いただきましたモニター当選者の皆様のご感想は、こちらのページ上にて掲載させていただきます。感想を御覧になって、お好みの本を見つけてください。

あとは野となれ大和撫子

■第74回モニター「あとは野となれ大和撫子」宮内悠介

※いただいた文面から、一部抜粋させていただきました。

名無しのミスタ さん (20代)
アラルスタンが建国されるまでの成り立ちと国際情勢を読み進めるのがやや大変でした。
各章の終わりに、旅人のユーモアを交えた手記に安心して読むことができた。
大統領代行アイシャを筆頭に新たな内閣が発足する間もなく、AIMがせめてくる!緊迫するスリリングな展開に手に汗握る。ページをめくる手が止まらなかった。
この場面では国軍の連中を、受け身でいじめられていたナツキが演説して結束させた姿に頼もしさと成長が感じられた。一難去ってまた一難、後宮の彼女たちがどう乗り越えていくか、気になる方はぜひ読んでほしい。
また物語の随所で重要な人物となってくるイーゴリは、吟遊詩人であり武器商人でもあり目が離せなかった。
アラルスタンの風景描写もすてきでした。沙漠のまぶしい陽光、カラっと乾燥した空気と潮風、低木のサクサウールとラクダと遊牧民、ポツンと残された船が目を閉じれば浮かんでくる。
エンタメとして面白くもあると同時に、環境問題について強いメッセージ性が伝わってきた。
一方からみれば有害だが他方からみれば恵みであると教えてくれた。
駒角 さん (20代)
この人だと知って読みながらも、一瞬著者は誰だろうとさえ思いました。
さらりとした文章筋はそのままに、後宮の娘たちの描写が生き生きとしてかわいらしい。感情の色彩や起伏がくっきりと鮮やかな印象で、だけどとっちらかってもいない、いつもの作風からは少し珍しい感じがしました。
トタン屋根の上から広場を見下ろしたり、水遊びをしたり、歌劇をしたり。
これまでの作品にいた、どこか静けさをたたえた人物たちとはまた違って新鮮でした。
今は無き実在した湖に、架空の物語を敷いて「沙漠だけど、潮の香りがする」という表現を持ってきたのが、慕情のような、懐かしむような、見たこともないかつての情景に思いをはせるようで、美しいです。
あらすじや内容からして、国の立て直しや周辺国との外交云々、中東の変遷や政治的な知識が必要なのではと身構えそうになりますが、固く重くなりすぎない加減。
本来立ち向かうべき大人たちが逃げ出し、ともすれば翻弄されそうな流れの中でも、一人の政治家としてではなく、居場所を守るために、そこを故郷とする一人の人間として。
そんな個人の感情を依って立つ理由とする彼女たちだから、変に重くならないのかもしれません。
これは、建国を読むなどという壮大な話ではなく、自分にできることをやる、等
身大が奮闘する物語だと感じました。
myon さん (40代・会社員)
実際にあったような話ですが、軽いタッチで描かれていて、映画のように思いました。
文章がきれいで、映像が浮かぶようでした。
若い女性が主人公であるためか、美しいもので覆われていてキラキラした感じがして、重苦しさはあまり感じられないのだけれど、だからこそ逆に等身大の若者が感じる国家イシューが感じられて、この地区の歴史について関心を持つことができました。
もみあげ反比例 さん (10代・学生)
フィクションなのか、ノンフィクションなのかわからないような圧倒的なリアリティと緊張感が作品の中で常に漂い、それはやがて渦になり、いつの間にか飲み込まれ、もう目が離せなくなってましたよ。
キャラクタも皆多彩で魅力的。それに芯があり、かっこいい台詞を言うんだからあ、もうめちゃくちゃ素敵だよ。
そんな少女らが起こす“奇跡”(と言うと少し胡散臭く聞こえるかもしれないが、これは紛れもない奇跡だと俺は思っている)にただただ感動した! すごい小説だと思うわあ。面白かったなあ。
SION さん (30代・主婦)
最初は慣れない言葉や名前に難しそうだと感じましたが、読んでいく内に夢中になっていました。突然の紛争で父と母を失いとても大変な境遇なのにも関わらず前向きに頑張るナツキに胸が熱くなり応援し一緒に頑張っている気持ちになりました。
ナツキや後宮のみんなの行動力に驚いたりワクワクしたり、戦争や紛争の残酷さに悲しくなったり憤ったり。とてもたくさんの気持ちをもらいました。
日本はとても平和だし毎日起こる日々のことに精一杯で、今も起こっている紛争などを忘れがちですが改めて重く受け止めて考えていこうと思いました。
hideakii さん (40代・会社員)
読み応えのあるすごく面白い作品でした。国名ぐらいしか知らいない、馴染みのない中央アジアを舞台にした話でしたが、各国の情勢や政治的背景、どういう環境の国であるかということをこの作品で知りました。
大統領が暗殺され、国政を任されることとなった若き女性たちの話ですが、暗殺直後に反政府組織が首都制圧のために侵攻してくるところは最後までどうなるかと心配になるぐらい、この作品に入り込めました。通常のの政治ではなく、彼女たちならではの政治のやり方で国を良くしていこうというのが伝わる話で、すごく面白かったです。
ハートマン さん (30代)
最初は、設定された世界観に入っていけなかったけれど、一章が読み終わるときには、作品の世界に入っていました。
ウズベキスタンやカザフスタンなど、実在の地名が幾つも出てきていて、現実の社会情勢も加味されているのか、どこからがフィクションなのか、そうじゃないのかが知りたくなりました。
国を立て直す為に懸命に奔走する女性たちがかっこいい。
むらさき さん (20代・会社員)
