作品概要
【あらすじ】
 「信玄死す——」。元亀四年(一五七三)四月、その噂が戦国の世を揺さぶった。巨大な父・武田信玄の跡を継いだ勝頼は、重荷を投げ出すように急逝した父を恨みながらも、その意志を継ぎ、天下を掌握せんと決意する。勝頼を認めぬ家臣。攻め寄せる隣国。つきまとう信玄の影。多くの敵と戦いながら、勝頼は信長の追い落としを図る。一方、睨み合う信玄・信長の狭間で戦々恐々としてきた家康は、これを機に生き残りを賭け謀略をめぐらせる。さらに信長に仕える秀吉は、武田家打倒のため三千張もの新式鉄砲を調達せよとの無理難題を突きつけられ、鋳造・手配に奔走する。地侍の宮下帯刀は、兵として戦場を命懸けで駆け回る。男たちはやがて長篠の地に集結し、死力を尽くした戦いに臨むこととなる。戦国の大転換点・長篠合戦と熱き人間ドラマを圧倒的臨場感で活写した、問答無用の本格合戦小説!<解説・木下昌輝>

【長篠の戦いとは】
 天正3年(1575年)三河国長篠城を巡り、織田・徳川連合軍と武田軍との間で勃発した戦い。羽柴秀吉も、織田信長の配下として織田軍にいた。決戦地が設楽原(設楽ヶ原、したらがはら)だったことから設楽原(設楽ヶ原)の戦い(したらがはら の たたかい)と記す場合もある。
 武田信玄の死後、後を継いだ武田勝頼は歴戦の猛者である山県政景や馬場信春などの宿老たちを掌握しきれないでいた。勝頼は宿老たちを避け、長坂釣閑斎(ながさかちょうかんさい)ら側近の甘言もあり積極策を採る。そして偉大なる父・信玄も落とせなかった高天神城を攻略し得意の絶頂にいた。
 一方、織田信長は武田信玄の死により勢いを増し、時の将軍・足利義昭を京都から追放、浅井・朝倉連合軍を破り、長島一向一揆をも制圧し信長包囲網の打破を成し遂げていた。
 そんな中、武田勝頼は三河に侵攻し、当時、徳川方についていた長篠城を取り囲む。三方ヶ原の戦いで信玄に完膚なきまでに叩きのめされ、武田騎馬軍団への恐怖覚めやらぬ家康は、信長に後詰を要請、信長はこれを了承し自ら出陣を決意する。
 そしてついに設楽原で、戦国最強を誇る武田騎馬軍団と、織田信長率いる三千張の鉄砲隊が激突する!
 本作『天地雷動』は長篠合戦を余すところ無く描いた歴史エンタテインメントであるばかりでなく、勝頼の苦悩や、これまであまり語られることのなかった三千張の鉄砲の調達を巡る秀吉の活躍、そして合戦に参加する市井の人々までをも活写した著者渾身の作品である。





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著者メッセージ
【伊東潤/いとう・じゅん プロフィール】
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。2007年『武田家滅亡』(角川書店)でデビュー。『国を蹴った男』(講談社)で第34回吉川英治文学新人賞を、『巨鯨の海』(光文社)で第4回山田風太郎賞と第1回高校生直木賞を、『峠越え』(講談社)で第20回中山義秀文学賞を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)を、『黒南風の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で本屋が選ぶ時代小説大賞2011を受賞。他著に『天下人の茶』(文藝春秋)、『吹けよ風 呼べよ嵐』(祥伝社)、『江戸を造った男』(朝日新聞出版)などがある。

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