマでもあると感じた。登場人物は私達とは決定的に違う境遇にありつつも、どこか私達と地続きであるように感じて、共感しながら読めた。
そうした中で繰り広げられる登場人物達の迎える壮絶な運命。絶望の渦中から希望へと手を伸ばそうとする人々の心。

そしてラスト24ページに描かれる静かでもある展開と開示される感情の中身には、落涙を禁じ得なかった。
素晴らしく異常で純粋な恋愛小説であった。
こんちゃん さん (30代・会社員)
こんなことは現実ではあってほしくない・・・と思いながら読み進めました。
自分の人生に夢や希望を抱くことすら難しい状況で生きていかざるを得ない少年・晴史が抱く淡い恋心。
少女・シズクとの徐々に距離が縮まっていく様子が唯一この本のなかで“やすらぎ”のように感じました。

設定内容は非現実的な部分もありますが、すべて現実では有りえないとは言えない内容に、ゾッとする場面も多く人間の残酷さに恐怖を抱きました。人の命の重さをどう感じるか・・・、登場人物・イタギリの状況を通して、ぜひ改めてその尊さを感じてほしいと思いました。
はる さん (20代・会社員)
感想をつづるのが難しい。
きっと他の誰にも描くことのできない終わり方がとても美しかった。
若い二人が淡い恋心をはぐくむことすら許されないイタギリで、それでもそれぞれの愛を貫いた末の壮絶なラストが頭から離れません。
イタギリという治外法権地域の舞台設定が非常に秀逸だったように感じます。この世界がなければあのラストには持っていけなかったでしょう。
過去にも何度か読者モニターに当選しておりいろいろな作品を拝読しておりますが、発売されたら絶対に購入したいと思ったものはこれが初めてでした。
きっと万人に愛される作品ではないけれど、私はとても好きです。
SHiORi さん (30代・主婦)
ホラー作品ということで怖い話を想像して読み始めたら、最初からグロい描写でちょっと面食らった。

坊木さんの受賞の言葉にあるように、読んでいて吐き気がしそうになってしまったという最上級の賛辞を捧げたい。希望も夢も持てない晴史とシズクの淡い恋、その結末にはとても胸が苦しく切なくなった。
イタギリの街の凄惨さやシナズの悲惨さに胸が悪くなりつつも読むのを止められなかったのは晴史やシズク、月丸など登場人物に惹き付けられたから。ホラーなのに切なく涙したのは初めてのこと。
激しく涙した綾辻さんの気持ちがとてもよく分かった。
最初から最後まで上手くまとめられていて読み応えもあり満足のいく読了感だった。
今後もグロいホラーの中にも温かなものを感じさせてくれる作品に期待したい。
空香 さん (10代・学生)
絶望の街イタギリで起こる物語だからか残酷でグロテスクな描写も多々あり、私の好みのジャンルでは全くなかったのだが何故か止まらなくなり、思わず一気読みしてしまった。

ストーリーの結末としては、後味が良いとは言えないと思うのだが、ラスト1ページの描写でいきなり爽やかでスッキリとした描写になり、読み終わった直後も決して嫌な感じがせず、むしろ爽快感を感じている様な錯覚に陥る不思議な小説だった。
きっしぃ さん (30代・会社員)
ホラー小説大賞なのに、恋愛小説?って興味津々で読み始めました。
掃溜めのようなイタギリという街、夢も希望も持てないような状況で、さらにゾンビや連続殺人事件。
ささやかに生きる晴史とシズクにどうしてこんなに試練ばかりなのかと読んでいて憤りすら覚えました。
その中でも、希望を捨てずに必死に生きようとする二人の想いが切なかったです。
ハッピーエンドにはならないと思っていたけれど、ラストシーンは美しくてそこに希望を信じたいと思いました。
なつめ さん (20代・その他)
表紙からは想像出来ないほどグロテスク。
愛の表現は歪んでいますがとても純愛でした。息をするのも忘れて一気読み。
辛いのにページをめくるのが止まりませんでした。
最近流行りの切ないラブストーリーだと思って読み始めたのでいい意味で裏切られて気持ち良かったです。
hideakii さん (40代・会社員)
イタギリという町で起きる殺人事件の話なのですが、前半は主人公の晴史が事件と絡むこともなく坦々と話が進んでいく感じなので、どういう話になっていくのかが見えませんでしたが、後半は晴史が事件に絡んでいき、こういう展開になるのかと思い、そこで話に引き込まれました。
そして、最後の描写が・・・・・・すごかったです。
人はここまで死んだ体と向き合るのかと思いました。
ただ、すべてを無くして街を出ていくのに希望もって海を目指すように感じられ、何か違う気がしました。
家光 さん (20代・会社員)
本書を一言で表すと「無法地帯イタギリで出会った少年少女のラブストーリー」だと思います。
とは言ってもあくまでホラー小説なので、純粋なラブストーリーが好きという人にオススメできる作品ではないのですが。