少女は大人たちより無力だと思われている。しかし、いろいろなものを失い、この地に立っている少女たちは、国の危機を目の当たりにし、逃げていく大人たちとは違いこの地で生きていく覚悟を持っている。覚悟を持って、自分の足で、遺志で、言葉を伝えていく彼女たちは強い。それぞれの国、運動組織、人の思惑が交錯し進んでいく展開に目が離せず、ラストまで一気に読みました。彼女たちから目が離せなくなること間違いなしです。
虹の母 さん (30代・主婦)
本を読み終えた後、どうしてそうなったのかよく分かりませんが映画を観終えたような不思議な感覚になりました。
人物像や場面が細やかに書かれていて、展開も面白かったからかもしれません。とにかく夢中になって読んでしまいました。
コビィ さん (40代・会社員)
宮内先生の作品は初めて読ませていただいた。
色彩豊か、美味しそうなにおいと湯気が立ち上る食卓やしなやかに揺れる登場人物たちの装飾品など、世界の隅々まで命が吹き込まれている文章に引き込まれた。
完成された世界観の描写の言葉の数々は、序盤こそ読者を試すようにも突き放すようにも感じるが、一度その世界の臭いや色を感じたそのあとは心の震える経験の連続だった。
次回作にも触れてみたい。
リブラリ さん (20代・会社員)
中央アジアを背景に架空の国アラルスタンを舞台とした物語ですが、実在する国や文化、歴史、技術、現代社会が直面している環境問題、テロなどの国際問題が登場します。物語の基本は、政治の中枢を担う者が逃亡してしまったアラルスタンを少女たちが守っていくというものですが、先に述べたような実際に存在する問題も登場するため、単なるフィクションというわけでもなく、とても読みごたえがありました。
また、物語にたくさんの伏線があるものの、他の本と違って予想を裏切られることが多く、飽きることなく読み進められます。少女たちの今後の物語もぜひ読んでみたいです!
momochan さん (30代・会社員)
とても面白い本だった。過去に読んだ小説の中でも上位に入るくらいの。
序盤は難しい歴史物かなと思いつつ読み進み、途中からは先の展開が気になる一方だった。
数々の伏線を回収しながら進んでいく物語は最後まで読者の息をつかせない。
たった一冊の中に様々な感動や冒険が詰まっている稀有な本。
ほぼ同年代が書いた本であるというのが衝撃でした。
May さん (30代・会社員)
逆境の中でなんとか自分たちの力を発揮しようとする。そしてその状況を打開しようとする。
本当に尊敬しかない。
自分だったらどうやって逃げるかを考えるか、あきらめてしまうかだと思う。
一生懸命、考えている姿を見て、とにかく応援したくなった。
IANI さん (30代・会社員)
坂を転げ落ちるようなスピードで気づいたら読み切っていた。異国アラルスタンの後宮の少女たちが、彼女たちを守る大統領が暗殺されて、運命に立ち向かう姿はただただ恰好良い!スピード感と緊張感とたまのコミカルさが絶妙に織り混ざって、終わりまで全然飽きなかった。沙漠やラクダ、独特の文様の織物など日本とは遠く離れた国なのに、スマートフォンやWiFi環境の描写があって妙にリアルに感じた。
きっとアラルスタンの後宮の少女たちが、この世界にはたくさんいるんだろうな、とシリアへの攻撃の報道を流し見ながら思う。本の世界の延長で、彼女たちが幸せに暮らしていることを願っている。
千早 さん (50代)
息もつかせぬスピード。かと思えば、じれったいほど事細かに描写される流れ。
正反対のドキドキ感で、長い物語もあっという間に読みきってしまう。一見、奇想天外な冒険小説のようで、実は政治、経済、民族、宗教、環境など現実の国際問題が複雑に絡み合って決してファンタジーではなく、臨場感をもって読むことができた。背後にある問題は重いのに、なぜか爽快感が残り、何より希望の持てるラストがいい。また、各章末のコラム風の別編との絡みもおもしろく、2倍楽しめるように思う。
それにしても…… どこの世界も、男ってどうしようもない。その中のほんの一握りだけ、とんでもなく魅力的だったりするから、余計にどうしようもない(苦笑)
ヨーヨー さん (20代・会社員)
紛争地帯での国家独立という一見難しそうなテーマの中に笑い、涙、愛、驚きといったエンタメ要素が詰め込まれていて本当に面白かったです。
アジアの国の独立の話ですがずっと戦場での話というわけではなく、歌劇の出し物に打ち込むシーンや政治家としての交渉シーンの方が多いです。
ですので、戦争モノは苦手といった方にも是非読んでほしいと思いました。
ストーリーも軍事力といった強大な力に智慧と勇気で立ち向かうといった王道モノで凄い惹きつけられました。
そして、キャラクターも主人公たちだけでなく、脇役含め魅力的なキャラばかりでした。
どの登場人物も他人に流されることなく、最後には明確な自分の意志をもって行動していたので読んでいて気持ちよかったです。
ラストもとても爽やかな気持ちになれ、彼女たちがこの先国をどのように変えていくのかとても楽しみで続きを読んでみたいぐらいです。
このようにエンタメ作品として楽しませていただいた一方で国際問題について色々と考えさせられる作品でもありました。
実際に今はとても国際関係が不安定な状況であり、日本もどうなるか分からないというのもあり読んでいて他人事には感じられませんでした。
読みながら私自身も彼女たちのように強くなりたいと思えました。
やまだ さん (20代・会社員)
よかったです。「盤上の夜」「ヨハネスブルグの天使たち」で好きになって、最近はちょっと難しい話を書かれている印象だったのですが、とても楽しく読ませていただきました。