序盤は主人公・晴史が暮らすイタギリの情景が細かく書かれており、旅行記のような感覚で読むことができました。晴史の周りで事件が起こり始めても元々無法地帯に近いイタギリでの晴史の生活はあまり変わらず、憧れの少女・シズクと少しづつ親しくなっていくのですが、二人の距離が近づいていくにつれ加速度的に物語の血生臭さが増していきます。

娼婦連続殺人事件の真相が徐々に明らかになる後半は、あまりの展開に一気に読み進めてしまいました。全編にわたって死体が登場し血みどろの展開が続くのですが、不思議と明るい読後感の作品でした。
秋雨タヌキ さん (20代・学生)
最初はグロテスクな情景描写の多さに対して辟易してしまいました。
しかし、作品を読み進めていく中でそれらに対する免疫がついたと同時に、イタギリという一見劣悪な環境である都市の居心地の良さを感じるようになりました。私もいつか世間からはみ出た人間が暮らせるイタギリのような場所を求めて彷徨い歩くことになるかもしれません。
そのときに備えて、本作品でしっかりと予習したいと思います。
劇団4人 さん (30代・会社員)
イタギリを舞台に繰り返される歴史。

晴史、シズク、樹戸が絶望の世界で懸命に生きながら辿り着いた非常識な純愛。

この世の悪の縮図と化したイタギリのラブストーリーに感動しました。
こりちゃん さん (20代・会社員)
読み進めていく度に引き込まれていく物語でした。実際には存在しない街が舞台ですが、頭の中にどんどん細部まで描写が浮かんできて臨場感たっぷりで楽しむことができました。

先の展開が予想できてしまったな、と思いながら読んでいましたが予想を超える展開が多々あり飽きることなく読めました。晴史とシズクの距離が連続殺人事件をきっかけに急速に縮まっていくところが嬉しくもハラハラしましたが、予想外の展開に驚きを隠せませんでした。

自分も好きな人が相手なら晴史と同じことができるのだろうか、でもイタギリという舞台だからこそできる愛情表現であり、人間の本能を表現できているんだろうな、と思わされました。ハッピーエンドとは言えないけれど、こんな終わり方も素敵だと思いました。
raina さん (20代・主婦)
シナズという存在、ロク掃除、ラストの九相図などにグロい表現があるくらいで、全然ホラーな内容ではなかった。
煽りにある通り、これは究極の恋愛小説だ。
混沌がはびこる暗い町でのボーイミーツガール。物語の舞台はアウトローだが、描かれている情景が丁寧で、一種の耽美さすら感じる。
行き着く先が救いなのか、地獄なのか、感じ方は人それぞれだが、わたしは希望のある爽やかなラストシーンだと思った。
綾辻先生が泣いたというのも共感できる。
さん (20代・公務員)
読み始めてしばらくして、あれ?この作品って日本ホラー小説大賞だよね?と思ってしまいました。
舞台となっているイタギリの街は、現代の日本においてまわりと切り離された特殊な街。
警察も介入することのないカオスで猥雑な独特の雰囲気は、ある種の異世界のようで、その世界観がまず魅力的だなと思いました。

そんな街では時々人の死に関連した不思議な現象が起こります。
でも、それはものすごい恐怖を感じるようなわけではなく、むしろ人の死が日常茶飯事のようなイタギリにおいては些細な現象とも言えるくらいで、これはホラーというよりファンタジーに近いんじゃないか、というのが読み始めた段階での感想です。

しかし、その印象は最後で一変しました。

やっぱりこれはホラーでした!
しかも今まで読んだことのない種類の怖さでした!主人公の少年と少女の抱える想いが純粋で無垢で、だからこそそれだけにラストのグロテスクさに背筋がゾッとしました。
吐き気を催しそうになるほどグロテスクだと思いましたが、最後まで読んで作品全体を思い返すと、なぜか美しい物語だったな、と感じてしまったのでなんだか不思議な感覚です。
そんな物語を想像できる作者の今後に期待しています。